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第3回れきまち研究会「まちの里山資本主義」の記録(6)

runaDSC02576.jpg ルナ


猫はかすがい

 ○司会  宗元さんは猫か犬を飼っていらっしゃいますか。
 ○宗元  猫を飼っています。
 ○司会  私の家にも猫が1匹おりまして、家内と私の間の、何と申しましょうか、「猫はかすがい」なんですね。ぎくしゃくする家庭のもめ事も、猫一匹でにこにこ関係に変わってしまう。そういう生活をしていますけれども、猫はこの町の救世主になるかもしれない、とじつは思っています。
 ○天野  つい先日まで猫が嫌いで嫌いでかなわなかった男ですので、猫について新しいアイデアはなかなかでて来ないのですが、猫の住民票をつくって、美人の猫の人気投票したらいいなんて思ってます。うちのルナ(↑)が一番になるのはわかっていますからね。まあそんなことをこれからぼちぼち考えていけばいろいろ良いことがあるのではないでしょうか。
 ○司会  すでに猫ちゃんの手術はされているのですか。
 ○天野  はい。野良猫が河原町でも大きな問題なんです。公民館便りにも書いたのですが、河原町には野良猫問題に非常に熱心な方がいらっしゃいます。自分の家の猫ではないのに、野良猫を保護し自費を投じて、複数匹の猫に避妊虚勢手術を施しておられるのです。うちのメス猫も、飼うと決めたらすぐに避妊手術をしました。虚勢避妊手術をして、かわいそうな顛末を迎えないようにすることと、人に迷惑をかけないような飼い方をする。そういうルールをきちんと守っていけば、猫嫌いの人もやがて猫が好きになるのではないでしょうか。石を投げる人がいらっしゃるようですけれども、そういう人のなくなる世の中になれば、と思います。
 ○司会  そうですね。わたしも猫は苦手だったんですが、いまはすっかり洗脳されてしまいました。数年前、環境大学のプロジェクト研究で「地域猫」の社会問題を取り上げたことがあります。若葉台ニュータウンとかあちこちで「猫屋敷」と呼ばれている住宅を探し回ったり、土木建築業の社長が野良猫を拾い集めて十数匹、会社の1階で飼っていると聞いてインタビューに行ったりしました。その人たちはものすごく猫を愛していて、避妊手術も自腹切ってやっているのですが、外部からは「猫屋敷」などという偏見をもたれている。結果として、猫を愛して頑張っている人たちが他の地域住民から色眼鏡でみられている。そういう社会構造ができあがっています。あの壁をなんとか乗りこえなければ。


若桜鉄道阿部駅03


ジビエか命か

 ○宗元  お寺にも猫がいます。嫁が1匹連れてきた野良猫です。雨の中、箱に捨てられていた小さな猫でしたが、18歳でまだ元気で生きています。ただ、宿坊では料理を出しますので、お客さんがいらっしゃるときは絶対外に出しません。猫アレルギーの方もいらっしゃることが本当にあります。いま犬派がとても多いです。ですから、猫に特化するのは難しいかもしれませんね。猫カフェとかだったらいいかもしれませんが、なかなか動物の問題はやっかいです。
 八頭町や若桜町では、いま鹿問題で、ジビエを起こそうとしています。里山ではないけれども、鹿もまた里山資本主義的な資源かもしれません。ところが、鹿はモノではなく命ある生物です。私も仏門として議員さんに言ったことがあるのです。鹿を有効に使うのはいいけれども、資源ではなくて命なのだ、と。猫もそうですね。だから、この問題は難しいのではないでしょうか。ジビエの問題がもう一つ盛り上がらないのは、やはり鹿の目を見たら可愛いのですよ。夜の10時を過ぎたら国道29号線にいますからね。若桜鉄道は線路でよく鹿にあたるのだそうです。通り道だから。なかなかこれは難しいというのが私の本音です。命なのでね。



渡名喜島に学ぶ

 ○司会  難しい問題ではありますが、河原町では来年度以降の課題として、猫のことを真剣に考えていただきたい。先ほど言いましたが、「地域猫」については国交省の指針があって、条例化しているはずです。規則はできていて、手術を受けさせることとか、室内飼育とか、いくつかの原則さえ守れば、猫がかすがいになってくれるはずです。
 もう時間もないので、あとはちょっと沖縄の話をさせていただきます。沖縄の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)といえば「竹富島」が有名ですが、もう一ヶ所「渡名喜島」という重伝建があります。これまで訪れたことがなくて年末に訪問してきました。渡名喜村は日本で2番目に面積の小さな自治体でして、人口はわずか401名なんです。あの島でいろいろ考えさせられました。もちろん里山資本主義的な活動はあります。びっくりしたのは水です。以前は良質の井戸水が湧いた。ところが、あるときその水で食中毒が出たそうです。以来、井戸水を使えなくなってしまった。そういう島で何をやり出したかというと、海水の淡水化です。各世帯に浄水器が設置されました。その浄水器で濾過した水がものすごくおいしい。ヨーロッパのミネラルウォーターに匹敵すると言って言いすぎではありません。十分販売できます。
 島は過疎ですから、重伝建地区のなかに空き家がたくさん生まれています。赤瓦の空き家を修復再生して、コテージ風の民宿にしており、私もそこに宿泊しました。村の真ん中に食堂があって、そこが管理棟でもあり、周辺の4~5棟の空き家民家を宿舎としているのです。
 渡名喜島にいる間ずっと河原町のことを考えていました。環境は違うけれども、似たようなところがある。みなさんはどう思っているか知りませんが、私は職業柄、河原町・鍛治町などに残っている茅葺き民家を保護したいと考えています。倉吉の旧陣屋町エリアで江戸時代に遡りうる貴重な歴史遺産だからです。すでに空き家になっている民家も少なくないでしょう。それらを渡名喜島の空き家民家(民宿)のようなネットワークで連携させられないものか、と構想しているのです。
 ○天野  改めてそう言われると大事だと言いたいところですが、汚げなものはとっとと潰してしまえという意見もありますし、そういうものを一回壊してしまったらもうそれっきりだという思いもありますし、難しいところだと思います。ただ、それを有効利用できさえすれば、これは残すに限ると思います。そのあたりは浅川先生や眞田会長のお力によるのではないかなと私は期待しています。
 ○司会  いや、われわれが前にでると、行政に圧力をかけるとかろくなことにならないので、もうそういう発想はやめたほうがいいですよ。それこそ地位と名誉と金にまみれた世界ですからね。ここはそういう世俗と隔絶した彼岸だからすばらしいのであって。
 渡名喜島ではがらがらになった空き家の内装をきれいにして、それを民宿群にしているわけです。ぜひともいちど有志で見学されたらいかがかなと思うわけです。いまは旅費も安いですから。
 ○会場  私のうちのすぐ前にNさんのお宅があります。いま外側を全部トタン張りにしています。あれを剥がさないと昔のいい感じは出てこないのですが、剥がせば廃屋になる可能性が高まります。外側の敷居とか柱なんかはもうずいぶん腐っています。だから、それをどういうふうに利用するかということは、やっぱりどのような資金をつぎ込むかということですね。これにかかってくると思います。
 ○司会  資金をつぎ込むとなると、役所にぺこぺこしないといけなくなる。切ない選択をしなきゃならないですが、ただし、河原町が重伝建に選定されれば、資金の問題も解決するでしょうね。あとは行政のセンスとやる気です。 【続】


【これまでにアップしたサイトです】
 第3回れきまち研究会の記録(1) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-995.html
 第3回れきまち研究会の記録(2) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-997.html
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 第3回れきまち研究会の記録(4) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1010.html
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Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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