fc2ブログ

ボノスのパティオ

ボノスDSC_0246


スリランカの想い出

 どうです、まるで地中海の中庭レストランのようでしょ?
 この春のテレビ番組をみて、ボノスというパン屋さんを知り、いまではすっかり常連になってしまいました。鳥取市民の、とくに女性ならご存じの方も多いと思います。なにせ、コロナ禍第4波の嵐の中ですからね。飲食店には入りづらいが、パン屋さんだとテイクアウト中心ですし、ご覧のように、客人の少ないパティオでもパンをいただける。珈琲はなんと一杯84円の格安ですが、味はなかなかよろしい。お薦めです。


ボノスDSC_0240


 このまえ訪れたときには、名も知らぬ小鳥や雀がこもごも飛んできた。パティオの塀の上で足を休めつつ、餌を狙っている。すでに餌付けされているようで、パンの欠片を地面に投げると瞬時に降臨し、くちばしで銜えては瞬時に昇天する。奪いあいになることもあります。
 十数年前に訪れたスリランカのバルコニー風リゾートホテルを思い出しました。ホカノ君が白いデニムの東京ガールズに恋したスリランカです。朝のビュッフェを庭のテーブルで食べていると、近くの大樹からリスが降りてきて、人類を怖れることもなく、テーブルの下に落ちこぼれた米粒などを頬張っていた。あの長閑なスリランカの朝を思い起こしながら、パンと珈琲をいただきました。断っておきますが、全然まったく絶対に「密」な状態にはありませんからね。これぐらいの飲食はお許しいただきたい。


ボノスDSC_0241


 ちなみに、ボノスと言う言葉は、スペイン語で「絆」を意味するようです。店の内外に黒猫のロゴデザインが多いので、ボノスとは「黒猫」のことじゃないか、と思っていたんだけど、「絆」ですか。東大阪の「シャノワール」というケーキ屋さんには十年ばかり前まで結構通いました。フランス語のシャノワールはまさに「黒猫」のことで、ケーキ以上に、黒猫のロゴをあしらうグッズに人気がありました。
 黒猫か。鬱で苦しんでいた夏目漱石を癒やした野良の黒猫。「我が輩は猫である」のネタになり、漱石を大作家におしあげた奇瑞である。一匹飼うかな、私も。


ボノスDSC_0239


続きを読む

キャッシュ

 ブログの記事というのは、その時の状況に合わて削除したり、再アップしたりするものですが、ある人物から「削除してもキャッシュが残る」という指摘があり、なるほどそうだ、ということで、キャッシュの削除に取り組みました。こういうとき、いちばん頼りになるのは私学2期生のホカノくん(別名ジャイアン)です。なんたって、タイガー戸口(旧姓キム・ドク)と協業してLablogを立ち上げた人物ですから。関東在住の彼に電話すると、むにゃむにゃごろごろ呟きながら、ともかくなんとかなるらしい。
 キャッシュとは、グーグルがクローラ(データ収集もしくはゴミ処理係のロボット)を不定期に稼働させて、データを一時保存したり更新するシステムであり、これを削除するには、データの削除もしくは更新をグーグルに要請すればいい。こうした要請の窓口となるサイトは少なくとも3つあります。削除か更新かで要請の内容は異なるわけですが、とりあえず3つの申請をすべて実行しました。
 この場合、削除すべき記事を削除したままにしておくのか、そこに別のいい加減な記事をアップしておくのがいいか、微妙なところなんですが、今回は後者を採用しました。不定期にクローラが動いているので、新しい記事がスキャンされれば、キャッシュは自動的にいれかわるからです。結果として、1日ばかりで古いキャッシュは消えてしまいました。

 さまざまなワードで検索してみると、キャッシュを含みうるサイトは通常、2つあらわれます。2つともキャッシュが残っている場合もあれば、一つだけ残っている場合もある。今回、削除したかった記事は後者の状態でした。これはたぶんクローラが2台動いていて、独立にデータを更新しているからであろうと思われます。上の方法により、残っていた一つのキャッシュも消えてしまいました。 
 大変勉強になりました。ホカノ君には御礼にお酒と入浴剤を送りました。ありがとさん!
 


続きを読む

2020年度実績報告(1)-環境大学特別研究

 実績報告のシーズンになりました。まずは、2020年度公立鳥取環境大学特別研究から。

研究課題名
文化遺産報告書の追跡調査からみた過疎地域の未来像
-民家・近代化遺産・町並みの持続可能/不可能性をめぐって

1.研究概要
 昭和48年度末、全国緊急調査成果の一作として『鳥取県の民家』(鳥取県教委1994)が刊行された。田中角栄の『日本列島改造論』(1973)が旋風を巻き起こし、国土開発が勢いよく進む時代ではあったけれども、同年には中東危機が勃発して高度成長も一段落し、安定成長期に足を踏み入れつつあった。鳥取の場合、交通未整備のため依然として京阪神から離れた「陸の孤島」であり、戦前までの風景を比較的よくとどめていた。『鳥取県の民家』には、文化財指定候補となる39件の調査成果が掲載されている。これに、同時期の新聞連載「失われゆく古民家」掲載例15件(県東部)などを加えて追跡調査し、在方農家の変容パターンを以下のように分類した。《A類》指定による民家の保全(16件)、《B類》未指定だが茅葺き屋根を維持(4件)、《C類》未指定のまま中二階和風住宅への改修(4件)、《D類》未指定のまま撤去(16件)。町方・武家については、ここでは割愛する。
 一方、申請者自ら調査・編集した報告書『秋田県の近代化遺産』(1992)の重要物件を8月末に再訪した。このほか秋と年度末に、中国山脈周辺の岡山県(新見・勝山・津山)、兵庫県(豊岡・朝来・養父・篠山)、広島県(庄原・三次・安芸高田)などの山間過疎地域の町並みを視察した。これらの中では、京阪神地区に近い但馬・丹波地区において歴史的建造物のリノベーションが進み活力を感じたが、その他の地区では町並みに風情はあるけれども、建造物の歯抜け、空洞化が進んでおり、人影もまばらになっている。


続きを読む

新刊書の広報(3)

空想上のクリィーチャー

 新刊書『能海寛と宇内一統宗教』のアマゾンの欄に一つめのレビューがはいりました。4月16日付の長文です。もっともっと増えないかな・・・



まぁ、にぎやかにいきましょう! スタレビ、おそるべし!!

新規科研交付申請終了

ボンとは何か

 すでに採択内定の第一報をお届けした科研の正式な申請を終えたので、ここに概要を報告します。3年前にも似たような感想を述べました。小さな科研ですが、なにぶん科研自体が通りにくい地方の弱小大学なので勇気づけられます。とりわけ、今年の科研新規採択者は1名だけでした。3年前は2名だったかな・・・自分でいうのもなんですが、私の申請書のレベルは結構高いですよ。このレベルを要求されるとしたら、地方の大学は厳しいでしょうね。研究内容については、昨年度の卒業生が卒論として予備的考察に取り組んでくれたので、その成果をベースに進めていく予定ですが、今年も文献研究が主になりそうですね。
 以下、題目と概要です。

   研究種目: 基盤研究(C) 2021~2024年度
   課題番号: 21K04470
   研究題目: ボンとは何か-主にブータン仏教からみたボン教的聖域の構造と表象
   代 表 者 : 浅川滋男(共同研究者無)
   経 費 : 4,160,000円 (直接3,200,000円 間接960,000円)

【研究の概要】 チベット・ブータン仏教は、8世紀に北インドからもたらされた後期密教が複数の土着的宗教/民間信仰と習合したものとして理解できる。習合対象として特に重要な位置を占めるのはボン教だが、その実態は曖昧であり、多様な前仏教/非仏教的な要素を「ボン教」として一括し誤解する傾向が否めない。本研究は、ブータンと旧チベット領カム地方を対象にして、ボンとボン以外の異教的要素を識別しつつ、仏教とボン教の相互影響を有形・無形遺産の両面から明らかにしようとする試みである。この場合、ボン教の歴史的変化を的確に理解する必要がある。私見ながらボン教は、①プレ仏教期、②ニンマ派(古派)仏教との交流期(8世紀~)、③仏教化推進期(11世紀~)の三期に区分できるが、①の実態は不詳、②の遺構は少なく、③はあまりにも仏教化しており、仏教との差異を看取し難い。本研究では、主にブータンで推定②期(黒ボン)、ブータンに隣接するカム地方で推定③期(白ボン)の寺院等を調査し、ボン教と仏教の相互影響と差異を明らかにしていく。

竹林公園のお弁当

0410竹林公園01弁当02ベンチ03


ヤズ・ガーデン・カフェ改組開店

 昨年から老夫婦の同居が始まり、船岡の「竹林公園」にあるヤズ・ガーデン・カフェのお弁当が秘かな週末の楽しみになっていた。昨年までは週末の土・日のみの営業でしたが、ここのお弁当、結構人気があるものだから、予約しておかないと売り切れてしまったりしてね。人気のある原因はもちろん味が良いからですが、じつはボリュームもたっぷりで、大きなおにぎり2個とまわりのおかずがあれば十分夕食に早変わりする。昨年はコロナ禍でもあり、テイクアウトして家に持ち帰ることが多かった。難点は季節である。12月以降、雪のシーズンになると休業してしまう。


0410竹林公園01弁当02ベンチ01 0410竹林公園01弁当02ベンチ02sam


 四月になって再開しただろうと判断し、現地に赴くと少々様変わりしていた。指定管理団体が変わり、当然のことながら厨房のスタッフも一変。驚いたことに、週末以外の平日も営業するのだという。予約しておいた弁当を受け取ったが、容量がやや小さめなので、山菜おこわも買った。これまで竹林公園を歩いたことがなかったので、散歩してみることにした。ところが、身障者には厳しい園路ですね。階段や砂利道がある(舗装路もある)。空気も肌寒く、患者が長時間歩くのは難しいと判断して、カフェに戻り、桜の樹の下のベンチでお弁当をいただくことにした。


0410竹林公園01弁当01


 ボリュームが減っていて、去年のおむすびが懐かしいな、などと愚痴をこぼしていると、新規管理団体の理事長さんが気にされて、追加で山菜おこわを一人前サービスしてくださった(自分たちが買った山菜おこわは夕食用)。葉山椒の香りが芳ばしい洗練した味がする。おにぎりは小さくなったが、サンドイッチ風の洒落たセンスで、全体に洗練された薄味の良い味付けである。ただ、容積が減ったのは間違いなく、この量だと夕食というよりも、昼の軽いランチがふさわしいであろう。
 指定管理団体は「夢工房こばちゃん」を愛称とする障碍者支援系のNPOで、理事長さんはどうやら患者の高校の同級生らしい(互いに面識はない)。ブータン蕎麦粉もまた貧困層・障碍者支援の事業であり、結構愉快に情報交換できた。


0410竹林公園01弁当02ベンチ03おこわ01


続きを読む

新刊書の広報(2)

中村元記念館HPの広報

 新刊書『チベット仏教求法僧 能海寛と宇内一統宗教-明治の国粋とグローバリズム-』が中村元記念館の新着ニュースとブログで広報されました。

https://www.nakamura-hajime-memorialhall.or.jp/
http://nakamurahajime.blogspot.com/2021/04/blog-post.html

 また、松葉 ガニ太郎さんのフェイスブックでも取り上げられています。

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1350219532013523&id=100010764672829&sfnsn=mo

 このほか、いくつかの新聞・雑誌上での新刊紹介もしくは書評が準備されつつあります。執筆陣はなかなか豪華です。ご期待ください。肝心の売れ行きは、まぁまぁではないか、と思っております。ともかくこの半年が勝負であり、日々広報媒体を探している今日このごろです。やはり単行本はいいですね。報告書とは異次元の愛着があります。

 以下は、若きチベット史研究者からの感想の一部です。

今枝先生がシンポジウムでお話になったことは伺っておりましたが、その内容も含めて
ここまで立派で内容豊富な本が完成したのは、先生のお力ゆえのことと存じます。
様々な視点に立った興味深いご論考を拝読し、勉強させていただきたいと思います。

 お世辞でも嬉しいものですね。


続きを読む

なぜ新刊書は建築系の図書ではないのか

 新刊書『能海寛と宇内一統宗教』については、多くの方々から感想のメールを頂戴しています。おおむね(お世辞かもしれませんが)好意的な評価をしていただいていますが、一部には「なぜこんなに建築史の論文が少ないのか」という質問や、「建築史研究者としてあやういところに踏み込んでおられるよう」というような感想もありました。これに対して、少し悩みましたが、私の返答を以下に公開しておきます。

--
 私はもともと自分のことを建築史研究者と思っているわけではなく、本来学びたかった文化人類学の分野に原点回帰しようとしているだけのことです。どういうわけか、五十代後半より自分の最後の研究課題は「チベット仏教」だと思っていて、今に至ります。その途中で、チベット・ブータン学の大家、今枝先生に出会ったのが大きかった。先生は、フランスの高等研究機関で40年間、チベット学に携わり、ブータン王立図書館の設立にも尽力されました。仏教に係るあらゆる言語に精通されており、1~2年に一度、岩波文庫や岩波新書の類を出版されています。こういう大家が本書の前言を書いてくださった。本書の前半はすべてお読みいただいているので、私の書いたことに大きな間違いはないと思っています。
 いま取り組んでいることは、大学の組織改編からも影響されています。私立時代にあった建築環境デザイン学科は解体され、今は環境学部人間環境プログラムという緩い体制のなかにいます。建築をやりたいと思っている学生はほとんどいません。地理・文化・環境・地域振興に関心のある学生がほとんどであり、そうした学生の指向に教師も応えなければいけない。実際、本書の前半は、2年前の卒業論文であり、論文を書いた学生は本書の出版を大変喜んでいます。
 このたび多くの知人に献本しましたが、いちばん驚いたのは中国留学の同窓(某大学名誉教授)が、この一年の間、リンパ腫のため闘病生活を送っているのを知ったことです。かれは自分の余命が3年程度であることと悟っており、文筆活動に集中している。「著作集を出すのか」と訊ねたところ、「昔のことに興味はない。新しい論文を書くだけ」だと彼は答えました。見習わなければいけません。
 出版社は建築考古学の新刊書を書け、と言ってきますが、わたしはほとんど関心がない。知的な刺激が少ないからです。チベット・ブータン地域のことで、頭がいっぱいになっています。


ボノス0404

スティングのテーマ




 久しぶりにギターのお話。このおじさん、凄いでしょ。リチャード・スミスは、チェット・アトキンス、ジェリー・リード、トミー・エマニュエルなどの達人さえ一目おく「フィンガースタイルのゴッドファーザー」なんだって。
 この風貌ですからね、わたしもまだここまではいってないと信じたいな。ギター練習しようかな。でも、近所迷惑だしな・・・別荘買うかな・・・いやぁぁぁ、ないなぁ・・・ギターと音楽の限界はもう分かってるからね。文字を書くのだけが取柄です。



こちらは先生のチェット。いや、スミスにはまいるって感じですかね?

新規科研、採択内定!

2021桜01web 2021桜02縦sam


 昨日、令和3年度科学研究費助成事業の審査結果について学術振興会のネット上で発表がありました。まことに残念ながら、昨春に大部の申請書を作成した国際共同研究強化(B)「チベット仏教と土着的宗教の習合に関わる文化遺産学的比較研究」は不採択でした。全分野で1200件以上の応募があり、建築関係は30件の応募に対して6件が採択されており、全分野・建築関係とも採択率は20%でした。私の評価は応募数のうちB判定(21%~50%)でしたが、致命傷になったのは「若手研究者」の位置づけです。国際共同研究強化部門は、若手研究者を主人公として海外で活動していただくような申請書を書かなければならないと反省しています。捲土重来をめざします。

 なお、秋に申請した基盤研究(C)

ボンとは何か-主にブータン仏教からみたボン教的聖域の構造と表象

 の方は採択内定の公示がありました。ささやながら、家内と二人、お祝いのランチにでかけました。詳細は学術振興会から送られてくる書類を完成・提出の後、改めてお知らせします。


2021桜03web 2021桜04sam
プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
--
魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR