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2016居住環境実習・演習(Ⅱ)期末発表02

160731垣崎発表分① 図1

 1-2 町家等建造物データベース
 町家等建造物データベースを作成する目的は、①町並みカルテとしてデータベースを使用し、②建造物の要点を調査票にまとめて建物保全度と景観貢献度を評価し、③町並み保全について検討するためである。
 調査票はデータベースソフト「FileMaker Pro」を使用した。このソフトを採用した最大の利点は、必要なデータを取り出し、一覧に変換できるからである(図1右下)。


160731垣崎発表分② 図2


 調査票=データシートは、倉吉や平田で培ったフォーマットをベースにしている。それらの先行例にいったん立川のデータを入力してみると、不適合な点がでてきたので、立川の状況に即して、項目を追加・削除するなど、何度か修正を加え現状のフォーマットに至る。中間発表段階から変更したのは以下の3点である(図2)。

 ①用途: 住宅系の建物は「専用住宅」と「店舗併用住宅」に大別していたが、新たに「店舗併用住宅(しもたや)」という類型を追加した。「しもたや」とは、京町家の用語で、「仕舞うたや」の訛りと言われる。すなわち、店仕舞いした町家が専用住宅に変わった建物が「しもたや」である。本研究では、元から住宅だが、建築的には町家に分類される建物も「しもたや」に含めた。こういう町家風専用住宅が比較的多いため、新しい項目とした。

 ②階数: 2階を「中2階」「高2階」「総2階」の3タイプに分類していたが、やや煩雑であったため、「高2階」と「総2階」を「高2階」にまとめた。

 ③チェックボックス: 補足調査が必要か否かを確認するため、完成/未完成のチェックボックスを追加した。



160731垣崎発表分③図3


 調査票のサンプルをいくつか示す。図3左は豊かな植栽が生垣となって町並み景観に良い影響を与えている。図4右は樗谿の門前で最近開店した土蔵風カフェでよく賑わっている。わたしたちも調査中休ませていただいた。出雲の建築家がデザインした木造建築で、歴史的町並み景観に調和している。図4左は看板建築形式の店舗併用住宅で、もとは町家であった。

 これまで撮影した建造物は全489世帯561面(側面などの重複を含む)に及ぶ。1棟につき写真2~3枚から調査票を作成した。ゼミ生全員で分担した結果、調査票記入はひととおり完了している。しかし、不明・不詳な点も若干あり、8月上旬に補足調査をおこな予定である。主観的な見方の入る建物保全度・景観貢献度についてもクロスチェックを試みる。(柿崎)


160731垣崎発表分④図4

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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