ボノスのパティオ

スリランカの想い出
どうです、まるで地中海の中庭レストランのようでしょ?
この春のテレビ番組をみて、ボノスというパン屋さんを知り、いまではすっかり常連になってしまいました。鳥取市民の、とくに女性ならご存じの方も多いと思います。なにせ、コロナ禍第4波の嵐の中ですからね。飲食店には入りづらいが、パン屋さんだとテイクアウト中心ですし、ご覧のように、客人の少ないパティオでもパンをいただける。珈琲はなんと一杯84円の格安ですが、味はなかなかよろしい。お薦めです。

このまえ訪れたときには、名も知らぬ小鳥や雀がこもごも飛んできた。パティオの塀の上で足を休めつつ、餌を狙っている。すでに餌付けされているようで、パンの欠片を地面に投げると瞬時に降臨し、くちばしで銜えては瞬時に昇天する。奪いあいになることもあります。
十数年前に訪れたスリランカのバルコニー風リゾートホテルを思い出しました。ホカノ君が白いデニムの東京ガールズに恋したスリランカです。朝のビュッフェを庭のテーブルで食べていると、近くの大樹からリスが降りてきて、人類を怖れることもなく、テーブルの下に落ちこぼれた米粒などを頬張っていた。あの長閑なスリランカの朝を思い起こしながら、パンと珈琲をいただきました。断っておきますが、全然まったく絶対に「密」な状態にはありませんからね。これぐらいの飲食はお許しいただきたい。

ちなみに、ボノスと言う言葉は、スペイン語で「絆」を意味するようです。店の内外に黒猫のロゴデザインが多いので、ボノスとは「黒猫」のことじゃないか、と思っていたんだけど、「絆」ですか。東大阪の「シャノワール」というケーキ屋さんには十年ばかり前まで結構通いました。フランス語のシャノワールはまさに「黒猫」のことで、ケーキ以上に、黒猫のロゴをあしらうグッズに人気がありました。
黒猫か。鬱で苦しんでいた夏目漱石を癒やした野良の黒猫。「我が輩は猫である」のネタになり、漱石を大作家におしあげた奇瑞である。一匹飼うかな、私も。
