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寒中お見舞い申し上げます

昨年6月に佐治の母が永眠し、新年の挨拶を控えておりました。

 年末の2週間、バンコク~ブータンを旅しました。じつに3年振りの海外渡航です。タイは活力漲り、外国人が溢れています。しっかりバケーションの地として復活している。とりわけ12月18日深夜のW杯決勝はすさまじい喧噪でした。ホテルのあるスクンビット通りは街中の飲食店の内外に大変な人だかりで、誰もが壁に吊された大型TVを凝視している。8割がアルゼンチンの応援です。メッシの人気は凄まじい。
 なぜあそこまでフランスはビルドアップ~ゲームメイクができないのか。不思議でならなかった。その理由をずっと考えていました。アルゼンチンはブラジル戦のクロアチアのように俊敏に前からプレスをかけ続け、フランスはブラジルのように固まってしまっている。埼玉在住のバングラデシュ人が滞在するホテルのロビーで前半を見終え、その後は極端に数を増やした街娼たちを横目に睨みながら大画面の店(の前)をハシゴして、最後は自分のホテルのラウンジでゲームを見終えました。マスクをつけてる人間などいません。

 ブータンはコロナと円安で旅費が極端に跳ね上がっており、旅客が回復していません。日本人はとくに少ない。日本語、中国語のガイドは仕事がなくなって、オーストラリアなどの海外に移住する人が増えています。ヒマラヤの山麓ですので、積雪を予想していましたが、連日快晴に恵まれました。朝夕は冷え込みますが、薪ストーブの温もりに癒やされました。
 トンサ地区のベンブジという山村は、ボン(ベン)教徒の隠れ里です。ボン教から仏教へ大きく舵を切った吐蕃のティソン・ディツェン王(8世紀後半)の命に従わず、ボン教を信仰し続けた王子の一人が逃れて定住したという伝承のある秘境です。権力者の邸宅ナグツァンには、ムクツェンというボン教の土地神(守護神)を祭る秘奥の部屋があります。おどろおどろしい黒い髑髏の空間はポプジカのクブン寺でもみましたが、ベンブジの方が面積も大きく、守護神の像が顕わになっている分だけ迫力がありました。外国人でこの部屋に入ったのは初めてだそうです。
 これでブータンも9回目、ようやくブータン仏教とボン教の関係が見え始めたところで、大学生活も残り2年余です。どこまでやれるか分かりませんが、最後の研究なので、これからも精一杯取り組みます。

 帰国は大晦日の早朝でした。あまりの疲労に今まで何もできませんでした。これから動きます。

タカハマカフェから辣韭畑へ

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コンクリートのような木造建築

 10月4・5日のウクライナ関係イベントから15・16日の環謝祭の喧騒を終えて、ようやく一段落。19日(水)は打ち上げを兼ねて砂丘方面に出かけました。まずは8月20日にオープンしたばかりの「タカハマカフェ」へ。新国立競技場を設計した隈研吾氏の設計ということで注目を集めましたが、先生はあまりよい感触をお持ちでないようです。
 カフェは3階建、延床面積 約190㎡の「木造建築」。収容人数約110人。まずは壮大な外観に目を奪われました。内装も手が込んでおり、カフェ1階のテーブルやイスなどは、美しい自然の木目を生かしたデザインになっています。また、バリアフリーへの配慮として、車椅子でも移動できるようエレベーターが導入されています。メニューは、大山ベーコンバーガーや鳥取和牛焼肉バーガーがあり、ドリンクには、地元焙煎のコーヒーや手作りクラフトコーラなどを揃えています。高さ約9mの屋上(3階)オープンテラスからは、砂丘からの海風を直に感じることができ、遠くに水平線を眺めることができます。さて、タカハマとは、古くは高低差のある砂浜を「高浜」とよんでおり、隣の砂丘会館の字が「高濱」であることに由来するようです。ただ、今の高浜地区は土産物店が軒を連ねており、浜というイメージが湧いてきません。


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 カフェの建築材料には、鳥取県産杉材の集成材(CLT材)を使用しています。しかし、これについても先生は困った顔をされており、「コンクリート建築のコンクリートを集成材に変えただけで、木造建築らしさが発揮されていない」と仰います。なお、CLTとは、Cross Laminated Timberの略称であり、木材を縦と横に交互に重ねて貼り合わせた大判の建材パネルのことを指し、高密度、高強度、燃えにくい素材になっています。地震にも強く鉄筋コンクリートよりも軽量かつ加工が容易で、CO2排出量削減や森林保全にもつながることから SDGsの観点でも注目を集めているそうです。


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ウクライナの風に吹かれて(19)

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環謝祭に出店-ごちゃまぜBOX

 10月12日(水)のゼミは、院生滅私くんの依頼により、半日がかりで学園祭の準備をした。看板の制作が主だったが、料理の味見までしたようだ。わたしは教授室に籠って別の仕事をしていた。チャリティ音楽公演からまる1週間後だったが、相変わらず疲労感は癒えていない。滅私くんは私ほどの疲労はなかったはずだが、15~16日の環謝祭(学祭)にむけてリーダシップを発揮し始めていた。前期途中、学祭に出店したらどうか、と言い出したのは私である。11月19日に「龍岩寺ごちゃまぜBOX」というイベントでごちゃまぜ料理を提供する構想があり、そのリハーサルとして学祭が有効ではないか、と思ったからである。


1015学園祭01ブータン蕎麦02ボルシチ 1015学園祭01ブータン蕎麦03看板


 ASALABが学祭に出店した経験はなかったが、幸いなことに、学祭委員会の委員がいて、彼に手続き等を進めてもらった。人員の確保は容易ではなかった。すでにサークル等で演奏や出店を行う学生が少なくなく、フリーの人材がゼミ内では多くなかった。学祭は学生のお祭りなので、教師はほぼ介入しない。結果、院生滅私君の負担が過剰になったことは否めない。ご苦労さまでした。メニューは以下の2品のみ。

・ボル7+4(ボルシチのフォー)
・ブータン蕎麦のきつね味(別名「摩尼蕎麦」もしくは「ソバダッツィ」)



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 10月5日(土)、家内と二人でぶらりと出かけた。テントで二品とも注文し、芝生で食べてみた。あれ、硬い。ブータン蕎麦が硬いのでテントに飛んでいき、もっと茹でるよう指示した。一般的な蕎麦の乾麺は約4分で茹で上がるが、ブータン蕎麦は硬く、パスタに近いので、8~10分の煮沸時間が必要となる。ところが、注文から8~10分もお客様を待たせると客足が遠のいてしまう。この矛盾を解消しなければならない。ボルシチのフォーは、麺があっさりとしてよかったが、ボルシチが薄味であり、麺のスープとしてはもう少し濃いめがよいと思った。なお、ボルシチのレシピはナターシャグジーさんのサイトを参照している。


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ウクライナの風に吹かれて(17)

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満員御礼-CFU47「希望の大地」チャリティツアー 鳥取公演

 10月5日(水)、ついにこの日を迎えた。半年掛かりで準備を進めてきたチャリティ公演。朝9時からロビー、ホール、控え室などで会場設営を始めた。昨夜に引き続き、学生たちは獅子奮迅の働き。加えて、OGのバレーさん、OBのノビタくんも頼りがいがあった。玄関前の行列のコントロールは会長と遠入さんに任せ、内側の私と連動してお客様を20人単位で誘導し、入場していただいた。
 当日券はよく売れた。前日から売れ行きが加速化し、当日は40枚程度の券がロビーで捌けたようだ。結果、入場者は定員の450名を超え満席となった(総席数484)。ホールは大変な熱気に包まれた。日本でいちばん人口の少ない超過疎県の平日午後の公演で、450名満席になったことを誇りに思っている。副代表の政田先生を始め、多くの方々のご支援があってなしえた快挙である。本当に皆様、ありがとうございました。何度でも感謝申し上げます。


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 私自身の体調は昨晩からさらに悪化していた。疲労性の胃腸炎に悩まされ、何度も手洗いに駆け込んだ。睡眠不足と疲労はピークに達しており、表情は硬かったと思われるが、次から次へと挨拶の方があらわれる。大半は誰だか分からない。なんで分からないの、という顔をされているが、歳で呆けているし、同じような面談を繰り返してきたし、おまけにマスクで顔ははっきり分からないし、大変失礼いたしました。入場・飲食・退場などで規則を守れない聴衆が何名かいて、ストレスがたまった。鳥取県民(一部)の民度の低さに驚いたが、終わりよければすべてよし。喜びましょう。感謝しましょう。


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 すべての演目を終えて、花束贈呈者に選んだのは、マリーナさん(北条ワイン)、ボリスさん(samiJAPAN出雲)、バレーさん(東京・自由学園)、滅私くん(大学院修士課程)の4名。前二者がナターシャさん、後二者がピアニストの小関さんに花束を贈呈した。良い人選だったと思う。こんなに大勢の人に助けられ、感謝された記憶がない。鳥取に来てようやく一つだけ市民・県民のためになる仕事ができたような気がしている。ありがとうございました!


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ウクライナの風に吹かれて(16)

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講演会満員御礼!

 講演会が終わってすでに1週間以上過ぎていますが、体調未だ芳しくありません。1週間の疲れとかそういうレベルではないようです。コンサートを主催すると決めた4月からの蓄積です。夏休み中は学生が消えてしまって手足をもがれ、後期が始まってからは授業や採点を優先しながらの準備でしたから。某所からレポートを早く書け、とイベント終了直後から言われてますが、わたしは「働きたくない」と悲鳴をあげ、対応できないまま今に至ります。エネルギーが尽きてしまって、やる気がおきないし、体が言うことを聞かない。


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 環境大学主催の講演会「ウクライナ避難民の支援と人類社会の未来像(中間報告)」は120席満席の盛会でした。メディア殺到です。盛会の理由は、もちろん本学に避難しているユリアさんの初講演を聴講するためであります。私もこのことはよくわきまえておりまして、自らの発表時間を40分から27分に短縮しました。ユリアさんの講演は、ウクライナの放射線汚染について(英語で発表、角野准教授翻訳)。1986年4月26日、チョルノービリ原発4号機の試験中に爆発が発生し、広範囲に放射性物質が放出された。主な放射線核種はセシウム137とストロンチウム90であり、半減期30年を経過しても、これらの放射線が半減せず、土壌や家畜に蓄積し、それらを食する人間に内部被曝を引き起こすという衝撃的な話題であった。この日は2年次実習演習の履修生も聴講しており、すでにレポートが届いているので、詳細は学生の優秀作をまた紹介するにしたい。
 以下に報道の一部を紹介する。


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NHK
ウクライナから鳥取市に避難の研究者が講演
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20221005/4040013133.html

日本海テレビ
ウクライナ避難民のユリアさん 研究を報告「帰国して研究の発表ができること を…」鳥取県
https://www.nkt-tv.co.jp/pc-news/news107zycicqvisl6yxy6x.html

中国新聞
チェルノブイリ原発事故で続く林産物汚染 ウクライナから避難の研究者、鳥取市で講演
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/223171


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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