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今年も、寅さんの風景(2)

13寅次郎恋やつれ(1974)表 13寅次郎恋やつれ(1974)裏


 訳あって少し遅くなりましたが、寅さんDVD鑑賞の感想文をお届けします。各回の秀作を2~3本掲載します。ただし、同じ人があまり連続しないよう配慮しようとも思っています。まず4月19日(木)1年生の感想文からお届けします。


  第13作「寅次郎恋やつれ」(1974) 
  マドンナ(歌子)  吉永小百合


生きていくうえで一度は考える問いが組み込まれている

<映画のあらすじ>
 寅さんが嫁を連れて帰ってくる夢を見た後に、ひょっこり帰ってくる寅さん。「とらや」のさくらたちは、旅先の温泉津での話を聞き嫁が決まったと先走る。その後嫁(仮)に会いに行くが蒸発したと思っていた夫が帰ってくる。見事に振られた寅さんは、書置きを残してまた旅に出た。たどり着いた先は津和野。そこでかつて恋した相手の歌子と再会する。歌子は去年の秋に夫を亡くし未亡人となっていた。別れの時、寅さんは歌子に何かあったら葛飾まで来るように言う。葛飾に帰ってきた寅さんは、歌子を残して来たことを後悔していた。そこに歌子が現れ津和野から出てきたことを知る。歌子は「とらや」で生活するうちに幸せとは何かを考え始める。そのころ、寅さんは父親と仲違いをしていた歌子のために歌子の父親に会いに行く。その後、「とらや」に歌子の父親が訪ねてきて無事和解。千葉の障害児童介護施設で働くことを迷っていた歌子は、父親との和解をきっかけに決心する。「とらや」で一緒に過ごしたかった寅さんはまたも振られ、旅に出る。

<映画の感想>
 この映画で一番印象に残ったのは、歌子さんが父親と和解するシーンです。寅さんが父親に会いに行ったところでは、何をしているんだと思ってしまいました。ですが、そのあとに父親がとらやに来て、不器用ながらも娘に対する愛情を見せたシーンでは思わず泣きそうになるぐらい感動しました。
 寅さんが歌子さんの幸せについて考えているところは、寅さんの心情とは逆に美しくにぎやかな河川敷の描写が印象的でした。歌子と再会したお店は、調べてみるとまだあるようで、再会のシーンに思いを馳せながら津和野の美しい街並みと自然を見に行ってみたくなりました。
 寅さんとその他の人の掛け合いも面白く、登場人物一人一人の考え方がよくわかりました。生きていくうえで一度は考える問いが、物語の中に組み込まれていて見れば見るほど引き込まれていく作品でした。(経営学部1年 MN)



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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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