やずブータン村を訪ねて

人生初めての瞑想
6月9日(木)。『天の鳥』『命の着物』の素訳を先週までに終えた1・2年生は、八頭町丹比の光澤寺=「やずブータン村」を訪ねた。光澤寺はブータンとの交流をめざす寺院である。ブータンについて学ぶ私たちを、ご住職が迎えてくれた。まず、本堂に通された。本堂で私たちは座布団にすわり、住職の法話を拝聴した。住職は、以前大企業のサラリーマンとして働かれていたが、実家のお寺をつがれ、その傍らで宿坊を経営されている。東京や大阪などの大都会から25歳前後の若者(とくに女性)が悩みや葛藤を解消するため宿坊に泊まり、お寺で修行することがしばしばあるという。
次にブータンのお話を聴いた。とくにブータンが昔、鎖国していたこと、今年ブータンと日本の国交が30周年を迎えた、いうことが心に残っている。GNH(国民総幸福量)という指標から、ブータンの素朴で温かみのあるお国柄がうかがえた。

その後、私たちは禅と瞑想の違いについて学んだ。瞑想は悟りを開きブッダになるための方法であるが、禅はむしろ悟りを開いた者がおこなう修行とのことである。どれも初めて耳にすることばかりで、発見の連続だった。
法話のあと、私たちは住職のご指導の下、瞑想を体験した。まず座布団に浅く座り、畳の上で足を組む。次に両手を前に突き出し、両手の親指をくっつけ床に手を付ける。その後、手を45度の角度に維持した状態で、頭が床につくまで広げる。それから、背骨が一直線になるよう意識しながら、ゆっくりと体を起こしていき、手が床から離れそうになったら、操り人形になったつもりで骨盤と背骨が一直線になる姿勢を作る。次に両手の手のひらを上にし、手の甲を膝に置く。ゆっくり目を閉じ、意識を呼吸に向ける。そうすることで呼吸が落ち着き、心が安定してくる。三分間ほどそれを続けた後、自分を第三者の目から客観的にみるよう思考しつつ、頭のなかで実況中継するよう指示された。そして3分後、ゆっくりと目を開けた。

瞑想のあと、私たちは宿坊の見学をさせていただいた。バスルーム、客間、浴室などをみた。ベッドなど洋風のものが多くあった。
部屋は大きすぎず、自分自身と対話する空間として良いと思った。最後に、全員で記念撮影し、ご住職に感謝の気持ちを伝え光
澤寺を後にした。
今回、人生初めて瞑想をした。目を閉じて呼吸に意識を向けるだけで、あれほど心が落ち着くことに驚いた。さらに光澤寺とブータンの繋がりを知ることができた。また、ご住職いみせていただいたブータンの写真により、いっそうブータンを身近に感じ、クンサン・チョデンさんの絵本の翻訳などの作業をより丁寧にしたいと思った。(経営学部2年・戸堀)



これからの人生にも生かしたい
6月9日(木)、プロジェクト研究の1・2年合同で八頭郡八頭町にある宿坊光澤寺を訪れた。寺は静かな山里にあり、自然豊かでとても落ち着くことのできる環境にあるという印象をもった。また、本堂はひろくて天井が高く、光や風もよく入り、居心地が良いと感じた。
寺に着いて初めに、本堂で住職さんから、自らの経歴、仏教についての話、「こころ」や「しあわせ」についての話など多くのことを聞かせていただいた。ブータンの国民総幸福量についての話では、お金やモノで幸せを追求するといつまでたっても満足することがあい、周りからどう思われているかではなく、自分にとっての本当の幸せを見つけることが大切だという話が印象に残った。また、最後のほうに話された、過去のことをなかったことには絶対にできないから後悔していても仕方がない、過去の自分も「自分」としてしっかり受け止め、これからどうしていくかが大切なんだという話にも考えさせられた。

そして瞑想を体験した。光澤寺ではマインドフルネスという世界で主流な瞑想方法を取り入れている。足の組み方、姿勢、瞑想中に頭に思い浮かべるイメージなど、基礎から細かく教えていただいた。瞑想は心を落ち着かせるのに適した手段であるということがよくわかった。
次に宿坊を見学させていただいた。宿坊の寝室はベッドルームとリビングルームの二室が一体となっていて、廊下の談話スペースではジャズのバラードが流れていた。ここには仏教関係や瞑想についての本が置いてあった。また、窓にステンドグラスがあるのも見えた。寺の外観は和風だが、内観はかなり洋風に改装されているという印象をうけた。
最後に本堂の前で記念撮影し、この日の活動は終わった。今回学んだことは、プロジェクト研究の授業だけでなく、自分の人生のためにも生かしていけたらいいなと思う。貴重な経験ができて良かった。(経営学部1年・高田)
