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摩尼寺境内建造物の調査(Ⅴ)

140625摩尼寺庫裏屋根裏ツナギ 140625調査風景
 

ツナギで屋根裏へ

 6月25日(水)、今週のゼミも摩尼寺での活動となりました。前日に準備をして2時間ほど睡眠をとり、日本代表の試合をみてからのゼミ活動でしたが、教授のおっしゃるとおり、みなければよかったと後悔しています。
 前回から4年生は庫裡の調査を進めています。前回に引き続き、ぼくは庫裡の断面実測を担当し、屋根裏に上がり実測をしています。本堂の屋根裏とは異なり、部材が小さめなため足場が不安定で、慎重に調査しました。
 また、天井裏は埃っぽく、前回は服をかなり汚してしまいました。その姿を見た先生が「ツナギを買ってもいいぞ」とおっしゃったので、調査の前に購入して調査に臨みました。初めてツナギを着ましたが、これから「調査をするぞ!」という気持ちになり、集中して作業ができたと思います。


140625摩尼寺庫裏屋根裏梁


 断面図を描くのは初めてなので、あらかじめ先輩たちの過去の作品や民家の断面図の描き方をみて実測を開始しました。まず断面の形をスケッチすることから始めました。スケッチを終えてから寸法を測り、方眼紙に記入していきました。
 スケッチをしていて特徴的だと思ったのが斜めに架かっている大きな梁でした。今回は庫裏中心部の断面図をとっており、改修の痕跡は見られませんでしたが、時間に余裕があれば多くの改修をおこなっている土間付近の断面図も取りたいと考えています。


0625摩尼04庫裡01


 今回は時間が足りずに最後まで寸法を取れなかったので、もういちど測りに来ます。先生からはいちど方眼紙に鉛筆で清書にしなしてから実測を進めるほうがよいと指導されました。どうやら、屋根の勾配に問題があるようです。一般的に瓦屋根の勾配は5/10前後(5寸勾配)であるべきなのに、ぼくの図は10/10(矩勾配)になっていて茅葺き民家のようにみえるそうです。
 4年生の女子2名はこの日も庫裡の平面を実測しています。改造が多いため、平面はとても複雑で、今回も採寸は完了しませんでした。後発隊の3年生3名は社長さんの指導で座敷飾りの展開図をスケッチしました。時間が足りなくなり、先生は邪道であることを自覚しつつ、部材にコンベックスをあてて写真を撮影されていました。
 摩尼寺の建造物、とくに庫裡はぼくの卒業研究に直接関わってくるのでしっかり頑張っていこうと思います。(ユート)


0625摩尼04庫裡02


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瞑想五十人(Ⅱ)

0624清徳寺01


 B班はA班に比べると、多少緊張に欠けた。フィールドノートをもってきていない学生がA班の倍以上いたのである。もちろん代わりのレポート用紙は用意している。しかし、フィールド演習にフィールドノートは必携と決まっているから、この小さなノートを忘れてしまった段階ですでに減点対象となる。こういう細かいことを言わない先生が人気があるのでしょうね。しかししかし、例の捏造事件でも実験ノートが大問題になったからね。フィールドであれ実験室であれ、ノートをとる癖をつけておかないと。ちなみに、わたしは課題らしい課題を設定してない。ただただフィールドノートの内容で採点する。


0624光沢寺01


 17日(火)は快晴。この日の光澤寺は瞑想の音楽とそよ風、鳥のさえずりが融和した爽やかな時空が拡がっていた。ご住職が本学のカリキュラムに気を使われ、冒頭のつかみに「環境マインド」のお話をされた。有難いことだとは思うのだが、失礼だとは承知の上で、ご住職に後でお願いした。環境マインドのお話はないほうがよいのではないか、と。寺院には仏教の話題がふさわしい。仏教に限定する方が学生は集中できる。瞑想の時間も長くとれる。瞑想は身体を使った心の修行である。心身の認知する生活世界が「環境」なのだから、修行そのものが環境に結びつく。

 人ごとではない。自らの講義をふりかえるに、スピーチとレポート(この演習の瞑想にあたる)の時間のバランスはとても難しい。90分の授業ならば、スピーチは70分未満に抑える必要がある。学生には25分のレポート時間を捧げたい。つまり65分ちょいで話を終えるべきだと私は思っている。このバランスはほんとに難しい。2分か3分の違いで、授業の印象はガラリと変わる。そのためにはパワポのスライド枚数と順序を精査しておく必要がある。受講生の理解を深めようとしてスライドを増やした結果、バランスが崩れてしまう場合もしばしばある。じつは昨日の「新和様と禅宗様」講義がその典型だった。苦労して新しいスライドを何枚も用意し、古びたスライドを少し削った。準備に気合を入れすぎると大抵転ぶ。適当に気を抜くのがよいと分かっているつもりなのだが、それにしては、何度もなんども失敗を繰り返してきたなぁ。

 
0624清徳寺02


 一人の女子学生がフィールドノートの感想文に小池龍之介の著書を取り上げていた。結果、アマゾンの中古本に手がのびた。後悔している。
 東大をでたお坊さんだそうですが、文字の羅列は瞑想に如かず。本を読むよりも、座布団に坐って目を閉じている方が、少なくとも私にはずっと効果がありそうだ。 
 

0624清徳寺03

摩尼寺境内建造物の調査(Ⅳ)

0620拓本採取01庫裏02


虹梁と繋ぎ梁で絵様がちがうのは何故?

 6月20日(金)、ASALABと会長さんで摩尼寺を訪れた。同週水曜日が雨天だったため、訪問が金曜日にスライドされてしまった。なんということでしょう。本日の天気は晴れで、じっとりとした暑さだった。
 後発隊となった私たち4名は3棟の絵様拓本の採取を担当した。拓本とは、器物などの複写方法の一つである。今回は梁に彫り込まれた模様の複写だったため、梁に被せた半紙の上から固形の墨で擦する手法をとった。以下が今回とった拓本である。
   ①庫裏 向拝の虹梁絵様と木鼻
   ②三祖堂 向拝の虹梁絵様と繋
   ③閻魔堂 向拝の繋と絵様


0620拓本採取01庫裏01


 私は拓本をとる作業は初めてだったので、経験者の作業を見てから挑戦した。しかし,、あまり実力差が出る作業ではなかったため、割合スムーズに進行することができるだろうと思っていた。その矢先、拓本取りに使う半紙が足りないことが判明。準備の段階で確認を怠った某大学院生の先輩のミスであると結論付けられた。そんなこともあり、若干のグダグダ感は否めないながらも作業は進み、無事に拓本をとり終えることができた。


0620摩尼寺庫裏向拝木鼻絵様02圧縮
↑摩尼寺庫裡向拝(式台)木鼻拓本 文政六年(1823)棟札と一致するか、あるいは安政七年(1860)の本堂建て替え時の新補か。

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摩尼寺境内建造物の総合調査(Ⅲ)

0620拓本採取03三祖堂01


複雑な庫裡の平面

 6月20日(金)。摩尼寺の調査は水曜日におこなう予定でしたが、雨のため金曜日に順延になりました。13時から数名が先発で出発し、授業等のある他のゼミ生は4限後合流しました。13日は4年生以上による予備調査でしたが、20日は3年生も加わっての本格的な調査に移行しました。

  【今回の担当】
   仁王門断面図等: 吉田・宮本
   善光寺如来堂平面図: 流郷・三島
   三祖堂平面図: 高後
   閻魔堂平面図: 菊池
   庫裡: 藤井・岡田(平面)、中田(断面)、山家(棟礼撮影)
   絵様拓本採取: 山本・前田・新谷・中島 


20140621摩尼寺小屋組 ←庫裡小屋組


 私は、庫裏の平面実測を担当しましたが、間取りが複雑でなかなか思うように調査が進みませんでした。13日に略測された図面を見ながらの作業でしたが、少し間取りが違ったり書かれていない部分などもあり、書き足しや書き直しが少なくなく、採寸まで進めなかったところもありました。また、3年生は初めての実測調査であり、図面の不足部分や測り残しなどが多かったので、次回までに一度手描きで清書し、測れていないところをわかるようにして作業を詰めていきたいと思います。


1CIMG5806.jpg CIMG57962.jpg


 庫裏の屋根裏で作業をしていた4年男子2名は、埃まみれになりながらスケッチしたり、写真撮影したりしていました。今回は棟礼の写真撮影と庫裡の断面図のスケッチをしました。撮影された棟礼によると、庫裏は文政6年(1823)再建と書かれており、今から200年ばかり前の境内最古の建造物であることが分かります。


 

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コロンビア

 早起きしなくて良かった。睡眠時間を削らなくて本当に良かった。
 前日、フィールド演習のバスの中で1年生が「頑張って視ようか、どうしようか?」と悩んでいた。「やめといたほうがいいよ、たぶん0-2か0-3で負けるから。コロンビアは南米予選でチリに2連勝したんだよ。今の日本が勝てるわけない」と説く。余計なお世話と思われるでしょうが、本学の1限は午前9時に始まりますからね。しかも、必修の英語ですから、無理に睡眠時間を削って必修の講義を欠席するなんてことにならないようにして欲しかっただけです。
 当夜、午前2時近くまで大学で授業の準備をしていた。帰宅すると、ウルグアイ対イタリアの試合をやっている。10人になったイタリアはウルグアイの零封に失敗した。昔なら考えられないことである。0-0、1-0はイタリアのお家芸だったはずなのに、いたずらに「攻撃」的な「パスサッカー」に傾斜すると、こういう結末が待ち構えているのだ(ギリシアを見倣え!)。それは、またしても、日本代表の近々未来を暗示しているようにみえた。
 イタリアのGL敗退を見届け、床に就く。日本の試合は録画でみればいい。ひるがえって、日本代表の重要な試合をライブで視るのを放棄したのは、おそらく初めてのことである。しかし、このたびだけは視る気にならなかった。それだけ、今の日本代表に期待していない。愛着がない。あえて理由は書きませんが、私の心情はきっとお察しいただけるでしょう。

 9時50分起床。録画を頭からみようとリストを眺めるも、「日本対コロンビア」の文字はどこにもない。ハードディスクの容量が限界に達していたのだ。しかし、NHKが録画放送をやっている。コロンビア戦は前半38分になっていた。スコアは0-1。こういう試合で先制されるのはまずいよね。引き分けでは駄目なんだから。憮然として画面をみつめていると、前半終了間際に岡崎がダイビングヘッドで1点返し、同点になった。素晴らしい!
 その直後、画面は10時のニュースに切り変わった。すぐにチャンネルの電源を落とす。余計な情報が入ってくると、ゲームの結果が分かってしまう。液晶の画面に若いアナウンサーの残像が残って・・・いるはずはないのだが、頭の中にその表情がフェードで浮かびあがってきた。日本代表になにか良いことがあったとしたら、あんな顔はしないだろう。暗い表情だった。きっと負けたんだ・・・


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第10回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」その2

140619 ドクダミ茶2 140619 ドクダミ茶1


ドクダミの驚くべき薬効

 他班が佐治の農家にカマドを取りに行っているあいだ、わたしたちは修復建築スタジオで、大量のドクダミをカットし「茶葉」に加工する作業を進めていました。
 ドクダミの花穂や葉・茎には排便を促す緩下作用や余分な水分を排泄する利尿効果がある成分を含んでいるので、体内の老廃物を除去する薬効があります。また、毛細血管を強化する作用もあります。カリウム塩を含んでおり、神経細胞や筋肉組織を活性化する働きもあります。体内の水分を正常に保ち、利尿作用、快便作用、皮膚表面の汗腺の調節に効果があり、自律神経をコントロールする働きもしています。


140619 ドクダミ茶3


 ドクダミの独特の臭いは精油成分です。この成分には強い抗菌作用があります。最近、抗カビ・抗菌作用が注目されています。ドクダミの独特の臭いは昆虫も嫌うほどで、白アリ予防剤や食品防腐剤もドクダミから開発されています。生葉では独特の臭いのため飲用できませんが、乾燥させると、精油成分が揮発するので、煎じて飲用になります。煎じて飲料にすることにより、便秘症・風邪・蓄膿症・耳鳴り・胸の痛み・のぼせ・胃酸過多・高血圧・動脈硬化・冷え性などなど数え切れないほどの効能があります。
 ドクダミの量があまりにも多くて、カットするのがとても大変でした。乾燥しきっていたのでドクダミ特有の匂いはあまりしませんでした。今回はカットをするだけで飲むことはできなかったのですが、機会があれば飲んでみたいです。作業を終え、体育館に行くと、軽トラックにのせられた農家のカマドが搬送されていました。次回あのカマドを使って何かを作るのがとても楽しみです。(環境学科2年Y.H)


140619佐治竈05トラック02大学01 140619佐治竈05トラック02大学02

第10回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」その1

140619佐治竈01移設前01 140619佐治竈01移設前02商標


農家のカマド大移動

 6月19日(木)。この日は佐治の農家まで使わなくなったカマドを取りに行くという大仕事をこなした。裏山の「廃材でつくる茶室」の正面に本格的なカマドを設置したい、というのが先生の念願であり、それはもちろん廃棄物だけで制作すべきものでしたが、ひょんなことから、廃棄物となったカマドをまるごと頂戴することになったのです。
 カマドの移設は、先週に予定されていましたが、まさかの大雨のため順延になりました。この日の天気は打って変っての快晴で、外で作業するには暑すぎると感じもしました。目的地である佐治の農家に着いて、おばあちゃんに挨拶した後、納屋にあるカマドを見に行きました。カマドの横には臼も置いてあります。カマドも臼もとても古くて、とても立派なものでした。当初の予定ではカマドだけいただくことになっていましたが、なんでも「年輪の研究に使える」ということで臼もいただいて帰ることになりました。


140619佐治竈03孟宗竹01 140619佐治竈02煙突外し01


 私自身カマドはテレビや本でしかみたことがなく、目の当たりにするのは初めてで、こんなにすごいものだとは思いもよりませんでした。カマドは錆びたり少し破損していたりと、歳月の経ちようを物語っていました。そして、いざ前庭に駐車した軽トラックまで運ぼうと臼を二人で持ったとき、予想していたよりも重く持ち上がらず、転がしたりずらしたりしながら動かすしかありませんでした。やっと臼をトラック前まで運び終わり、次のかまどを運ぶために煙突を取り外しカマドにロープを巻きつけ孟宗竹を差し込んで担げるようにして4人で持ち上げようとしました。が、重すぎてザザッと少ししか動きません。孟宗竹で釣り上げようにも持ち上げることができないのです。


140619佐治竈04運搬02 

140619佐治竈04運搬03


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瞑想五十人(Ⅰ)

0617光沢寺01瞑想01


 6月17日から環境学フィールド演習(1年次)居住環境プログラム担当分が始まりました。昨年まで摩尼山のトレックを2年連続やりましたが、今年からはコースを以下に変更しています。総勢150名を3班にわけ、17日はA班がこのコースで演習をおこないました。

   光澤寺【瞑想体験】-清徳と清徳寺-大江ノ郷自然牧場

 メインは光澤寺での瞑想修行ですが、隠されたテーマは「過疎」です。これは1)~3)すべてに共通する地域課題であり、学生たちも関心をもってくれたようです。


0617光沢寺01瞑想02


 光澤寺では、ご住職の講話を約半時間聴講した後、全員で約半時間瞑想の初歩を体験しました。さきほど提出された野帳(フィールドノート)を採点しましたが、好評だったようです。今回は大きなJBLのスピーカーから瞑すのための音楽が流れてきました。音楽が加わると、いっそう瞑想にふさわしい環境が整いますね、とあとで感想を述べたところ、「瞑想は音楽に頼ると再現しにくい面もあるのですが、若い方で初めての方にはリラックスして入りやすいと思って」て取り入れたそうです。宗教的な面よりも、心のエクササイズを中心にしたため、音楽に頼ったところがあるということでしょう。
 個人的な感想を述べるならば、JBLから流れでる幽玄な電子音楽と池から聞こえるカエルの鳴き声の融和が絶妙でした。まだ2回あります。明日の午後、2回目の50人(B班)が瞑想体験に挑みます。
 

0617光沢寺01瞑想03

摩尼寺境内建造物の総合調査(Ⅱ)

140614山登り班4


曼荼羅蛇をみた山道

 年輪年代測定に用いる試料を自ら採取しようと「成長錐」を取り寄せました。成長錐は樹木の中心まで小さな穴を錐であけて、木のコアを採取する道具です。いきなり文化財建造物の部材に穴を開けるのはあまりに怖いので、成長錐の使い方を練習するための木材を探していました。つらつら考えるに、摩尼寺「奥の院」遺跡にはスツールとして使っていたスダジイの丸太が数十転がっています。これ以上練習材にふさわしい材もないだろうということで、6月13日(金)、他のメンバーが境内建造物に集中している最中、ポールとぼくは「奥の院」をめざしました。
 先生から裁断された丸太をとってくるよう指示されたとき、ぼくは「丸太を2つ持って下りてきます」と宣言して、境内調査班に別れを告げました。登山路は草が生い茂って獣道と化しており、前日には大雨が降っていたため、滑りやすく進むのに往生しました。途中、茂みの中で斑模様の蛇に遭遇したとき、動く曼荼羅かと思いました。吉兆か凶兆か・・・動物や虫が活発に活動し始める時期であるだけに、気温が高いとはいえ、フィールドワークには長袖長ズボンの服装が必要だと改めて實感しました。  


140614山登り班1


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ギリシア

 スペインがチリに惨敗する様をみて、日本の前途危うしと予感した。1週間前もスペイン1-5大敗の後、日本は1-2の逆転負けを喫した。今回スペインは0-2だった。スペインと日本が平行関係にあるとすれば、日本はギリシアに敗れてしまうのか??
 一方、オーストラリアが強豪オランダに善戦した。オランダはスペイン戦の5バックが機能せず、通常の4-3-3に戻してなんとか立て直し振り切ったが、オーストラリアの健闘は賞賛に値する。いまアジア杯を開催すれば、おそらくオーストラリアが優勝するだろう。それぐらい良いサッカーをした。

 久しぶりに弥生町に繰り出して酒を飲んだ。時差調整のためである。早朝7時キックオフのギリシア戦を視るため早めに酔っ払い、早めに床に就く。いったん目覚めて厠で用を足した。その後もうつらつらして眠りは浅く、6時過ぎからソファに移動し、イングランド対ウルグアイの死闘を録画で視つつギリシア戦をまった。
 香川を先発から外したことは評価したい。香川の不振は香川自身の問題を超えてチームの弱点にまでなっていたからである。左サイドに張るべき香川はしばしば内側に切り込んでくるので、左サイドにスペースができる。そのスペースからアーリークロスを上げられ、象牙海岸に2失点した。このウィークポイントはギリシアも分かっている。守備力のある大久保と岡崎が両翼を担うのは道理があると私は理解した。
 ギリシアは予想以上の堅守で、日本は得点の術をみつけられない。一人が退場して10人になり、なおその傾向が強まった。サッカーとしてはリスクの少ない退屈なゲームで、前半終了時にもう視るのをやめて眠ろうかと思ったぐらいだが、ソファに横たわって我慢した。
 後半が始まって、まず驚いた。長谷部を下げたからだ。象牙海岸戦で長谷部を下げ、チームは統率力を失った。それを経験したばかりではないか。ザッケローニのベンチワークは、ゲームの流れに沿って勝利をたぐり寄せようとするものではない。どんな戦況であれ、予定どおりの選手交代を決め打ちする。前半長谷部、後半遠藤。象牙海岸戦にその一手を打ったが、日本のサッカーはなにも変わらなかったではないか。ギリシアはすでに10人になっている。システムは4-4-1だ。トップを除く8人の選手は守備要員である。そういう状況のなかで4バック+2ボランチが必要だとは思えない。


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摩尼寺境内建造物の総合調査(Ⅰ)

0613摩尼寺04仁王門03 0613摩尼寺04仁王門02


 6月13日(金)。昨年の11月末で一旦終了していた摩尼寺境内建造物の調査を4年・院生で再開しました。活動は二班に分かれましたが、まず建造物調査について報告します。

仁王門の実測再開

 仁王門(県指定文化財↑)の調査は昨年前期ケント君が一人で取り組んでいましたが、初心者にはやや荷が重かったようで、今回は社長さんが指導することになりました。二人はゼミ時間よりも早くから実測に取り組みました。平面の測り残しと断面の続き、細部の実測をおこなったそうです。来週までに図面を起こして、足りない部分は再び測るそうです。


0613摩尼寺01秀衡杉01 0613摩尼寺01秀衡杉02


秀衡杉

 摩尼寺境内に上がり、まず秀衡杉を見ました(↑)。藤原秀衡公が病気平癒の返礼として摩尼寺に奉納したという杉苗は逞しく育って直径1m(正確には92×101㎝の楕円形)まで成長したのですが、雷風によって倒木してしまいました。その元口をそのまま祀ってあり、正面に小さな拝殿と鳥居を置いて全体を覆屋で庇護しています。先生はいつものように悪だくみを空想しておられます。秀衡杉からコア・サンプルを抜き取って年輪年代を測定できないかとお考えの模様です。建築の部材ではない、自然木なので、髄から表皮直下まですべての年輪が残っており、縁起の信頼性を証明することができるという点で、これ以上のサンプルはないでしょう。ただし、直径が大きすぎて、手持ちの成長錐では髄まで届きません。長さ50㎝以上の成長錐を入手する必要があるでしょう。


0613摩尼寺02善光寺01 0613摩尼寺02善光寺03扁額


調書取りの訓練

 その後、4年生3名は初めて建造物調査の調書をとることになりました。ユート君は庫裏、私は三祖堂、セツさんは閻魔堂で、先生はいちばん大きい善光寺如来堂を担当しました。学生は今回が初めての調書取りであり、分からないことだらけでしたが、先生が以前取られた調書のコピーを参考にしつつ書いていきました。ゼミや授業で学んだ細部や構法を思い出しながら記述してきましたが、本当に正しく書けたかどうか、正直分かりません。歴代の先輩方も調査票を完璧に書ける方はいなかったみたいなので、私たちももっと練習してしっかり書けるようになりたいと思います。


0613摩尼寺02善光寺02


善光寺如来堂

 摩尼寺での調査を終え、今日の成果と一週間の成果物のチェックを兼ねてのミーティングをおこないました。私と先生の調書を比べてみると、まず裏の方眼紙に描いた平面図に繋虹梁や長押が記入できていませんでした。また、所見はどんなことを書けばいいのか分からず空けていました。先生が調査した善光寺如来堂は、建築年代が扁額より明らかで、所見には、「明治45年の良質な近代和風仏堂。ケヤキの白木造りで重厚感があり改修が少なく保存状態が良い。屋根は入母屋造妻入だが、本堂(平入りの千鳥破風+軒唐破風)のデザインを意識して正面のデザインを近づけようとしているのではないか。本堂を意識して善光寺如来堂は建てられた可能性がある」と書いてありました。


0613摩尼寺03本堂01 0613摩尼寺02善光寺04
↑善光寺如来堂の正面デザイン(右クリック)は本堂(左)を意識したものか。


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第9回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」その2

0612ブタナ03千切り01


市販のタンポポ珈琲は癖がなくて美味しい

 6月12日(木)。本来ならこの日、農家さんから譲り受けるカマドを茶室まで運ぶ予定でしたが、それができないほどの大雨が降ったため活動が変更となりました。
 作業はブタナ珈琲の下ごしらえから始まりました。ブタナとは、ヨーロッパ原産のキク科の多年草であり、ハーブとして食用にもされている植物です。2年生が乾燥しておいてくれたブタナを、鋏を使って長さ1cmほどのサイズに切りました。タンポポ珈琲は根のみを焙煎して作られるとも聞いていますが、今回はブタナの根・茎・葉すべてを使用しました。屋外で作業をおこなったので、濡れるわ、寒いわ、でとても大変でしたが、どうにかカット作業を終えました。
 次に、切ったブタナを万能鍋に入れ、水気が飛んで焦げ目がつく程度まで炒りました。炒っているブタナからは、香ばしいとてもいい香りがしました。


0612ブタナ06カンパイ02室外


 最後に、作りたてのブタナ珈琲と先生が通販で取り寄せたタンポポ珈琲を飲み比べました。ブタナ珈琲は、健康に良さそうですが、かなり癖のある野性的な味がしました。それに比べタンポポ珈琲は、癖がほとんどなく、いい香りがして美味しかったです。双方を混ぜて飲んだりもしましたが、特に変化はなく、そのままの味、香りでした。
 雨の中での活動となってしまいましたが、初めて自分たちで加工した野草をお茶として飲むことができて、充実した活動となりました。また、身のまわりに食べられる野草が多く存在していることを学び、自分でも調べ、加工して食べてみたいなと思いました。


0612ブタナ満開03雨に濡れた
↑雨に濡れて花弁を閉じたブタナ


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第9回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」その1

0612ブタナ満開02アップ 0612ブタナ満開01サムネイル


野草の風味を残すブタナ珈琲は美味しい

 6月12日(木)。あいにくの雨でした。普通の雨ではなく、大雨・洪水警報も発令されたのですが、大学から休講の連絡はなく、通常通り授業がおこなわれました。しかし大雨のため、佐治町の農家にカマドを取りに行くという当初の予定が変更され、先週に続き、ブタナ珈琲づくりをおこないました。私たち女子4人は、カラッカラに乾いたブタナ(タンポポモドキ)を1cm程の長さに切り、万能鍋で煎りました。ブタナを小さく切っていく時、切ったブタナが四方八方に飛んでいくため、床や机の上がブタナだらけになってしまいました。ザルの中のブタナが全然減らないと言いつつも、おしゃべりしながらの作業は楽しかったです。ブタナを煎ると、鯛焼きの外側の皮のような甘くて良い香りがしました。栗やさつま芋のような香りという意見もありました。


0612ブタナ03千切り02室内


 ブタナを煎っている時に何人かが眠気を覚え、これはブタナの作用なのか、それとも部屋が暖かくなったからなのかと思ったりしました。お茶にして飲んでみると、香りが良く、後味が苦かったです。他の女子メンバーは苦くないと言いましたが、私には苦かったです。ブタナ珈琲のほかに、amazonで取り寄せたタンポポ茶も飲みました。既製品のタンポポ茶はどうにかコーヒーに似せようと作ったやや人工的な味で、「苦い麦茶」という印象でした。私個人としては、苦みや香りといった野草の特徴が活かされたブタナ珈琲の方がおいしいと感じました。


0612ブタナ04釜煎02


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居住環境実習・演習(Ⅳ)中間発表-番外編

0611中間発表01菊池01


フリートークに脱皮せよ!

 新しい公立大学としての環境大学環境学科は4つの履修プログラムを設定しているが、学生はそのプログラムに拘束されない。各プログラムを横断して科目を受講することができる。コースではなく、プログラムと称する所以だ。こうしたシステムがASALABにも淡い影を落としている。ゼミ(プロジェクト研究5)の指名学生は6名で、うち5名が居住環境実習・演習(Ⅱ)を履修した。ところが、他ゼミから私の実習・演習(Ⅱ)を履修する学生が1名あらわれ、計6名になった。下に感想を書いているNobody君はゼミはASALABだが、実習・演習(Ⅱ)は居住環境プログラムではなく、自然環境プログラムを履修した。
 しかしながら、Nobody君は、単位にはならないけれども、事実上、居住環境実習・演習(Ⅱ)を受講している。摩尼山の活動、倉吉のスケッチにはすべて参加した。ただ、授業の重複があって、光澤寺での瞑想体験にはまにあわなかった。Nobody君は居住環境実習・演習(Ⅱ)を履修登録していないのだから、じつは発表会に参加する必要はない。じっさい、私は「不参加でかまわないよ」と打診したのだが、「ぜひ参加したい」というので、今回は発表者ではなく、プロジェクターのオペレーター役を務めていただくことにした。重大な役割である。
 わたしはパワポの使用を放棄した。学生の負担になると思ったことに加え、日頃書きためているブログが発表資料として十分役にたつと判断したからである。最初から思っていたのだが、このオペレーターはブログの隅から隅まで知り尽くしている私がやるべきだった。パソコンではなく、iPadで投影しようとまで決めていた。しかし、今回はその役をNobody君に譲り、iPadではなく、普通のパソコンでブログを映し出した。
 その結果、何度かスピーチと画像にズレが生じたので、わたしが横からずいぶん口を出した。その感想が下の文章である。

   今回ASALABの発表は”トリ”であった、私はプロジェクターを担当していた。摩尼山、光澤寺、
   倉吉の3つに分かれた全グループが使用する写真をブログから選び出して映していた。終始
   ちゃんと写せていなかった。もっと幅広く画像を使用する算段を立てておけばよかったと反省
   している。やはり面倒でもP.Pで画像をまとめたほうが良かったのではないかと考えている。
   説明は口頭でいいので、画像だけまとめておき、発表者が画像を指しながら発表するスタイル
   は格好良さそうだし、原稿をただ読むだけのスタイルよりはいいのではないかと思う。(Nobody)

 じつは同じようなことを私も考えていた。パワポ(pp)を使うか否かはべつにして、今後のスピーチの課題は「フリートーク」だと思い始めている。わたしが校閲した原稿を棒読みする学生がじっさい過半を占めた。考えてみれば、1月末の白帯の修士研究中間発表会もそうだった。これからも発表前に原稿の校閲はしようと思う。ただし、ゼミ生はカンペに類するものをいっさい持ってはいけないこととする。必要な知識を頭に詰め込みフリートークでスピーチする。プロの音楽家が暗譜で演奏するのと同じことをしてもらいたいのである。
 1・2年にはそこまで要求しないが、3年以上は全員この原則にしたがってもらいたい。Nobody君には良いサジェスチョンをいただいた。感謝申し上げます。(教師改め組長)


0611中間発表05瞑想02
↑だれが瞑想を経験していないか、一目でわかるね。

象牙海岸

 W杯開幕後、最も印象に残った試合はスペイン対オランダだ。オランダが5バックを採用すると聞いたとき、4年前のドイツを思い起こした。準決勝まで破竹の進撃をしたドイツがスペインを怖れてゴール前に分厚いブロックを形成し、攻めに行かない。その無様な姿をみて大いに失望した。元祖トータルフットボールのオランダがまた同じことをする。ファンハール、おまえもか・・・
 ところが、オランダの5バックはまったく違った。5人のDFラインがゴールを離れて、ラインを高く押し上げる。前線と最終ラインの間は20メートル前後に縮まって、白と藍のユニフォームが乱れあっている。パチンコの釘が林立してスペースは消え、サイド攻撃もできない。バルサ仕込みのパスサッカーは、まったく機能しなくなった。後半のスペインは疲弊しつくして、オランダのシンプルな縦パスに崩され失点を重ねた。
 世界最高のパスサッカーを標榜するスペインが動けなくなって惨敗する姿は、攻撃的サッカーに固執する日本の近々未来の予兆のようにみえた。

 その翌日、ドログバが先発しないことを知り、嫌な予感がした。ドログバがピッチに立つ前と後で別のサッカーをしなければならない。この日のベンチが解決すべき第一の課題である。相手は相手のサッカーがしたいのだから、こちらが「自分たちのサッカー」をできるとは限らない。できないならできないで、勝点をとる方法を考えるしかないではないか。
 キックオフ直後、日本だけでなく、コートジボアールも慎重にみえた。互いに積極的にボールを奪いに行こうとしない。解説の岡田が「前線からプレスを駆けろ」と吠える度に「黙ってみてろ」と反論する自分がいた。GL初戦の前半の入りなんだからね。互いに様子見をするのは仕方のないことだ。
 日本は得点シーンの前後をのぞく時間帯では、まったく「自分たちのサッカー」になっていなかったが、守備的なサッカーであれ何であれ、前半を1-0で折り返せたのは幸運だった。しかし、本音を吐露するならば、ドログバが出てくるまでに2点差にしておきたかった。1点差では逆転されるおそれが十分ある。2点差なら同点で納まるかもしれない。1点差と2点差では対処の方法が違ってくるだろう。


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居住環境実習・演習(Ⅲ)中間発表-歴まち班

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3.倉吉市河原町・鍛冶町の町並み調査とまちづくり

 5月7日と21日に倉吉市に行き、町並みの連続立面図を作成しました。ASALABは2002年より倉吉の町並み調査とまちづくりに係わる活動を続けており、まずその経緯についてお話します。2002年より始まった研究の背景には、旧陣屋町エリアの一部が「打吹玉川地区」が国の重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建地区)に選定されたことが大きく関わっています。重伝建は、宿場町や城下町などの町並みを保全再生するために国が定めた制度です。この制度で保存地区となった場所は、歴史的建造物の修復や町並み整備をおこないます。ですが、未だ打吹玉川地区の狭い範囲のみが対象であり、江戸時代の市街地内にある町家や茅葺き民家で保全の対象となっていないものは少なくなりません。そこで、町並み保存地区を拡張するため、倉吉市旧市街地の西端にある河原町・鍛冶町の町並み調査を今年から始めたのです。2002年の調査初期に描かれた河原町の小川酒造の立面図があります。
 この立面図は、当時1期生のハブさんが2年次に手描きされたものだそうです。現在よりも建物の劣化が少ないように感じられます。小川酒造は河原町の景観の核であり、主屋は国の登録文化財で、奥には酒蔵が、ハナレには茶室・庭園もあります。河原町活性化の鍵を握る重要なお宅です。私たちは主屋と庭園を視察させていただきました。今は清酒の醸造はやめられていますが、焼酎の製造だけ続けられています。
 今回、3年生は初めて倉吉で調査することになり、先生と倉吉文化財協会長さんよりレクチュアをうけました。まず初めに、打吹山にあった打吹城についてのお話を伺いました。初め打吹城は山名時氏(やまなときうじ)が築いた居城でしたが、一国一城令により廃城となりました。ですが、城があった名残は多く残って遺跡化しています。倉吉の町には小鴨川と鉢屋川、玉川が流れており、それぞれ総外濠、外濠、内濠として打吹城を三重に囲い込み敵の攻撃から守っていたのです。その川が現在も流れており、河原町は外濠であった鉢屋川の外側、鍛冶町は鉢屋川の内側にあります。河原町は外濠の外にあったため、「町場」ではなく「町外れ」と認識されていたようです。
 次に、登録有形文化財について説明します。登録有形文化財は、指定文化財よりも規制が強くないため、築50年以上の建物であれば多くは登録可能だそうです。河原町には小川酒造のほか、鉢屋川に沿う「旧倉吉水源池ポンプ室」が登録文化財になっています。この施設は倉吉でもっとも古いコンクリート造りの戦前の建物です。


もっと倉吉を理解して発表したい
 中間発表を終えて、私自身思っていたよりも緊張しました。発表の順番が最後、他のゼミの発表を聞いてからということもあり、いつも以上にナーバスになったのだと思います。今回、倉吉について話をしました。倉吉について学んでから臨みましたが、私自身十分に理解できたうえでの発表ではありませんでした。次回発表時は、十分理解できた状態で発表したいと思います。また、読み間違いには気をつけようと思いました。(りゅ-ご-)


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居住環境実習・演習(Ⅱ)中間発表-瞑想班

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2.光澤寺での瞑想体験

 私たちは4月11日4月25日に八頭町南にある池中山光澤寺を訪れました。11日は4年生と院生のみ、25日は3年生も含めた全員が参加しました。
 4月の初め、ブータンからのお客様が先生の研究室を訪ねてこられました。帰国後にメールがあり、ブータン人のお客さま2名は「光澤寺に泊まった一夜」が日本の2週間の滞在ではいちばん印象に残ったと書かれていたそうです。少し調べてみると、光澤寺は庫裡を活用した「宿坊」経営や本堂での瞑想修行を公開でおこなわれていることがわかりました。おまけに、幸福とは何かを考えるため「八頭ブータン村」を構想されています。
 摩尼寺など「無住の庫裡」の問題を抱えている先生と先輩たちは光澤寺に興味を抱き、ただちに訪問して、本堂での修行体験のあらましの説明を受け、宿坊に改装された庫裡を視察されたのでした。
 光澤寺を訪れ、宿坊に泊まり、修行体験するお客さまは少なくありません。日常に疲れを感じる人や、日常と距離を置きたい人などが泊まりに来ます。宿泊や体験講座は、宗派にかかわらずだれでも参加できます。関西から若い女性の方が来られたり、JICAの女性所長がブータンに出国する前日に、この宿坊に泊まりに来たりもしたそうです。このお寺を訪れる9割ほどは20~30代の女性で、仏教修行により心を浄化し帰っていかれると聞きました。就職前の学生など、社会に出るのを不安に感じている人や、リフレッシュしたい人がよく訪れるそうです。
 光澤寺の宗派は浄土真宗です。ご本尊の阿弥陀如来像は前かがみになっており、苦しんでいる人々に手を差し伸べ、救済しようとする姿勢を表しています。瞑想修行の方法は、どういうわけか、東南アジア上座部仏教の方法を用いています。

少々準備不足で反省・・・
 今日の中間発表では、様々なゼミの内容を見ることができてよかった。中にはランドスケープデザインや、実際に模型を作っているところもあり、それぞれの活動方針がしっかりしてきていると思う。自分たちの発表では事前の準備不足で、スムーズに原稿が読めなかったり、原稿と写真の表示が噛み合わなかったり、瞑想のための座布団を全員分用意できないなどの反省点が目立った。次回の発表ではこのようなことがないように気をつけたい。(バス男)

落書き 落書したのはどこの独逸だ? そいつぁ和蘭陀



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居住環境実習・演習(Ⅱ)中間発表-摩尼班

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1.摩尼山の環境整備とシイタケ原木栽培

 これから「摩尼山の環境整備とシイタケ原木栽培」についてお話しします。4月23日、3年生7人、4年生・院生6人の計13人で摩尼山を訪れました。訪問の目的は登山路の整備です。作業は以下の2班に分かれました。
   ①倒木を利用しての原木準備、移動   ②サインボード修理
 摩尼山は豪雪地帯であり、冬の積雪で倒木が多く、登山路を塞いでしまいます。今回は道を塞ぐスダジイの倒木をノコギリを使って適度な長さに裁断した。ノコギリが壊れるなどのトラブルがあったものの作業は無事に完了。スダジイはシイタケの原木栽培に利用可能な広葉樹であり、長さ約1mに裁断し、全部で10本ほどを谷側の斜面に乾燥させるため並べました。スダジイは硬木であり、切断作業は思ったよりも重労働で、時間がかかりました。
 また、2年前に先輩たちが制作・設置したサインボードが地面に落ちていたので修理しました。このサインボードも伐採したスダジイを再利用したもので、非常に重い。針金で固定したのものは健在でしたが、縄を使って固定したものは、縄が腐ってボードが地面に落下していました。地面に落下したサインボード数枚を針金で固定し直す作業に取り組みました。樹木の成長に負担をかけない工夫として針金に少しゆとりを持たせました。
 登山路整備が完了し、みんなで「奥の院」遺跡まで登りました。先生から摩尼山でのこれまでの活動や「奥の院」遺跡について説明をうけながら、山を歩きました。山ツツジの花が綺麗に咲いていました。「奥の院」遺跡では、伐採木をリサイクルしたシイタケの原木栽培に2年から取り組んでいます。この日は80枚を収穫しました。この原木栽培地は目につく場所にあるため、しばしば「泥棒」被害を受けています。盗難からシイタケを守るため、原木全てをある場所に移設しました。その場所は秘密です。その後、山頂まで登り、帝釈天が降臨したといわれる立岩を訪れました。下山後、摩尼寺の境内を見学し、今後の活動指針を話あいました。


概ね満足いく発表だった
 今日の発表は、私としては概ね満足のいくものだった。摩尼山についての活動内容は調査はまだ日が浅いので内容自体は薄かったかもしれない。しかしそれを補って、実際におこなった活動を忠実に伝えることができた。摩尼山の登山路整備やシイタケ原木を仕込む作業などは初めてのことだったので、私自身にとっても面白いものだった。発表会は他班の活動内容を知るいい機会になった。特に電灯をデザインする活動に興味を惹かれた。反省点として、原稿の棒読みが目立ったので次回からは自然な流れで発表を行いたい。(キー)

0611中間発表07社長01

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キアラ

0609庭の水道01


 我が家の庭の水道は蛇口が地下にあり、使いにくくて仕方なかった。枡形の中に砂利が詰まってハンドルが動かないから、ついつい右手に力を入れて、爪をバキッ!!
 六弦倶楽部の練習会の前になると、必ず爪が折れる。その大きな原因の一つだった。最近は蛇口からホースが外れやすくなって、地面がしばしば水浸しになる。もう限界だということで、住宅ローンの終わる27年目にして、ようやく水道の蛇口を地上に立ち上げたのです。いや、便利ね。ホームセンターで蛇口に付けるアダプターとシャワーヘッドを買って取り付けたところ、ほんと使い勝手がよくなって水撒きに快感を覚えている。古くなった巻きホースには当初こういうシャワーヘッドが付いていたんだけど、いつのまにか壊れてしまい、ホースを指でつまんで水やりをして、爪をバキッ!!
 楽になりました。シャワーヘッドからでる水はシャワーだけじゃない。ストレート、ジョロ、キリなどに切り替え可能だ。ハーブにも野菜にも車にも、それぞれに適した水を撒いてやれる。アダプターを切り替えれば、汚れた手も洗えるしね。

 ささやかな幸せを感じたその日の夜、深夜のTVは凄まじい視聴率合戦を繰りひろげていた。6チャンネルでゴキブラが始まり、まもなく4チャンネルは明石家電視台になって織田信成と町田樹に会場騒然。すると、6チャンネルはたけしのTVタックルで巻き返しを図る。残念なことだけど、タックルは深夜枠になってレベルが落ちた。もう少しお色気が欲しいね。マングローブ姉さんが毒舌吐いても、浜幸・三宅の全盛期には遠く及びません。と嘆いているうちに、8チャンネルではワイドナショーがスタート。これが結構強い。東野と松本が時事問題に切り込んでくるとはね。
 そのワイドナショーに前園が登場。驚きました。人ごとじゃないからね、私の場合・・・前園は今の日本代表を高く評価していて、事実上の世界ランクは10位ぐらいだろうって言うんだ。過大評価でしょ。4年前のディフェンス陣が健在で、今の攻撃力があれば(本田が回復して)世界10位もありえたでしょうが、現状では20~30位ってとこじゃないかな。前園理論だとベスト8が可能なわけだが、私の理論ではベスト16に届くか否か微妙だということです。


0609庭の水道02


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マーティン・テイラー ギター・メソッド

 マーティン・テイラーはフィンガースタイルのソロを得意とするジャズギタリストだ。DVDとCDを1枚ずつもっている。ジョー・パスだって、ソロは肉弾きの4指使いだから、ジャズギターのフィンガースタイルが珍しいということもないのだろうけど、マーティン・テイラーのそれはたしかにアコギ系にいちばん近い弾き方かもしれない。あるとき、車中のSDデータから突然テイラーの音楽が流れてきて、なかなか良いなぁと「ランダム」を解除し、しばらくかれのアルバムに聴き惚れていた。ふだんテイラーのギターをあまり耳にしない理由がまもなく分かった。ボーカルの入る弾き語りの曲で失望してしまうの。オペラ歌手まがいの歌唱法と歌声はかれのフィンガースタイルとあまりにかけ離れている。とくに「明日に架ける橋」の真面目さには貪引いしてしまい、チャンネルを再び「ランダム」に戻した。
 帰宅後amazonを彷徨い、『ザ・マーティン・テイラー ギター・メソッド』という教則本兼楽譜が出回っていることを知った。中古で1400円(郵送料込)だったので、あっさり注文。その1週間後、帰宅したわたしは、不思議なことに、半開きになった封筒を手にした。封筒をあけて仰天。本が背表紙の部分で裁断されており、輪ゴムで束ねられていて、裁断された背表紙も同封してあったのだ。あきらかに不良本だと思い、出品者にもamazonにも連絡した。
 出品者の返答を抜粋転載する。



↑マーティンをバックにリードをとるこの小僧の正体を知っていますか?


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第8回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」その2

0605ハーブ採集04レモングラス03記念撮影 0605ハーブ採集04レモングラス04種


コリアンダーの種まき

 6月5日(木)。雨上がりの午後、男子4名は裏山の茶室に向かった。まずは恒例の菜園落ち葉の除去作業から。前回ほど落ち葉はなかった。その後、ボリジ、イチゴミルクの花、ペパーミント、ホワイトペパーミント、バジル、スペアミント、レモンバウム、ヤロウ、パセリ、イタリアンパセリを採集した。ジッパー付のビニール袋にハーブを入れ、ラベルに草名と日付を書いて封印する。


0605ハーブ採集02穴掘り01


 最後に先週鉢に仮植えした鷹の爪(赤唐辛子)2株とレモングラス2株の植え替えに取り組んだ。小さな花壇を2ヶ所につくった。一つは菜園の下手側、もう一つは山椒花壇の隣である。地中の根っこには苦しんだが、雨上がりであったため土が柔らかく、穴掘り作業はスムーズに進んだ。花壇のふちには丸太や瓦を活用してエッヂにした。その後、「花と野菜の土」を黒土を穴に入れた。山椒の隣の菜園には鷹の爪2株、菜園下手にレモングラス2株を植え、あいたスペースに「オオバ春菊」と「コリアンダー」(パクチー)の種をまき、たっぷり水を与えて茶室を後にした。


0605ハーブ採集03鷹の爪03 0605ハーブ採集03鷹の爪01
↑鷹の爪2株の植え替え

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第8回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」その1

0605ブタナ01


ブタナ珈琲の味

 6月5日(木)。今回は、2つのグループに分かれて作業をしました。一つのグループは菜園でのハーブの手入れと植え替え、もう一つのグループは2週間前に屋上で摘んだ「タンポポ」をお茶に加工する作業です。私は「タンポポ」のグループでした。こっちのグループはまず「タンポポ」の綿をカットして、茎と根っこをハサミで刻みました。しかし、そのとき、タンポポ狩りに参加しなかった同級生が摘んだ「タンポポ」は本物のタンポポではなく、タンポポによく似たブタナ(別名タンポポモドキ)であることに気づいたのです。


0605ブタナ02


 ブタナという名前の由来はフランス名の「ブタのサラダ」を訳したものです。ヨーロッパ原産の帰化植物であり、在来のタンポポの花が終わった頃から夏までの比較的長い期間、タンポポと間違うほどよく似た花を咲かせます。タンポポ属は一つの花茎に一つの頭花をつけますが、ブタナは花茎が分岐して複数の頭花をつけます。花を咲かせている時期は、この性質に着目すると容易に同定できます。花茎には葉が付かず、地表面に葉を円形に展開してロゼットを形成しています。葉は地面に張り付く傾向が高いので草刈によっても残りやすく、すぐに再生して花を咲かせます。たしかに、2週間前には草刈りでキャンパスの地面から消えていたブタナの花が今はまた咲き乱れているではありませんか。言い換えるならば、春以降においても他の草本が生い茂らないほどの荒地における生育に適応しているといえます。荒地や造成法面などで繁茂していることが多いです。


0605ブタナ05

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ザンビア

 ザンビア戦の録画が前半で切れてしまった。娘が反復予約している別の番組に録画を奪い取られてしまったのだ。
 その前半だが、洒落になりませんね。0-2になったところで、このチームはほぼ終わっていると思った。いま2010南アW杯のカメルーン戦をBSで放送している。よいサッカーではないかもしれないが、マークがきっちりしていて寄せが深く、カメルーンが日本の守備陣に苦しんでいることがよく分かる。
 当時の4バックは長友、闘莉王、中澤、駒野。アンカーに阿部がいて、ボランチが長谷部と遠藤。遠藤が事実上のゲームメーカーだが、他の6名の守備力は非常に高く、安心してみていられる。
 一方、ザンビア戦の4バックは、長友、今野、吉田、内田。ボランチに遠藤と山口。見劣りしますねぇ。今野のコンディションは重症で、内田は怪我の後遺症が癒えていない。遠藤は歳を重ね、吉田と山口はスピードがなく、ボールウォッチャーになって、マークすべき相手をしばしば見失う。この6人では点を取られる。かりに本番の前半で0-2となった場合、それは負けを意味する。引き分けに持ち込めたとしたら、奇跡であろう。
 4バックをどうするか。ザッケローニはとても難しい選択を強いられている。わたしなら、長友、森重、吉田、伊野波と並べる。ダブルボランチは、なんとか長谷部に復帰して欲しいが、それが叶わぬのなら、青山-山口でいくしかないか。細貝を排除してしまった現状で、守備力の高いボランチは長谷部だけであり、運動量のある若い二人を先発させて伊野波にフォローさせる。いまの内田では敵の左ウィングをとめられないだろう。左サイドの守備とボランチのカバーを総合的に考慮すると、CB型の伊野波が妥当だろうと思うのである。
 伊野波では攻撃に難がある、という意見も強いかもしれない。しかし、コートジボアール戦の前半だけは慎重に入りたい。攻撃は前線の4名に任せて、まずはしっかりマークとスペースを確認し、失点を防ぎたい。前半を無失点で終えたい。
 攻撃陣は、おそらく大迫の1トップで、左から香川、本田、岡崎と並べるだろう。私の持論は、本田の1トップで、左から大久保、香川、岡崎だけど、本田が嫌がるでしょうね。大久保は遠藤とともに、後半のジョーカーとしてセットで隠しておくか。二人が後半に爆発してくれることを期待したい。
 本田のコンディションがあがらない。先発で使うな、とまでは言わないが、途中交替の人員ではある。大迫に代わって大久保というバージョンだけでなく、本田を下げて大久保というバージョンも当然ありだ。ザッケローニは本田に遠慮しすぎてはいけない。メッシでもネイマールでも途中交代はある。バセドー病の手術をした顔はやつれている。2010カメルーン戦とは別人のような表情だ。香川のトップ下と大久保の左サイドの方が機能するかもしれない。それを早い段階で見極めなければならない。術前の本田と術後の本田は別人だ。下げるべきときは下げて欲しい。

スターダスト -ハブリエ(Ⅲ)

ボリジ01 ボリジ02


星屑の花-ボリジ

 裏山の菜園でイチゴミルクとともに可憐な花を咲かせているボリジ。ただ、葉っぱはとげとげしい。その葉はキウリの風味があり、原産地の地中海沿岸などではサラダにませ込むという。
 このハーブは、しかし、葉よりも花が愛されている。一つの株に星形をしたブルーとピンクの花びらをつける。それをカクテルなどに浮かべる。涼やかな彩りとなるだけでなく、花弁そのものを食べることができる。
 上の写真はアイスティーに花を浮かべたもの。アールグレイの出がらしにレッドベリーのティーバックと庭のペパーミントを放り込んで冷やしたトロピカルティー。爽やかな飲料にボリジの花を浮かべて飲み、花弁を噛む。ボリジの花は甘い味がする。
 中世ヨーロッパでは、騎士たちが士気を高めるためボリジの花を浮かべた赤ワインで乾杯し出陣した。ボリジには滋養強壮の効能があると信じられていたので、男たちはボリジのハーブティーをよく飲んだともいう。
 キク科の一年草だが、放置しておけば種が拡散し、庭中ボリジが咲き乱れるようになるらしい。庭のドクダミがすべてボリジに入れ替わればどんなに綺麗だろう。 


ボリジ03

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近世木造建築の科学的年代測定に関する基礎的研究(Ⅰ)

0604八幡神社01調査風景01 140604八幡神社 拝殿


八幡神社拝殿の棟札と絵様の調査

 ワールドカップが目前に迫っており、テンションの高いユートです。コスタリカ戦は快勝しましたが、本田さんの調子がいまいちなのが気がかりですね。本番までに調子を上げていって欲しいものです。
 個人的にはイングランドとウルグアイを応援しています。もっと語りたいですが、W杯の話題はこれくらいにして本題に入りましょう。今回のゼミ活動の報告をします。


0604八幡神社02拝殿側面


 6月4日(水)。米子の八幡神社を調査しました。昨年5月15日のブログでは、教授が単独の視察報告をされており、拝殿は本殿とほぼ同時期の天保年間前後の建築であろうと述べておられます。しかし、神主様は本殿は天保だが、拝殿はもっと古く、おそらく中世に遡ると信じておられます。そこで、このたびは拝殿を対象とする実測、絵様の拓本取り、棟札の撮影などをおこないました。雨のため、配置図作成をはじめ外まわりの調査ができなかったことが残念です。
 まず復習を兼ねて、本殿・拝殿の構造形式を示します。

  本殿: 三間社流造 銅板葺 (天保12年[1847]/棟札) 
  拝殿: 入母屋造千鳥破風 向拝軒唐破風付 平入


0604八幡神社03棟札02


1.棟札の調査 
 八幡神社にはじつに73枚もの棟礼が所蔵され、建築・再建・改修等に係わる主要な棟札だけでも27枚を数える。うち18枚をケント、フジイ、セツで撮影・実測した(文字写しの余裕なし)。とくに重要な年代を有するのは、
  ①天正12年(1584)、②天正17年(1589)、③承応2年(1655)、④延宝元年(1673)、
  ⑤元禄7年(1694)、⑥正徳5年(1715)、⑦元文三年(1738)、⑧宝暦5年(1755)、
  ⑨明和8年(1771)、⑩安永11年(1781)、⑪寛政11年(1799)2枚、⑫文化6年(1809)、
  ⑬文化13年(1826)、⑭天保13年(1842)、⑮慶応2年(1866)、⑯明治20年(1893)
の16種17枚である。拝殿の板蟇股は①~②に対応するものであろうが、さて、建築本体の建立年代はいつごろなのであろうか。


0604八幡神社03棟札03 0604八幡神社03棟札01


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環境大学特別研究費に新規採択!

 またまた似たようなタイトルで恐縮ですが、朗報です。平成26年度鳥取環境大学特別研究助成に申請した研究課題が採択されました。こういう研究助成は、ほとんどの場合、申請額の7割前後の研究費に落ち着くものですが、なんと満額、100%の回答です。驚きました。審査員のみなさまに感謝申し上げます。
 2年前のどんづまり状態からよくここまで立て直してきたものだと思います。これからも精進します。引退までまだ先は長いですからね。焦らず、じっくり基礎的な研究に取り組んでいく所存です。以下、採択された研究課題の概要を示します。

--
 1.研究課題名:  摩尼寺境内建造物の総合調査
            -登録文化財・登録記念物にむけての基礎的研究-


 2.採択年度 :  平成26年度(単年)
 3.研究費   :  990,000円

 4.研究計画の概要:
 鳥取市覚寺の摩尼山摩尼寺は因幡国山中他界の霊山として、平安時代後期以降「因幡の民の霊魂はいったん摩尼山に滞留したのち極楽に昇天する」と信じられてきた。鳥取県内では大山寺、三徳山と並ぶ天台宗の拠点である。2009年、山頂から約60m下った位置で摩尼寺「奥の院」遺跡を発見した。以後の活動を年表で示す。

   2009年 遺跡の地形測量
   2010年 摩尼寺「奥の院」遺跡の発掘調査
   2011年 発掘調査データの整理、遺物・土壌等の環境考古学的分析
        年度末に科研成果報告書『摩尼寺「奥の院」遺跡』を刊行。
   2012年 学内特別研究費「摩尼寺奥の院遺跡の文化資産保護と環境整備計画」により、
        遺跡の環境整備、登山路の整備、ルートマップの作成などに取り組む。
        年度末に論文集『聖なる巌-窟の建築化に関する比較研究-』を刊行。

 2012年度で摩尼寺「奥の院」遺跡に係わる活動は一段落し、昨年度(2013)より山麓の境内建造物の調査に移行したが、ご住職が病気と高齢を理由に引退を宣言され、年明けから関西に転居された。と同時に、大雲院ご住職の兼務寺となって現在に至る。寺は無住になってしまったが、以前から庫裏・本堂等の傷みが激しく、早急の保全対策を講じる必要がある。本研究は摩尼山・摩尼寺の保全にむけての基礎研究の一部をなす。以下のようなスケジュールを構想している。

   2014年: 摩尼寺境内建造物(本堂・山門・鐘楼・庫裏等)の登録文化財申請・認可
   2015年: 摩尼寺「奥の院」遺跡および山頂巨巌域の登録記念物申請・認可
   2016年: 摩尼山全域の「史跡・名勝・天然記念物」指定のための基礎的調査
   2017年: 摩尼山全域の「史跡・名勝・天然記念物」指定申請
   2018年以降: 山陰海岸国立公園編入のための検討(鳥取砂丘と摩尼山の合体)


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成長錐

0612成長錐01


 松原田中遺跡の地中梁チップと写真(とハーゲンダッツ)を手に年代学研究室を訪れた。最近は、あらゆる研究室のなかでいちばん気持ちよくオモテナシしてくれるね、ここが。
 新規採択された「近世木造建造物の科学的年代測定に関する基礎的研究」にいろいろ相談にのっていただいた。この「近世」という時期が研究上の大きなネックになっている。寺社にせよ民家にせよ、クリ・ケヤキ・シイなどの広葉樹、あるいは針葉樹ならマツが多用されるため、従来の年輪年代学が適用できないケースがしばしば発生する。炭素14年代測定や酸素同位体比年輪年代測定に頼らざるをえない所以である。一方、年輪幅に基づく従来の年輪年代測定の利点は高解像度デジカメによる非破壊分析が可能なところだが、酸素同位体比年輪年代の場合、どうしても破壊分析になるので、おおかたの文化財関係者は顔をしかめる。また、私たちのような素人はサンプル採取の経験がないので、専門家を現場にお呼びすることが多いのだが、なにぶん超売れっ子の先生ばかりだから、そう簡単にお時間をとっていただけない。


0612成長錐02サムネイル

 発想を変えた。私たち自身がサンプル採取できるようになればよいのだ。年代学研究室でその道具をみせていただいた。特注の器材だとばかり思っていたところ、市販品であることが分かった。「成長錐」でネットを検索すると、ただちに商品サイトがあらわれる。以下はその一番上のサイトである。

   http://www.weather.co.jp/catalog_html/C-Borer.htm

 錐(きり)、ハンドル、抽出棒の3点セットを使って、樹木の中心まで小さな穴をあけて、木のコアを採取できる。中心までのコアをサンプルすることにより、樹木に影響少なく年輪サンプルを得ることができるのだ。早速注文しようと思う。長さを違えて2種類は欲しい。

0612成長錐03
↑採取したコアはストローに入れて保管する。
 

ハブリエ(Ⅱ)

0529ハーブ摘み01 0529ハーブ摘み02


 5月29日のP1で間引いたハーブは以下の13種。

  a. ミント系
    ペパーミント ホワイトペパーミント スペアミント レモンミント レモンバウム
  b. カモミール系
    ジャーマン・カモミール、ローマン・カモミール
  c. 食材薬味系
    バジル ボリジ、ヤロウ、ガーデンセイジ、パセリ、ミンティア


0529ハーブ摘み03カモミール


 時間的余裕があれば演習室で1年生に試飲してもらおうと思っていたが、ドクダミの採集から乾燥にかけての工程に時間がかかり、タイムアウト。前週と同じく、4年生以上でテイスティングした。なお、リラックス・ティーとしてよく知られるカモミール(和名カミツレ)は乾燥させた花を茶葉とするので、ただいま室内乾燥状態にある。
 食材薬味系はバジル、パセリはよく使うが、ボリジ、ヤロウ、ガーデンセイジ、ミンティアは未経験であり、現在冷蔵庫で保管中。ただし、ミンティアが高価だけあって香りが極上。どんな料理に添えてもよさそう。
 今回もハーブティだけ報告する。

1.ホワイトペパーミント
 どうもよく分からないのだが、ペパーミントはグリーンとホワイトの2種に分けられるようだ。まず単品の味を確かめた。非常にすっきりして癖のない味。好評でした。ただし、最初のハーブ・ティは前回もいちばん評価が高かったので、舌と胃腸の状態とも関係しているのかもしれない。


0529ハーブ摘み04ホワイト01


2.ホワイトペパーミント+レモンミント
 レモンミントの花はとても綺麗だが、同じレモン系のハーブなら、私はレモンバウムの方が好きだ。上のペパーミントにレモンミントを足したところ、味がやや濁った感あり。すっきり感が少し消えた。白帯によると、わずかながらアップルミント系の風味も感じるようだ。いささか渋い顔。

3.ペパーミント+スペアミント+レモンバウム
 前回いちばん好評だった組み合わせ。やはりレモンミントよりもレモンバウムの方が良い味がすると思うのだが、今回は1のホワイトペパーミントのみがいちばんすっきりして美味しかったという意見で合意を得た。


0529ハーブ摘み04レモンミント01
↑レモンミント
0529ハーブ摘み04レモンミント02
↑ホワイトペパーミント+レモンミント

2014鳥取環境大学公開講座のお知らせ(Ⅰ)

2014公開講座03 2014公開講座04 (右)をクリック


キタさんが来たゼミ

 5月30日(金)。水曜日は3年生主体の合同ゼミですが、23日から金曜ゼミも4年生以上の卒論・修論に特化して本格的にスタートしました。放置しておくと何もしない学生が多いので、毎週ノルマが課されます。お茶をのみながらの雑談で始まり、しばらくして先生が白帯さんに、
  
   「今日、キタさんが来るから。キタさん、わかるよね?」

と問いかけられました。白帯さんはキョトンとして答えられず、先生や社長さんが呆れてみつめているその時、ドンピシャのタイミングで、キタさんご本人が演習室に入ってこられました。
 社長さんの同期生(2期生)には「北から来たの」さんというハンドルネームの先輩がいらっしゃったそうですが、この日は「キタさんが来たの」・・・キタさんは手に松原田中遺跡地中梁のチップと木口写真をもっておられます。それから、年輪年代・ウィグルマッチ・酸素同位体比などの話題がしばらく続きました。まさに白帯さんの修論に係わる話題です。白帯さんは、いつも通り、ニコニコ(汗)。
 来週のゼミは米子での調査になりますが、今回の成果物も修正しないといけないところが多いのでしっかりと詰めていきたいと思います。私たち4年生は卒論・制作等に向けて進み始めました。これから全員で協力してそれぞれがいいものに仕上げられるように頑張りたいと思います。

講演「めざせ、ブータン-洞穴僧院と瞑想修行-」のお知らせ
 
 鳥取環境大学公開講座のチラシがようやく届きました。以前、実績報告()で軽くお知らせしておりますが、昨年のブータン調査の成果を教授自ら報告されます。演題は「めざせ、ブータン-洞穴僧院と瞑想修行-」でして、夏休み期間中に鳥取と米子で2度講演されます。昨年(2013)9月に13名の教員・学生が取り組んだ洞穴僧院ドラフに係わる調査成果の本邦初公開ですので、ご期待ください。

 1.鳥取講演: 2014年8月9日(日)14:00~15:30
     会場: 鳥取県立図書館2階大研修室 
          〒680-0017 鳥取県鳥取市尚徳町101 ℡ 0857-26-8155
   
 2.米子講演: 2014年8月23日(日)14:00~15:30
     会場: 鳥取環境大学西部サテライトキャンパス
          〒683-0812鳥取県米子市角盤町1丁目55-2
          中海テレビ放送センタービル内 ℡ 0859-23-1311

 【講演要旨】 いちばん上の右の画像をクリックしてください。
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 事前の申し込みが必要ですが、受講料無料ということなので、たくさんの方に受講していただけると嬉しく思います。詳しい情報は下の画像をクリックしてご覧下さい。〈セツ〉

2014公開講座05 ←会場情報(クリックすると拡大します)

第7回「オリジナリtea -ハーブの茶法-」

0529植え込み01レモングラス03 0529植え込み01レモングラス02水やり


めざせ、トムヤンクン!

 5月29日(木)。この日は2班に分かれて活動した。1班はカインズホームに苗の買い出し、2班はドクダミの採集である。快晴の中、気持ちよく作業が行うことができました。わたしは1班です。
 7月の発表会(茶会)でトムヤンクンを作ることになりました。多種多様なハーブを育てていますが、ハーブを多用する代表的な料理はタイ料理で、その代表がトムヤンクンだからです。トムヤンクンに足らないハーブが3つあります。鷹の爪(赤唐辛子)、レモングラス、パクチー(コリアンダー)です。これをなんとか自分たちで栽培したい、ということになり、白帯さんとケントさんに引き連れられ、1年の匠原と私はまずカインズホームまで買い出しへ。
 苗を買うのは初めてだったのでワクワクしました。鷹の爪とレモングラスは売店にありましたが、パクチーは売っていませんでした。あとで教授に聞いたところによれば、パクチーはスープセロリで代用できるかもしれない、とのことです。結局、鷹の爪を2株、レモングラスを3株買って大学に戻り、裏山の菜園近くに鉢植え(仮植え)しました。レモングラス1本だけは、菜園のなかのアップルミントが枯れていたので、その場所に植え込みました(↓)。


0529植え込み01レモングラス01


 その後、ドクダミを摘んできたグループと合流し、ドクダミの土を洗い流しました。袋からドクダミを出すときに大きなカエルが出てきて、思わず叫んでしまいました。話を聞くと、どうやら林がドクダミ採集中に捕まえたもののようです。ドクダミはとても匂いが強く、洗っていると手に匂いが移ってしまいました。洗ったドクダミを乾燥させる作業は一人ひとりの役割をしっかり決めておこなったので、素早く終わらせることができました。
 これで今日のプロ研が終わりましたが、先輩方と少し話をすることができました。私たちのために先輩方はボランティアで手伝ってくださっているそうです。助かっている面がとても多いので必ずおいしいハーブを作り、恩返しをできるようにしたいと思いました。また、トムヤンクンについては、まだ一度も食べたことがないのでとても楽しみです。(経営学科1年スズケン)


0529どくだみ01道ばた01


見知らぬ民家でドクダミ採集

 今回のプロジェクト研究ではドクダミ採集班と買出し班に分かれて行動した。
 茶室のそばにあるハーブ園で畔の掃除をして、ハーブを少し摘んだ後水やりをし、ドクダミ採集班は各々がごみ袋とスコップを持って学外に繰り出した。ドクダミはもちろんドクダミ茶の材料となる。
 ドクダミを探そうと環大ロードを下って行ったが、どこにでもありそうなドクダミがほとんど見つからない(↑)。石垣や道端などは綺麗に除草されてしまっていた( 環境整備であると同時にマムシ対策らしい )。ドクダミ以上に見かけるカエルを嬉々として追いかける者も出る始末である。自然が豊かな場所ではあるけれども、ほとんどは人間に管理された農地であることに改めて気づかされた。
 石垣等で極めて少量のドクダミを皆が目を凝らしつつ採集している中で、先生は私有地と思しき田畑の畦に上がっていかれた。曰く、「みんなドクダミのような雑草は引き抜いてほしいと思っているの」ということだが、やはり黙って入るのは些か問題ではないでしょうか? しかしながら、私がそんな思案をしている中で先生が持って帰ったドクダミの量は相当なもので、葉の大きさも段違いであった。何とも皮肉なことである。


0529どくだみ02生山屋敷01犬
↑生山の某宅(その1)

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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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