鯉に願いを-ネコノミクスの街(9)

河原町自治会公民館便り 第87号
無事、第5次ブータン調査より帰国しました。今回は、インド・中国の国境に挟まれたハ(Haa)地区で調査しました。佐治の奥山のような景観のところで、いつものように懐かしさが溢れています。渓流の川縁でつかった石風呂が最高でしたね。一気に体調がうわむいた。そうそう、マツタケ三昧の食生活でね。マツタケなんて、もう飽き飽きだ・・・ガハハ
さてさて、ブータンにドローンを持ち込んだのですが、この春に中国人が王宮とジュケンポ(ドゥク派座主)のいるタシツォ城をドローン撮影したことで当局が激怒し、以後、ドローン使用禁止になっており、がっくり・・・ほんま、中国人よくないあるよ。
くらのすけはいろいろ気の利く男で、このたびはブータン女性の日常着を若干買ってきたんです。スカートをキラ、上着をテゴと言います。イメージできない方は以下をご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=pcARWrrdnX0
https://www.youtube.com/watch?v=WoIWf1vHQWg
キラとテゴを使って、いろいろ悪だくみを考えておりますが、この件についても、まもなくお知らせすることになるでしょう。
帰国後まもなく、倉吉のマッド・アマノ氏から河原町公民館報の最新号が送信されてきましたので、下に掲載しておきます。ASALABのゼミ生3名の活躍についても報告されています。
いま河原町は熱くなっています。旧小川家酒造主屋(県指定文化財)対面の長屋群を取り壊そうという動きが本格化しているのですが、その首謀者が文化遺産や町並みの保護を任務とする市教委文化財課であり、これに驚愕した一部の市民が市・県の関係部局長に対して嘆願書・質問状を出すなど反発を強めています。「続き」には、6月26日に開催された会合のレポートを掲載します。一連の動きについては、これからもお知らせしますが、その第一報とみなしていただいて構いません。(ケーシー)

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6月26日(日)午後7時30分、倉吉市河原町公民館にて地域住民らによる町の重伝建選定をめぐる会議がおこなわれました。2時間30分に及ぶ本会議を終えて、河原町の活性化を本気で考える人たちの熱い想い、選定にむけた取り組みの中で生じた複雑に絡み合った問題を不安視する声等、普段は聞けないであろう住民たちのまちづくりの本音を肌身に感じました。
四軒長屋の取り壊し
今回の会議の本題は「旧小川酒造主屋の対面に軒を連ねる4軒長屋の取り壊しについて」です。小川家は本年度から「小川記念館」としての整備が計画されています。記念館としての経営を有利にするため、4軒長屋を取り壊し、工事資財搬入場・駐車場とする動きが地域住民の声を無視して進められようとしていることが問題点となっています。河原町幕末~昭和戦前の町なみをよく残す歴史的な町であり、それらは重伝建選定に値する文化遺産群・景観資源であることを市教委文化財課はこれまで何度か強調してきました。しかし、昨年の初夏ころから河原町住民に対する説明・助言などがいっさいなくなり、住民は選定にむけてどう動けばいいのか困っています。そういった状況の中で、小川財団の整備に伴う4軒長屋の取り壊しの話が急におこったのです。4軒長屋の消失により、重伝建選定を大きく左右します。過疎・高齢化のなかで、町並みのほころびが進む中、県指定文化財の主屋の対面にたつ長屋群をまとまって失うことは歴史的町並みの致命傷になりかねないのです。
その一方で、重伝建選定に対する疑問をもった住民の声もありました。いくら重伝建を目指すといっても、個人の家屋という私的財産の在り方を外部からいろいろと口を出すのはいかがなものであるのか、景観の修景という名のもとに私有財産である自分たちの住まいに制限かけられることへの不安の声もまた確かにありました
個人の利益が必ずしも全体(町)の利益につながるわけではなく、逆もまた然りで、全体の利益のために一部個人へ負担を強いてしまう、そんな個人と全体の事情が複雑に絡み合った事態に河原町は陥っているのです。
河原町のこれから
そんな紛糾する議論の中、一人の参加者は言いました。「河原町が今後どのようなまちづくりを目指していくのかを住民全員が今一度考え直すべきではないのだろうか」「小川酒造はたしかに規模にしても大きく河原町に必要不可欠な建物ではあるが、全国的にみて小川酒造のような建物は少ないわけではない」「重伝建の中にある小川酒造こそが小川酒造としての価値を高めるのではないだろうか」。過疎が進む河原町において活性化を考える上では、河原町がもつアイデンティティである歴史的町なみの活用はなくてはなりません。4軒長屋の取り壊しによって小川記念館の経営が上手くいくかは定かではなく、河原町の町並みを際立たせるためにも、町並みとしての価値を向上させry必要があるのではないでしょうか。価値の高い「まちづくり」をどのような形で目指していくか、今一度住民全員の意思を確かめなければなりません。「まち」という単位の中で、自分たちの住む家屋は個人資産であると同時に、「まち」を形成する景観には社会的な意義があり、実際、小川財団には多額の補助金(税金)が投入されるのですから、いくら私有財産といえども、公共性が強まると考えられます。
建築の外観には社会性があることを住民が理解した上で、今後の取り組みを検討すべきだと、今回の会議に参加した私個人は感じました。(麻原鬢鬢20)