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チンギスハン

 延長の初めから眠りに落ち、目覚めたら、シュバインシュタイガーがPKマークに立っていて、スコアは2-2と示されている。なにがなんだかよく分からない。これを決めればドイツが勝利しますというアナウンスの直後、キックは見事バーの上空に消えていった。
 前半の前半でケディラが負傷し、シュバインシュタイガーが交替出場した際、これはイタリアもついている、と思ったものだ。バイエルンからマンUに移籍して泣かず飛ばすだった男だから、運気が良くないに決まっている。
 ところがどっこい、シュバイニーが担う役割は大きなものだった。

 ほとんど想定された範囲のなかで試合が進んでいった。ただし、ドイツが3バックでくるとは予想していなかった。わたしはドイツが4-1で勝利したという親善試合について知らなかったし、そのゲームでドイツがすでに3バックを試していたことももちろん知らなかった。レーヴは横綱相撲をするのではなく、イタリアを細かく分析して、対応を練りに練ってきたということなんだろう。たしかに、イタリアの2トップに対して3バックで対応するのは良いアイデアである。あまり意味がないかもしれないけれど、システムからみれば、3-1-2-2-2(伊)対3-2-2-2-1(独)の戦いだったことになる。これをもう少しわかりやすく表現するならば、以下のようになるであろうか。

  【伊】 5バック+1ボランチ+2シャドウ+2トップ 
  【独】 5バック+2ボランチ+2シャドウ+1トップ

 都並の解説などを参照すると、イタリアはクロースを包囲して消しにかかるので、その影でシュバインシュタイガーがゲームをコントロールすることになる。これが効いていた。また、スペイン戦でサイドを圧倒した両ウィングバックと対峙すべく、ドイツも二人のウィングバックを用意した。結果的に、イタリアはスペイン戦であれだけ機能した両翼→ペッレ→シャドウの攻撃が死んでしまう。ディフェンスラインの裏への走り込みも5バック2ボランチに阻まれた。こうなると、点の取りようがない。それが現実であることをイタリアは受け入れなければならない。こうなると、一人で点の取れるスターが欲しくなる。バロテッリか・・・とほほ。
 ただし、守備は依然安定している。ブフォンを中心とするユーヴェ4から点を取るのはいかなドイツといえ容易くないことを120分の死闘が端的に物語っている。


0702チンギスハン
↑チンギスという名のウォッカを頂戴しました。チンギスハンの土地で栽培された純粋な小麦から蒸留された、と書いてありますが、モンゴル帝国の版図たるやユーラシアのアジア側のほぼすべてだからね。バルカンの町々で買い込んできたグラッパ・グラスでちびちびいただいてます。




 結果だけみると、イタリアはまたしてもユーロでドイツに敗れることなく、その一方で、PK戦に弱いという二つのジンクスが継承されたわけだ。イタリアの場合、ケガ人が多くて、有力メンバーが選考から漏れたばかりか、連れてきたデ・ロッシまで負傷でドイツ戦の出場が叶わなかった。つまり1軍半のチームで世界チャンピオンと引き分けたわけだから、高い評価をくだすほかないのだが、ベスト・メンバーがそろったから勝てたかというと、そうとは限らないだろう。これまで何度も述べてきたように、無名の選手たちだからこそ、コンテの言うとおりに動き、勝利に貢献したのだと思うのである。ただ、ブフォンは悔しかっただろう。PK戦の録画を見返しても、あと2本はとめることができた。2本のうち1本仕留めていれば、イタリアは勝利していた。
 しかし、勝ちあがるべきはドイツだったと私でさえ思う。あのまま仮にイタリアが勝ちあがっても、ケガ人や黄札2枚が多すぎて(ドイツ以上に)、まともにチームが組めない状況であり、結果として、フランスが喜ぶだけではないか。ドイツはまだまだ余裕がある。しかも、ほとんどがバイエルンと関係する選手なのでコンビネーションが乱れることもない。はたしてフランスに対して、3バックでいくか、それとも4バックに戻すか。この点、非常に注目している。

 優勝候補と公言していたクロアチアとイタリアがともに敗れてしまい、事実上、わたしのユーロ'16は終わってしまった。今夜から早寝しようと決めていたのだが、授業の準備をしていたら3時半になって、アイスランドの挑戦が始まった。もちろんアイスランドを応援するが、いずれ眠りに落ちるだろう。

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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