立川~樗溪の町並み調査(3)

樗谿の町並み立面図作成(下見)
7月5日(火)。4年・院生ゼミで、樗谿・立川での活動を再開しました。翌6日の3・4年合同演習で、町並み連続立面図のスケッチをおこなうため、その下見として家屋の番付と担当を決めました。スケッチの対象は、鳥取市指定文化財「樗谿グランドアパート」の左右に連続する13棟です。町名は上町、ブロックはAブロックの南側なのでASとなります。
建物の番付はすでに終えていたのですが、わたしの勘違いで、樗谿グランドアパートより東側を番付対象としていなかったため、急遽仮番号をつけ、ラベルに新旧の番号を書き込んだ上、建物の写真を撮影しました。今後、データベース用の建物番号を改め、アパートより東側の建物もデータベースに加えないといけません。
一通り撮影を終えたあと、翌日の立面図スケッチの担当を割振りました。3年6名、4年5名、院生2名(うち1名は中国留学生)の計13名がそれぞれ1棟を担当します。
樗谿公園周辺の建物は、樗谿グランドアパートなどの疑洋風建築、町家風の和風住宅、建築家が関与し歴史的町並みと調和している住宅、ビルなど、多彩な建物が立ち並んでいます。これらの連続した町並みを、ゼミ生全員でスケッチし、それらを縮小て貼り合わせ、連続立面図を完成させます。居住環境実習・演習(Ⅰ)以来、慣れ親しんだ手法ですが、初めて経験する学生も若干いるので、全員でうまくサポートしていきたいと思います。
No.01 (駐車場) No.02 大石 No.03 水田 No.04 武田 No.05 吉冨 No.06 荊
No.07(AS-001) 図面あり No.08(AS-002) 石田 No.09(AS-003・004) 垣崎
No.10(AS-005) 吉田Y No.11(AS-006) 木村 No.12(AS-007) 谷口
No.13(AS-008) 浅木 No.14(AS-009) 吉田K No.15(AS-011) 岡崎




町並み立面図のスケッチ
7月6日(水)。ASALAB一同、樗谷の参道で連続立面図作成のための基礎資料となる建物のスケッチをしました。これまで立川~樗谷周辺の調査を行い、連続写真や町家等建造物データベースの作成を進めています。それらのデータに基づき、質のよい町並みを残すエリアで連続立面図を作成するのですが、樗谷の参道がその第一弾となります。ここには、市指定文化財「樗谷グランドアパート」に代表される疑洋風建築、伝統的町家、建築家のデザインした現代住宅などが軒を連ねており、旧城下町エリアのなかの「山の手」景観を伝える代表的な場所です。鳥取東照宮や樗谷公園と近接しており、広域的な景観保全を実現するためには不可欠のエリアであるとも言えます。

連続立面図のスケッチは一人一棟を原則とします。樗谷グランドアパートは文化財指定のさい立面図が作成されており、その図を借用させていただくことになりました(市教委許可済)。4年生・院生はもちろんのこと、ほとんどの3年生が立面図スケッチの経験があり、作業はスムーズに運ぶと思われたのですが、日本中が猛暑にみまわれ、しかも梅雨の時期ということもあり、タオルとペットボトルが手放せない状態に陥りました。屋内外にかかわらず、水分補給は大切ですね。

シロクマくんで休憩中(↑)、全員の図を先生にチェックしていただいたのですが、建物のスケールにかなり大きな差があることが分かりました。いつものことですが、コンベックスや高さ測り器などの測量器材を使わず、歩測を原則としたため生じた誤差ではありますが、もう少しお互いに気を配り合うべきだったと反省しています。誤差を補正するため、全員が一歩の長さを野帳に記載し、さらに巻尺を使って、全戸の間口長さを確認しました。今後は、担当者ごとに縮小のパーセンテージを細かく調整して、リアルな連続立面図にする必要がありそうです。16時に差し掛かったころ、雨がぱらつきはじめたので、この日の作業は終了です。今月第4週には期末の発表会があるので、はやめに清書や貼り合わせの作業を進めていこうとと思います。(だっしょ)

東照宮石橋の再実測
先生は単独で東照宮中門前の石橋を再実測されました。この調査については、 こちら を参照してください。