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【講演記録】倉吉の町家と町並み(10)

 (5)歴史まちづくり法の都市へむけて
 平成25~27年度鳥取県環境学術研究助成事業(環境部門)の採択をうけ、「倉吉打吹山麓の歴史的風致に関する総合調査-歴史まちづくり法による広域的景観保全計画にむけて-」という研究を進めています。倉吉という歴史都市に対して歴史まちづくり法の適用について最初に言及したのは、東京芸術大学大学院保存修復研究室の報告書『倉吉市打吹玉川』(2009)です。図61はその報告書からの引用になります。歴史文化基本構想の策定範囲を非常にひろくとっています。旧陣屋町のエリアは景観形成重点地区としてとくに大きな意味をもっています。さらに長谷寺を核とする打吹山と小鴨川外周域の史跡群(2ヶ所)が歴史風致維持向上重点区域となっています。
 ここには4つの地区・区域が示してあります。それぞれ単独には調査研究・保全事業が進められていますが、エリア相互の連携は必ずしも十分であるとは言えません。ひろい範囲で歴史遺産のネットワークをつくる。そして、広域的な景観保全を実現する。こういう理想に近づくためには歴史まちづくり法の都市(歴まち)として認定されるのが一番いいと思っています。
 歴史まちづくり法は、2008年に制定され、2009年から施行されました。歴史的建造物や町並み、史跡名勝、祭礼などの無形遺産はすべて地域の歴史的資源です。しかし、過疎や少子高齢化などを背景として、地域の良好な歴史的風致を維持するのが難しくなってきています。これを克服するために、文部科学省(文化庁)、国土交通省、農林水産省が一体になって補助金を出し、歴史的な風致の保全を図ろうという試みです。
 今までに全国で38都市が「歴まち」に認定され、歴史的なまちづくりを進めています。中国5県では松江、津和野、萩、高梁、竹原、尾道、津山の7都市がすでに「歴まち」になって歴史風致を高める事業をやっております。


2013倉吉の町家と町並み02配布資料_06


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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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