鯉に願いを-ネコノミクスの街(5)

旧小倉家住宅主屋実測調査
こんにちは。初めてブログを書かせていただく新3年生のぱでぃです。6月22日(水)はASALAB一同、倉吉市河原町五叉路の実測調査をしてきました。今回初めて平面図と採寸をする3年生は、4年生の先輩方の指導の下、大鳥屋(鍛冶町2丁目)平面図の採寸、旧小倉家住宅(河原町)の主屋・土蔵の実測に取り組みました。ケントさんは近所の小学生と戯れながら、小倉家土蔵の断面図を描いておられました。
私はゆめみしさんと小倉家主屋の1階の平面図と採寸を担当しました。平面図を描く経験がないため、先輩の指導や資料を参考に見様見真似で描いてみました。先輩と答え合わせをしてみると、だいたいの間取りが合っていて安心したのも束の間・・・休憩時間に先生から愛ある喝をいただきました。ありがとうございます!

平面実測を終え、次は採寸です。3色ボールペンを使って、柱をはじめ、部屋の端から端までの寸法を記入していきます。押入の中に入ったり、タンスと壁の間に挟まったりと、真っ黒になりながら作業しました。倉吉は遠いので頻繁に調査に来ることができません。そのため、限られた時間内で作業を終わらせなければなりません。また、平面図のミスや採寸の測り損ないがあると、後々の作業に支障が出るため、スピードと正確さが求められる作業でした。
今回の実測調査で、大鳥屋、小倉家主屋、小倉家土蔵の平面図と採寸が終了したので、
これから平面図をCADで清書していきます。久々にCADを使用するので、頑張りたいと思います。また、平面図を描く練習もしていきたいです。(ぱでぃ)



大鳥屋平面の確認調査
6月22日(水)、4年生1人と3年生2人で大鳥屋の調査をおこないました。鍛冶町2丁目の大鳥屋は旧小倉家住宅の東隣にある町家(現在はIJU大学)で、中2階式、正面1階の庇屋根に湾曲した腕木を備えます。平面については、すでに東京芸大によって実測されているのですが、このたび寸法等の再確認をおこなうことになりました。
先発組は12時ころに着いたのですが、大鳥屋を開けていただいたのが13時半だったので、先発の2名で外まわりの採寸をしました。大鳥屋の周りをぐるっと歩いてみると、2009年当時とはちがっていて、あきらかに増設して平面図と異なる部分がありました。そのため増設部分などを巻尺を使用して採寸しました。その後、高さ測り棒を使って立面図に高さを入れる作業を行いました。2人だと1人が巻尺の0の部分を押さえてもうひとりが巻尺を伸ばしながら目盛を読んで図面に書き込んでいくことになります。3人で測ると2人で巻尺を始点と終点で押さえ、1人が目盛を読んで行くので誤差が生じにくくなります。
13時半になって家主さんが帰宅され、内部の採寸に取りかかりました。この時はまだ後発組は合流しておらず、先生の指導のもとに採寸の基礎を学びました。目盛は内部で初めて読んだのですが、ミリで読むのに慣れるまでしばしば間違えそうになりました。まずは、土間の採寸を行いました。棚や机などがあり巻尺の高さを合わせて地面と平行になるようにしなければなりません。柱の位置がズレておりまっすぐ測れないところもありました。(みひろ)


はじめまして、新3年生のかっきーです。私は後発組で2時ころ現場に到着し、先発組の土間での作業を手伝いながら手順を教わりました。その後、主屋座敷部分と土蔵の採寸に映りました。端から端までの距離が長くなると、巻尺がたわみ水平に保つのが難しくなり、始点と終点を押さえておくのも大変でした。
主屋の2階は中2階式で天井が低く、一部の鴨居も低くなっており、背の高いキム先輩は頭がぶつかってしまい、頭上を気にしながらの作業となりました。今回採寸したデータをもとに大鳥屋のより正確な平面図をこれから描いていきます。私は2年次の居住環境実習演習Ⅰを履修していないので、作図等の経験が他の3年生より浅いため、先生や先輩方にアドバイスを求めつつ頑張ります。(かっきー)

【教師補記】 鍛冶町の大鳥屋と河原町の旧小倉家は隣り合う町家なので、ばくぜんと同時代の建物(昭和戦前)だと思いこんでいたのだが、改めて調書をとってみると、中2階形式で正面に湾曲した腕木があり、旧小川酒造などとほぼ同時期の明治後半の建物であることがわかった。当初の平面はL字形の土間(前土間+トオリニワ)を除くと食い違い四間取りになる。形態だけみれば農家形式に近いものだが、ナンド(寝間)は1階になく、2階にまとめている。昭和7年とされる旧小倉家の主屋は改造が多いけれども、大鳥屋と類似する平面に復元できるかどうか、これから考察してゆきたい。