初詣


春日大社 第六十次 式年造替
2週間ぶりに帰宅すると、春日大社式年造替のチラシが壁に貼ってあって、いきなり「行こう、行こう」とせがまれた。もちろん興味がないわけではないので、いざ初詣へ(今年の冬休みは長かったけど初詣に行っていない)。
冷たくひきしまった参道を歩いていると、やたら中国語が耳に届く。以前から外国人旅行者の多い国際的な観光地ではあったけれども、春日神社までもが「上野化」していることに驚いた。きわめつけは和服の4人組である。成人式でもあるまいし、なんでまたとみていたら、なんのことはない中国語でおしゃべりする姑娘たちではありませんか。

春日大社は本殿等の檜皮屋根葺き替えの寄進を求めている。一束1,000円で、引き替えにオリジナル・ファイルを受け取る。そのファイルが特別拝観の入場券になっていて、中庭より内側に入っていける。そして新装なった中門まで行き、連子窓の隙間からじろじろと本殿をのぞき見るわけですが、檜皮葺き替え中の本殿は素屋根に覆われていてみえない。
20年前、1995年には特別の配慮で本殿に接近して喜んだものですが、いまさらそんな強欲なことする気もなく、そそくさと御仮殿へ。ちなみに、本殿の前になぜ楼門(中門)があるのか。それは宮殿の模倣でしょうね。大極殿が本殿だと仮定すると、大極殿院の正門を「閤門」と言います。閤門が楼門の形式だったから、日本全国いたるところに楼門があるのだと私は思ってます。逆にいうと、二重門は少ないのね。


↑↓檜皮一束1000円です。みんなで寄進しましょう!



板甲倉式の宝庫にも久しぶりに面会しました。宝庫対面の回廊や東門は20年前の解体修理で視察させていただき、その写真をタイの国際会議“The Future of Asia's Past”で使ってスピーチし、今でも「歴史遺産保全論」の重要な教材であります。
おみくじを引きました。「末吉」だって。わたし末吉をよく引く人です。昨年は半吉でして、今年は末吉。あんまり良い運気ではないのかもしれないけれども、小鹿人形の銜えた御籤をひもとくと、いい事ばかり書いてある。この内容で末吉なら大吉はどんな凄い運勢なのか、想像できないほどです。どうやら北に幸あり。転居(やうつり)した方がよいそうです。
そうそう、おみくじにとまどう父子を発見。中国語で「これ何?」と子どもが親に訊いていたので、「今年の運気が書いてあるんだよ」と教えてあげた。上海からの来客で、「同済大学に居たんだ」と告げると、「あそこがいちばんいい大学だ」と親指を立てるのだが、復旦大学のほうが有名に決まっている。
いま私にいちばん必要なものはウォーキングです。歩くと、足腰の痛みがやわらぐ。春日参拝はとてもよいリハビリになりました。

↑↓春日大社宝庫

