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大雲院と鳥取東照宮(ⅩⅥ)

160409 大雲院密檀実物 本堂密壇


葵御紋の調度品をポラロイド撮影 
  
 7日(木)、午前に1年生のガイダンスがあり、午後からは新3年生のミーティングもありました。少しずつ新年度が動きはじめています。
 3年生とのミーティング終了後、教授のお声かけで、ケントさんと私の計3名で大雲院を訪問しました。今年度の研究費申請のため下調べが必要とのことです。全員2月21日開催の「仏ほっとけ会―大雲院・摩尼寺仏教講座―」以来の訪問です。
 昨年は本堂など建造物のほか、仏像・位牌・厨子などの美術品を調査しましたが、お寺には法要に係わる調度品など、明治の神仏分離に伴って東照宮から排除された仏具系の 美術品が多々所蔵されています。その呼称が複雑です。これを間違いなく理解するために、ポラロイドカメラを用いることになりました。これまでブータンなど、おもに海外の調査で多用してきたポラロイドの使い方は以下のとおりです。

  1)まず調度品をポラで撮影する。
  2)現像された写真の余白に油性マジックで呼称を正確に書き込む。
  3)呼称を書き込んだポラを一眼レフなどで撮影する。
  4)その後、一眼レフなどで調査対象の調度品を撮影する。


160409 大雲院資産ポラロイド① ポラロイド(撮影後)


 この作業を繰り返します。普通はノートに名称・概要などを書き込みますが、そのすると、どの画像と一致するのか不詳ですし、ノートなどが紛失した場合、再調査が必要になります。しかし、文字を書き込んだポラロイドをデジカメで撮影することで、情報は複数のパソコンに保管されることになるのです。
 仮調査の対象品は以下のとおりです。

  【本堂】 密壇 礼盤 香炉 柄香炉 磬(と磬架) 鶴亀の燭台 三具足 経机
  【元三大師堂】  懸仏  前机  釣灯籠

 畏るべきことに、これらのほぼすべてに三葉葵の御紋がついています。徳川家ゆかりの調度だということです。それぞれ非常に重要な意味をもつものですが、詳細については、正式な調査後、報告することになるでしょう。


160409 大師堂懸仏実物 大師堂懸仏 


 ところで、先月末、ASALABの大雲院調査を大きく取り扱う記事が読売新聞に掲載されました。なんでも、教授によると、バルカン半島を旅しているあいだ、ずっと校正していたそうです。正月から、日本海、毎日、読売などが続々と記事にしてくれており、「忘れられた寺院」である大雲院も少しずつ市民に認知されてきたことでしょう。
 今年度は特殊なソフトと器材を用いての調査になるそうです。今から楽しみにしています。(ゆめみし)


160328 大雲院仏教美術品 (読売新聞)
↑読売新聞 2016年3月28日

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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