戦争と平和(4)-ソ連版Disc4


2022年7月13日(水)鑑賞
1 動画の基礎情報
題名 戦争と平和 Disc4(ソ連版大河ドラマ、1967年制作)
監督・主演(ピエール役) セルゲーイ・ボンダルチューク
2 Disc4のあらすじ
フランス軍がモスクワに迫り、ロシア軍はモスクワからの撤退を決めた。 モスクワ市民が避難する中、ロストフ家もアンドレイや負傷者とともに避難を開始。その際、ナターシャはピエールと会う。彼はモスクワに残ると言って、ナターシャたちと同行しなかった。まもなく、ナポレオンが荒れ果てたモスクワを制圧。ピエールはナポレオン暗殺計画を実行するためにモスクワに残ったが、失敗に終わり、フランス軍の略奪行為からモスクワ市民を守ろうとして捕虜となってしまう。
ナターシャはアンドレイと再会して許しを乞い、アンドレイも彼女を許して愛を伝えた。ナターシャの介護で回復をみせたアンドレイだったが、やがて容体が急変して息を引き取る。ナポレオンは依然として動きを見せないロシア軍にいら立ち、モスクワからの撤退を決めた。しかし、ロシアの極寒と食糧難に襲われ、兵士たちは次々と命を落としていった。加えて、ドーロホフの軍が奇襲を仕掛けてフランス軍は敗退し、ピエールを含む捕虜の多くは救出された。その後、ロシア軍の総攻撃に敗れたフランス軍は母国へ敗走し、クトゥーゾフ大将は勝利を宣言した。モスクワには人が戻り始め、ロストフ家の人びとは屋敷に戻った。そこでナターシャとピエールは再会し、生還を果たしたピエールの無事を喜び、二人はともに歩み始める。
3 鑑賞を終えての感想
映画を通して、あれほどまでに登場人物が多いにも拘わらず、それぞれの人物の個性が豊かだと感じた。ピエールは、優しくてお人好しな若者ながら、アナトールやドーロホフらと衝突を繰り返す。加えて、周囲の計らいに乗せられる形で、エレンと結婚する。アンドレイは意思が強く、冷たい男として登場したが、いざ妻を失うと落ち込むなど弱い一面をもつ。ナポレオンを偉大な軍人として尊敬しており、フランスとの戦争で功績を挙げようとするが、アウステルリッツの戦で重傷を負って倒れ、地面から見上げた空の高さに気づき、人限はちっぽけな存在であることを悟る。ナターシャはおてんばな少女で、アウステルリッツの戦から戻ったアンドレイとの婚約を果たすが、一年間の外国生活を送るアンドレイの帰りを待つ間に、アナトールからの誘惑を受けてしまい、アナトールとの駆け落ち未遂事件を引き起こす。
ほかにもたくさんの人物が登場したが、この二人は同じような人柄だと思うことがなかった。加えて、このような個性豊かな人物たちが、実在した人物と直接関わるというのも大きな特徴であった。
全4部作を通してナターシャの成長にも注目していたが、1部ではおてんばで自由な少女が、4部の最後のシーンでは、上品で落ち着きのある大人の女性に変わっていた。彼女は、アンドレイとの婚約、アナトール との駆け落ちなどさまざまな出来事を経験しており、このような経験があったからこそ、あこがれていた大人の社会に似合う人物に慣れたのではないかと思う。人は多くの経験を通して成長していくことを実感した。