2018年楊鴻勛先生建築史国際学術シンポジウム招聘講演(6)

「上下杭」歴史文化街区
三坊七巷とともに歴史的市街地の保全地区として近年脚光を集めているのが「上下杭」である。アメフト大学のプー先生が近江にいたころ調査したそうで、お弟子さんのチョーさんが建築学会に論文を書いているとのことだが、未見。
「上下杭」の杭(ハン)は「三坊七巷」の「巷(ハン)」と同音。ただし、この場合の巷=ハンは南方方言であり、北京語の巷=シャンとちがうので、敢えて意味のとおらない杭を使っているのかもしれない。と思ったら、「杭」は「航」と同音という説があることもいま知った。

中亭街から西側に走る上杭と東側に走る下杭の二条の小路によって構成されるので「双杭」の別名もあり、その小路に沿って水路が流れ、清朝期の呉橋が架かる。町並みは近代の会館が点在し、町家は2階が高い。保存修復というよりも、再建の建物が多いのは一目みて分かる。それでも風情は良いのだが、河水からかすかな腐臭が漂っているので、微生物などで浄化したほうがいいだろう。


「鹿森」という書店カフェに入って休憩した。なかなか良い雰囲気。学生たちがたむろして勉学に励んでいるので、客の動きは鈍く、初めは席がなかったが、少々まつと大きなテーブルに案内された。珈琲も美味しい。スタバよりよいね。



