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2021年度卒業論文web発表会(2月9日午後)

 来たる2月9日(水)、今年度の卒業論文発表会がweb形式でおこなわれます。ASALABは農村計画、都市計画の研究室とともに第2会議室に振り分けられました。第2会議室全体のスケジュールは以下の通りです。

 13:00~14:40  農村計画
 14:50~16:30  都市計画
 16:40~18:20  ASALAB
 
 ASALAB(16:40~18:20)の発表順は以下のとおりです。
*諸般の事情により、他ゼミの発表者が少なくなったため、時間が前倒しになる可能性がでてくるとお報せしましたが、教務委員より、時間を動かさないよう指示がありました。原則上のスケジュールに従います。質疑等で多少の変動はあると思いますが。関係者は対応よろしくお願いします。


16:40~16:52 東 将平
日本海側過疎地の活性動態を探る-北陸の地域振興例と因幡・但馬へのフィードバック
Investigate the active change of the depopulated areas along the Sea of Japan
-Examples of regional development in Hokuriku and feedback to Inaba and Tajima districts ー


16:52~17:04 魚谷 侑磨
マカオの小店街とエッグタルトの風景-旧ポルトガル植民地の町並みとフードスケープ
Scenery of small shop streets and the egg tart in Macao
- Townscape and foodscape of the former Portugal colony -


17:04~17:16 玉田 花澄
大僧正行基と長岡院-菅原遺跡を中心に 
Gyoki as an Archbishop and his Annex called Nagaoka-in
- Focusing on the Sugawara ruins -


17:16~17:28 平井 兼支朗
荒金鉱山と岩井町営軌道-正・負の遺産の再評価とダークツーリズムの展望
Arakane mines and Iwai municipal railroad tracks 
-Reevaluation of positive and negative heritages and the prospects of the dark tourism ー

 
17:28~17:40 村上 澄真
『金閣寺』と『金閣炎上』-居場所論による放火犯心理の再考
The Temple Of The Golden Pavilion and Kinkaku combustion
- Reconsideration of the arsonist psychology by the snuggery theory -


 一人あたりの発表時間はわずか12分ですが、昨年の経験に照らすならば、先生方のコメントもなんやかや長いので、17:40に終わることはまずありません。18時を過ぎるのは間違いないと思われます。
 残念ながら学外者は参加できませんが、2~3年生には必ず聴講してもらおうと思っています。


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鴛鴦幻想

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渡り鳥の小川

 秋田の友人は、毎朝五時起きで雪掻きをしている。除雪車が路肩に積み上げた雪の山を流雪溝に落としていくのだという。これは自治会をあげての仕事であり、さぼると村八分になりかねない。とんでもなくハードな作業だが、朝飯は美味いという。
 その知人は20年来の東尿英機であり、じつに5種類の薬を処方されているが、なにより運動が肝要であり、そのことを思えば、朝の雪掻きも悪くはないだろう。たしかに私も雪掻きをした後、ジムでの1時間の運動よりもきついと何度か思った。しかし、今冬の鳥取は上の写真に示すとおり、雪がない。年末年始の大雪は歴史的なものだったが、自分は奈良でぽかぽか天気に恵まれていたので、なんの被害も受けなかった。今年は一度も雪掻きをしていない。暖かい冬は大歓迎である。


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 というわけで、家内は私を散歩に誘う。東尿英機になったのだから、散歩ぐらいしないといけないとは思うのだが、出かける前は億劫になる。歩くコースは大路川沿いの土手の道に決めている。この小川は洪水がおきやすいことで有名であり、いま土手の嵩上げ工事をしている。この季節の魅力といえば、なんといっても水鳥である。鴛鴦(おしどり)だと思い込んで、さきほどそう書いたら、関西の知人から「マガモでは?」というコメントが届いているのをアルマーレでキャッチし、帰宅早々書き直しているところです。
 ヤバイ。たしかにマガモだ、間違いない。生物音痴マルだしですね。馬脚をあらわすとはこのことだ。おまけに、マガモのガモは秋田では放送禁止用語なの。菅前主将の故郷あたりで、スガモ大明神と言えば道祖伸のことです。
 さて、大路川の散歩コースには少なく見積もっても、数十羽のマガモがいる。鴛鴦は暖かい春~秋には東日本にいて繁殖し、越冬のため西日本に移動してくるのに対して、マガモはどうやら北ユーラシアで繁殖し冬越えのため日本列島に飛来してくるらしい。ちなみに、鳥取は鴛鴦を「県の鳥」に指定している。姿をみるのは3月ころまでなのに。



二胡のムーンリバー。シェンリンさんから浮気してしまいました。



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訃報

 大雲院の田尻光照住職が本日(1月25日)ご入滅されました。ASALABでは、吉田Kくんの修論(建造物)を始め、三島くん(西国33観音)、高後くん(指図)、木村くん(密教法具と葵御紋編年)、武田くん(懸仏)、岡崎くん(宝塔厨子)が大雲院仏教美術品を卒論の主題としており、いずれも高いレベルの業績に仕上げてくれました。真冬の寒い本堂で「仏ほっとけ会」を何回か催し、一同震え上がったのもいまは懐かしい想い出です。
 これら一連の研究に対するご住職のご支援に改めて深謝申し上げるとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
 通夜・葬儀はもちろん大雲院でおこなわれます。日程は以下のとおりです。

   通夜 27日(木)18時~ @大雲院本堂
   葬儀 28日(金)10時~ @大雲院本堂



ピーター・ブランシェットの11弦ギターによるアイルランド古謡「シーベグ シーモア」の演奏です。
ケルト系の音楽は聖堂によくあいますね。

ブルーにこんがらがって(2)

パンブローのマリト 東尿家御用達マリトッツォ


自宅でWi-Fiがつながらなくなったときの対応(続)

 ファイアフォックスの騒動は一段落したものの、こんどは突然、ファイアフォックスだけでなく、メールやエッジもつながらくなる事態が週末に発生した。自宅ではときおり起きる現象であり、かつて旧Lablogに修復方法を掲載しました。あのときは、大学のメディアCの指示で、①モデム → ルーターの順で電源を抜き、しばらく待ってから、②ルーター → モデムの順に電源を入れ直すとたちまちネットに接続しました。今回もそのようにしてみたのですが、うまくいかず、スマホで検索して修復方法を確認した結果、
 〈1〉まずモデムの電源を抜いて、電源を入れ直し、
 〈2〉約2分間待って後、ルーターの電源を抜いて、電源を入れ直し、
 〈3〉再び約2分間待って、パソコンを再起動。
以上の操作でネットに接続しました。いや、ほんとに、こういうの苦手です。頭が痛くなる。

東尿英機

 12月の健康診断時に体重が8.5キロも減少する一方で、尿中に糖が検出され、自戒の五ヶ条を公開しましたが、新年になって、正式に診断書が届き、仰天の血糖値が確認されました。まもなく保健室からお説教に近い警告メールが3度も届き、このたび内科を受診したところ、やはりお医者様に目を剥かれました。ただちに再検査しましたが、インシュリンの注射とか、投薬までは指示されなかったものの、ここは自ら薬の処方をお願いして、いま朝夕2回、食後に服薬しています。それにしても、東尿英機(いまは東尿リオのほうが有名かな?)とはやっかいな病ですねぇ。wikipediaを読むだけでも憂鬱になる。しかし、この夏あたりから苦しんできた味覚異常、ドライマウス、乾燥肌などの症状がすべて東尿英機で説明しうることが分かりました。
 心配になって、すでに投薬を続けている先輩3名に電話で相談したところ、たぶん死ぬまで薬を飲まなければいけないんだけれども、薬を飲んで生活習慣や食生活を改善すれば効果はあり、心配しすぎることもないとのことです。
 体重の減少も、東尿英機の特徴で、服薬を中断すると減量するんだとか。逆に薬が効きすぎると、血糖値が下がりすぎて貧血に陥りふらふらするので、飴玉を手元においておいたほうがいいんだそうです。日頃は糖の摂取を制限しながら、飴玉が常備薬というなんとも複雑怪奇な病です。昨日は快晴で1時間散歩できたけれども、今日は雨が降りそうで寒いから無理かもしれない。ジムも辞めたし、どうして運動を確保するか、ですね。



↑東尿さんの海底摸月よりも、和泉さんのビタ止めに称賛が集まっています。河から和了牌を読み切ったのね。

懐かしの洞ノ原

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遠すぎた蕎麦屋たち

 1月14日(金)、正式に菅原遺跡の復元図一式が納品された。前にも述べたように、ちょうどその日、スタジオでメディア対応のCGを検索・収集していて(一覧リスト)、ついでに納品CDデータのチェックもスタジオでおこなった。新しくインストールしたMicroGDSが早くも大活躍です。
 土日を挟んで1月17日(月)、妻木晩田遺跡でロケがあった。本当は前日から松江入りし、伯耆・出雲の「山中の蕎麦屋」をめぐるろうと思っていたのだが、島根の感染者が100人を突破した直後でもあり、断念した。ちなみに、「蕎麦食のフードスケープ」で1・2年生が探しあてた以下の3軒がとくに気になっていた。

山小屋 上代 椿庵
手作りの山小屋風だが、内部はイロリなどあり、古民家風。
年中無休 完全予約制(4名)座敷・テラス席
鳥取県伯耆町福岡3378 ℡0859-62-0058
ときわすれ清水屋
古民家再生型 畳座敷+縁側
営業:定休日火~金 11時00分~15時00分
鳥取県日野郡 日南町菅沢1019 ℡0859-87-0006
扇屋そば
木次線亀嵩駅の木造駅舎内に大衆食堂風の店構え 
営業:(9:30~17:00) 定休日:毎週火曜日 祝日の場合は営業
島根県仁多郡奥出雲町340 ℡0854-57-0034

 日帰りの場合、これら奥地の蕎麦屋を訪問するのは難しい・・・ 捲土重来! 


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研究室制作の模型と再会

 17日の午後1時、滑り込みで妻木番田事務所に到着。 たどり着いたその感想を一言で表現するなら、懐かしい。あぁ、ここで活動していた時期があったんだと思い、当時は現場の若手だったKさんの出迎えと丁寧な応対に感激した。なにより洞ノ原の風景に感激した。これほどの絶景の場所に弥生時代の建物を再現できるのは名誉なことである。
 NHK鳥取のスタッフ3人も待ち構えており、少々段取りをして、さっそくロケが始まった。そうだ、そういえば、今回のロケでは入試広報課から貸与された緑のジャンパーを身に纏った。緑の眼鏡とあって良いと思ったが、ちょっとサイズが小さくて、腹の出が目立ったかもしれません(笑)。まずは収蔵庫と展示館の竪穴住居復元模型からスタート。竪穴住居の場合、いきなり復元設計図を描くのは難しいので、模型製作がスタートになり、CGの作成もやっかいであることを強調した。


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生活感溢れる竪穴住居

 その後、洞ノ原先端の復元建物地区に移動。私自身が20年前に指導した竪穴住居2棟、高床倉庫2棟が建っている。いったいいつ以来の訪問になるのだろうか。おそらく十年以上の歳月が過ぎている。竪穴住居は健全な姿を維持していた。なんだみすぼらしい見てくれの竪穴住居だな、と思う人もいるかもしれないが、私としては、妻木晩田遺跡で出土した焼失竪穴住居のデータを最大限活用し、生活感溢れる住まいの再現を狙ってのものであり、改めて自分の作品と出会って、決して出来はわるくないと思った。私の復元住居の代表は、世界文化遺産になった御所野遺跡(岩手県一戸町)だと思われがちだが、こうして改めて再会してみると、妻木晩田遺跡洞ノ原も優劣つけがたい(妻木山は私の指導ではない)。


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ソバ食のフードスケープ(web発表会)

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プロジェクト研究2&4のオンライン発表会

 1月20日(木)、プロジェクト研究2&4のオンライン発表会がおこなわれました。学生が録音したパワポppsxを学内で配信したものです。我らが「ソバ食フードスケープ」班の発表構成は以下のとおりです。

ソバ食のフードスケープ-山中の蕎麦屋はなぜ繁盛しているのか

1. イントロ-ソバ食のフードスケープ
 1-1 山中の蕎麦屋はなぜ繁盛しているのか(森)
 1-2 フードスケープとは何か(近藤)

2 山中の蕎麦屋をめぐる
 2-1 ネットで探る郷土の蕎麦屋
鳥取(近藤) 島根(和田) 広島(篠田) 岡山(清水) 愛媛(松田・吉田M) 徳島(森)
兵庫(湯地) 奈良(吉田T) 京都(眞田・藤田) 愛知(佐々木) 岐阜(横山) 宮城(高橋)

 2-2 因幡山中の蕎麦屋を訪ねて
摩尼寺と門脇茶屋(高橋) そばカフェ「みちくさの駅」(和田・湯地)

3.ブータンのソバ食
 3-1 なぜブータンか(吉田T)
 (1) 栽培ソバの起源と拡散
 (2) ブータン蕎麦の輸入-佛子園の貧農・障碍者支援
 3-2 ブータンのソバ食・日常食の再現
クレ(松田)蕎麦粉のパンケーキ
参考:そばがき(眞田)
プタ(森・佐々木)蕎麦のパスタ
ヒュンテ(篠田・清水・藤田)蕎麦皮の餃子
モモ(1207147吉田M・湯地)餃子
エマダッツィ(吉田T)唐辛子とトマトのチーズ煮込み
ケワダッツィ(黒田・和田)ジャガイモのチーズ煮込み


4.おわりに-そば切り「たかや」で働いて(横山)


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行基縁りの地を往く (7) -土塔と頭塔

大野寺土塔 大野寺土塔2


 昨年の11月5日(金)に始まった旅の最初の訪問地は堺市大野寺の土塔であった。その翌日には、奈良市の東大寺頭塔も訪れた。復元設計との絡みで八角円堂をこれまで紹介してきたが、この二つの異色の仏塔を紹介し、旅日記のフィナーレとしたい。


大野寺土塔

 『行基年譜』によれば、神亀4年(727)行基は大野寺を創建し、同時に土塔も築いたという。大野寺は行基建立四十九院の一つに数えられ、現在も法灯を絶やしていないが、中世の一時期中断しており、江戸時代になって土塔の前に伽藍を再興した。ただし、奈良時代当初の伽藍位置はわかっていない。『行基年譜』は鎌倉時代の成立なので、神亀4年(727)という造営年代については信頼性が高いとはいえないけれども、発掘調査では、文字瓦が多数出土し、神亀4年の銘を有するものを含むので、反体制的活動をしていた若かりし行基の造営である蓋然性は高いと思われる。
 大野寺の土塔は十三重塔の最上部に円形の粘土ブロックを残すモニュメントであり、屋根も壁も本瓦を直葺きにしていた。日本建築史上類をみないこの建築は、インド的な巨大ストゥ-パを和風化したようにもみえる。とくに頂部の円形構造物(おそらく伏鉢)の「円」はサンスクリット語のマンダラに相当し、9世紀以降に隆盛する真言密教の曼陀羅との関係を想起させる。


東大寺頭塔 東大寺頭塔2


東大寺頭塔

 行基の入滅(749)後しばらくして、東大寺別当良弁が弟子の実忠に命じて造らせたのが頭塔である。南大門の正面(南方)約1kmのところに所在する五重の土塔であり、壁面に44体の石仏を貼り付けている。いわばボロブドール(8世紀後半)の日本版というべきモニュメントであり、大野寺の土塔をさらに南アジアの立体マンダラ風に仕上げたもののようにみえる。
 東大寺頭塔の形状や配置はチベット・ブータン地域の伽藍とよく似ている。戒壇状テラスの壁面に多数の仏像を配し、その頂部に円形のストゥーパ(舎利塔)を置く立体マンダラの造形はもちろんのこと、伽藍正門の正面から一定の距離を隔てて立地する配置も類似しており、宝塔/多宝塔以前の密教的シンボルと言えるのかもしれない。(小霞)


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冬のアルマーレ

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スフォリアテッラ

 1月16日(日)、東浜のアルマーレまで出向き、スフォリアテッラで珈琲を飲んだ。
 スフォリアテッラはナポリの焼き菓子で、中には自家製リコッタチーズとオレンシのクリームが入っている。皮はパリパリで、中はクリーミー。アルマーレで注文できるメニューの中でいちばん安い品である。一皿385円。もっと高いデザートはあるのに、家内はアルマーレの珈琲とスフォリアテッラが好物で、この組み合わせを変えない。


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海の風景

 業界では、昨年ブレイクしたマリトッツォに代わり、今年はスフォリアテッラの年になるだろうというニュースが最近駆けめぐった。その話をフロアの男性にすると、「よくご存じで」ということで話は弾み、「スフォリアテッラを食べられるのはこのあたりではウチだけですから」と自慢する。それにしては、客がいない。まぁ、オミクロンの蔓延にはかなわないわ。広いフロアにいる客はわが夫婦だけだった。
 音楽はいつもビル・エヴァンスを流している。またここもジャズか・・・と少々悲しくなるのだけれども、有線でないだけだいぶマシだ。ただし、ジャズは都会の夜の音楽だからね。山陰海岸と旧山陰線の鉄道に挟まれたカフェにふさわしいかどうか微妙なところだと私は思っている。音楽はなくていいよね。波の音と機関車の響きだけで十分だと思う。


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 最もストレスが大きかった昨夏、鳥取に居る場合は毎日のようにアルマーレに通っていた。どんなに食欲がなくても、あるいは味覚異常に陥っても、アルマーレのかき氷は美味しかった。あとは、檸檬堂と抹茶ラテか・・・糖尿の検査値が悪化するゆえんだね。そういえば、奈良のパンブローでマリトッツォもよく食べたな。
 蕎麦とドクダミ茶と散歩の生活に早く戻らないとね。



 

ブルーにこんがらがって

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FIREFOXの世界的不具合

 1月13日(木)、プロジェクト研究2&4「そば食のフードスケープ」のweb発表会を1週間後に控え、1・2年生はパワポに録音する作業に没頭していた。少しでも密を避けるため、1年は4階の演習室、2年は講義室に分けて録音してもらった。異変は授業終了間際の午後5時過ぎにおこった。私だけFIREFOXのブラウザに接続しなくなったのだ。何度再起動してもFIREFOXは開かなかった。
 その日の録音を終えてゼミ室に戻ると、滅私君がいた。彼のFIREFOXはいつも通り動いていた。これは大変だということで、メディアセンターに電話し、技師さんに往診していただいた。1時間ばかり悪戦苦闘しただろうか、突然、FIREFOXが復旧した。理由は分からない、という。あとで滅私くんが調べてくれたのだが、FIREFOXの不具合は世界的な騒動になっていることが分かった。
 翌14日は、来週に迫ったメディアの取材とロケに備えて、ゼミOBの某OY01君とスタジオでこれまでの復元CGのデータ整理をした。以下ほどのCGをこれまで作成してまいりました。わたしはCADがさっぱりできないので、みなゼミ生及びOBの努力の賜物です。

1.妻木晩田遺跡(弥生後期)中型高床倉庫
 *竪穴住居は模型→妻木晩田事務所
2.青谷上寺地遺跡(弥生中後期)
 (1)楼観-最長の柱
 (2)大型建物-最長の垂木
3.松原田中遺跡(古墳前期・鳥取市)湖山池畔の大型倉庫群
4.青木遺跡(奈良時代・出雲市)神殿群=神社
 *模型として京博「大出雲展」に出陳
5.菅原遺跡「円堂」(奈良時代・奈良市)行基供養堂
6.出雲大社境内遺跡(鎌倉時代初期・出雲市)巨大神殿
7.安土城総見寺(桃山時代・滋賀)二階建仏堂
8.摩尼寺「奥の院」遺跡(江戸初期・鳥取市)懸造大型仏堂
9.摩尼山「鷲ヶ峰」地蔵堂・鐘楼等(明治末・鳥取市)

 本日15日、わたしは珍しく共通テスト(旧センター試験)の当番から外れたので、プロ研発表会資料の編集に集中しようと目論んでいたのだが、パソコンを開くと、またFIREFOXが開かない。スマホであらゆる情報を集めて対応したのだが、何の変化もみられなかった。ネットについては、とりあえずマイクロソフト・エッジで代用したが、ブックマークがすべて使えないのは大きな痛手である。頼みの綱は千葉県在住のゼミOB、某OY02君しかない、と判断した。さっそく電話し、二人で対処してみたが、どうにもならなかった。土日の二日間、エッジで耐え忍び、月曜日にメディアセンターにもっていくしかないか?





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愚形上等(2)

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卒業写真

 1月12日(水)、新年初の合同ゼミで、3年以上が全員揃いました。今週はオンラインへの移行期間であり、教師は開講/オンラインのどちらでも選べます。私は開講を選びました。もちろん感染のリスクはつきまといます。それで、家から扇風機をもってきました。ゼミ室の片隅で、プロペラを上方にむけてぶんぶんまわしています。寒いですが、窓を何ヶ所か少しだけ開け、換気扇はフル稼働、空調暖房はもちろんしています。


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 早いもので、卒業写真のシーズンとなり、卒アル委員会の学生3名に撮影してもらいました。珍しく、3年生~院生の全メンバーが揃って良かったです。外は雪。どんどん降り積もっていく。雪とコロナで明日は休校になるかもしれんね。休校でも教職員は出勤ですよ。休むと「無断欠勤」で処罰をくらいます(笑)。

 さて、今年のメッセージも「愚形上等」にしました。「愚形上等」は麻雀哲学の用語です。詳しくは昨年のサイトを参照してください。卒業生だけでなく、私もまた個人撮影をしてもらいました(↓)。昨年の写真と全然違うでしょ。激動の一年を象徴するようです。


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2022 卒ゼミ初詣

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長田神社参拝

 1月11日(火)、4年生以上で長田神社に初詣しました(狼少年若干1名)。小雪舞う境内は清涼な空気に包まれています。
 なんのための初詣かというと、もちろん「卒論成就」の願掛けです(学生はそうではなかったかもしれないけど)。進捗はさまざまでして、順調な学生はいいのだけれども、そうでない学生はそうでないわけでありまして、エンジンをふかしていただかないとね。


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紅茶で直会

 参拝後の直会は、当然のことながら、ダウラになります。これが直会というほどくつろげるものではなくて、五人の卒論・修論パワポのチェックをしたら、疲れましたね。3名は合格ですが、2名はあきまへん。年末に指導したことがまるで活かされていない。エンジンをふかしていただかないとね・・・


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四度目の竹田

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近くて遠い天空の城

 昨年12月19日(日)、大杉の民宿「いろり」を後にし、竹田に向かいました。これまでLABLOGで3回紹介されていますが、竹田城下町にも古民家(旧酒造場)を再生した宿泊施設(ホテルEN)があり、周辺の小型町家をも巻き込んだ事業が展開しているからです。大杉集落からは車でおよそ1時間の距離です。この日は町並み景観のフォトスキャンのための多重撮影、天空の城「竹田城跡」の登拝を予定していました。しかし、冬シーズンであるため、一般登山道が閉鎖されており、またそのルートのための電車やバスの時刻も限られていました。そのため、登山は断念し町並みの撮影のみになってしまいました。
 当日、なにかのイベントがあったのか、屋台がいくつか並んでおり、また宿泊施設付近の広場で和太鼓の演奏も行われていました。その日はきれいに空が晴れており、前日の雪が溶け、道のわきでたたずんでいました。風が冷たい中でしたが、人々の賑わいや町並みの雰囲気で少し心は温まったように感じました。


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竹田城の歴史

 兵庫県朝来市の古城山(標高353.7 m)の頂に築かれた山城です。室町時代、但馬の守護大名、山名宗全によって城の基礎が築かれました。播磨や丹波からの侵略を防ぐため、城は13年かけて造営されたといいます。城主は山名氏の武将、太田垣氏が5代にわたって務めました。しかし、築城から約130年後の、天正5年(1577年)に織田信長の命によって秀吉の但馬征伐が始まり、竹田城は落城しました。
 現在みられる石垣を整備したのは、天正13年(1585年)に新しい城主となった赤松広秀です。石垣には穴太(あのう)積みと呼ばれる有名な石積み技法が用いられており、400年以上経った今でも威容を誇っています。また、完存する石垣遺構としては全国屈指のもので、「日本100名城」にも選ばれています。
 城跡は早朝の雲海で有名であり、「天空の城」とか「日本のマチュピチュ」とも呼ばれ親しまれています。

※現在、但馬・播磨・丹波は同じ兵庫県内に位置しますが、室町時代はそれぞれ行政区分が異なっていました。
但馬 : 現在の兵庫県北部(豊岡市、養父市、朝来市、美方郡)
播磨 : 現在の兵庫県南西部(兵庫県神戸市垂水区・西区・姫路市・明石市・相生市・加古川市・三木市・高砂市・小野市・加西市・宍粟市・たつの市・西脇市・加東市・多可郡・加古郡・神崎郡・揖保郡・赤穂郡など)  
丹波 : 現在の(丹波市、福知山市、綾部市、南丹市、京都市右京区京北、亀岡市、丹波篠山市、京丹波町)



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竹田城下のホテルEN

 城下の大通りには、元木村家酒造場をリノベーションしたホテルENがあります。旧酒造場が拠点施設、周辺の町家が宿泊施設となっています。拠点施設にはフレンチ・レストランやカフェスペースも設けられており、観光客たちの憩いの場となっています。ENは地産地消を大切にしており、レストランの料理に地産品を多用しており、自家製ジャム、味噌、醤油などのマルシェを開催しています。また、竹田のマイスターによる家具やクラフト、味噌作りや醤油作りのワークショップなどのイベントも開催されています。
 家伝によれば、木村家のルーツは、武田信玄家臣の飯尾右京之進直利の次男であるといいます。武田家滅亡後、姓を木村に改め、現在の加古川に蟄居したと伝わっています。木村家が竹田に移り酒造りを始めたのは寛永2年 (1625年)頃です。その後2度の火災に遭って明治35年頃、現在の建物が再建されました。木村家当主は16代目です。
 さらにそこから、100年以上もの時を経て平成25年(2013年)11月10日、生まれ変わった旧木村酒造場は、建物の歴史性を尊重して、可能な限り“そのまま”にリノベートされました。その名前「EN」の由来は、様々な用途より、人と人との縁を結ぶ場所になってほしいとの願いからだそうです。


1219竹田01en03表通りの町並み01 表通りの町並み



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そば切り 彦衛門

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噂のビブグルマン

 年初早々、眼科の定期検診があり、通院した。コロナはすでに再上昇の兆しをみせており、眼科の待合室には大型の扇風機を置いていて、天井にむけて強風を発し、上澄みのようにして溜まった空気を拡散させながら、換気扇から排出しているようだ。その後、訪れた蕎麦屋でも棚の上に小さな空気清浄機を置いていて(↑)、病院と同じように、プロペラを上に向け、空気を拡散させていた。デルタ以降、今回のオミクロンも空気感染が常態化しているとされ、いまやディスタンス以上に通風・換気が鍵を握ると思われる。


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 その蕎麦屋は「そば切り 彦衛門」という。菖蒲池の駅前から数百メートル離れた住宅地にある鉄筋コンクリート造のお店。隣はセブンイレブンである。「山中の蕎麦屋」とはとても言えないけれども、室内は木造の和室を印象づける(↑)。とくに、アルミサッシュ窓の内側に垂らした簾の効果は上々である。外側の風景を全面的に遮ることなく、爽やかな和の空気を室内にもたらしている。ミシュランのビブグルマンに掲載された蕎麦屋ということで、年末から注視しており、年初に予約がとれたので、家族で昼食に出かけた。


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 注文したのは、以下の五品。
  ・辛み大根 ぶっかけおろし(冷/玄そばあら挽き)
  ・貝柱とあわび茸のせいろ(冷麺/玄そばあら挽き、温つけ汁)↓
  ・生ゆばのおそば(温/自家絹挽き)
  ・そばがき(生山葵・おろし具付)
  ・旬野菜の天ぷら  *そば湯も濃厚!


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 どれもこれも非常に美味しうございました。私がとくに気に入ったのは、「旬野菜の天ぷら」。肉や魚介を含まないところが精進風で良いですね。菊芋の甘さに目眩を覚えたほど。麺は、玄そばが奥出雲風の野太いごつごつした感じで、絹そばが細くて白い麺です。このまえ紹介した奈良町の老舗「」の黒蕎麦(田舎蕎麦)、白蕎麦に対応しますが、私は「彦衛門」の方が好みです。建築・内装も、「玄」のレベルのはなれ座敷なら、却って趣を懲らした彦衛門のほうが面白いし、なにより椅子座がいい。年寄りが座りやすく、快適に食べることができます。
 家族全員一致で、また来ようということになりました。次は「夕御膳」がいい、ということで。「玄」「観」「一如庵」ほど有名ではないけれども、ビブグルマンの称号に恥じない名店だと思います。


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↑そば湯  ↓湯葉そば(左)とぶっかけ(右)
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行基縁りの地を往く (6) -記者発表と報道

記者発表 インタビュー


復元に決定案なし

 今は昔、昨年11月8日(月)のことです。奈良県庁内文化教育記者クラブで、教授による菅原遺跡円形建物復元案についての記者発表がおこなわれました。まず教授が3案(細分すると4案)の復元についてお話しされ、その後、同席された前園先生(奈良県文化財保護審議委員)が行基と弟子の忍性の墓(竹林寺の石塔)が八角形であり、今回の復元案との一致をみるという考えをお話しされました。この発表は、同日夕刻の奈良県内のTVを皮切りに、翌11月9日(火)から全国の新聞で報道されました。




211109_奈良新聞一面   211109_産経新聞(奈良面)   211109_毎日新聞(奈良面)
11月9日朝刊報道(左から奈良新聞1面、産経、毎日)


 以下、復元3案の概略を説明します。なお、教授は遺跡から復元する建物に「決定案はない」と考えておられます。このため、複数の案を想定されています。もちろん他の研究者の復元案も許容されるそうです。

円堂3案比較 囲繞施設とA案
                                   ↑囲繞施設とA案

 《A案》 栄山寺八角堂をモデルとする案。基壇上の八角円堂は本瓦葺き屋根と土庇状の裳階の十六角形檜皮葺き屋根が近接しあう。内法長押を裳階の垂木掛けとすると、檜皮葺き屋根の上面上端は頭貫の位置におさまる。訪問者の目線からは「円」に近い裳階の造形(じつは十六角形)が目立ち、八角堂は裳階に隠れてしまい幾分印象が弱くなるが、ボリュームは回廊との整合性がある。
 《B案》 現代建築ではあるけれども、薬師寺玄奘三蔵院玄奘塔を意識し、八角堂の大屋根と裳階の屋根をやや離してみた。この場合、玄奘塔と外観は近似するが、玄奘塔の場合、裳階の柱は八角基壇上の礎石に立つ(建具無B案)。一方、菅原遺跡「円堂」の場合、裳階の柱は基壇の外側の地面上に立つ掘立柱であり、それだけ長くなる。このような長い裳階の例としては、安楽寺八重塔があり、これに倣う建具有B案も考えた。伽藍全体との関係をみると、建具無B案は許容の範囲だが、建具無B案は回廊等に対してボリュームが大きくみえる。
 《C案》 最も美しい八角堂と称賛される興福寺北円堂を意識した復元案。鎌倉初期の再建だが、興福寺の場合、東大寺とは対照的に古代の和風をよく継承しているということで、二手先(隅では実際には三手先になる)の組物とした。これを古代の構法でクリアするのは、じつは大変やっかいである。姿としてみれば、いちばん見栄えがするけれども、背が高すぎて、回廊等とのバランスは崩れてしまう。



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昼下がりの紅茶

0104プレゼント02猫


さて、年金事務所へ

 年末ゼミでプレゼントされた「昼下がりの紅茶」をいただきました。アールグレイのティーバッグ、シュガー、豆乳クッキーのセットです。朝の雑煮は、息子が佐治から持ち帰ったとち餅で、栃の香りが口中にひろがりました。そのブランチ後のデザートとしてアールグレイとクッキーをいただきました。とっても美味しかったですよ。
 今日は仕事始めですね。私は年金事務所に行きます。まずは戸籍謄本をとってから。ガソリン・スタンドに寄って洗車でもするかな。


0104プレゼント01 0104プレゼント03


そして、夕暮れ

 いやぁ皆さん、日本の年金は厳しいですよ。私たちの若いころは大学~大学院時代に国保を払っていない。とくに研究者になるために博士課程まで進むと就職は30歳近くなる。10年労働してないから、その分の基礎年金が足らないの。しかも基礎年金は、20~60歳の40年が対象になるから、60歳以降に働いていても加算されない。なんかもう無茶苦茶ですね。父母がどれくらい年金をもらっていたか、よく知っています。あのころとは雲泥の差。今でこうなんだから、若者たちが退職するころにはどうなっているのか。革命を起こすしかありませんぜ。


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ユニクロのマグカップ(青赤)は焼酎お湯割り用としか思えませんね。取っ手がない。


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2022 謹賀新年

2022年賀状01


 新年あけましておめでとうございます。
 1月中旬にロケと取材があります。
 「我が復元人生」のような内容を数分でまとめて下さるそうです。
 幸先のよいスタートとなれば結構毛だらけ猫・・・

 年末から連載してきた「山の教室」の感想文を総括
 するならば、人間には、各々にふさわしい「居場所」が
 ある、ということに尽きます。適した居場所にいる人は
 幸福です。わたしには過疎地が似合っている。
 一日も早くブータンに戻りたいですね。
 自分を取り戻す1年にしたいと思っています。

令和四年元旦



0101屠蘇01 0101屠蘇02盆栽01 
庭で採れた木瓜の実をシナモン・バーボンに漬けた屠蘇です。毎年恒例になってきました。木瓜の盆栽は最近購入。


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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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