大雲院と鳥取東照宮(ⅩⅩⅠ)

飛べよ、ドローン(2)
3年生の期末発表も終わったところで、8月2日のゼミ活動では久々に大雲院での調査を行いました。目的の一つは学外でのドローンの練習です。大雲院の鐘楼・本堂の写真を空撮してみました。このほか、最も文化財価値の高い東照大権現厨司の多重撮影によるフォトスキャンの3次元モデルの練習として、弁財天厨司の多重撮影を試みました。
<ドローン撮影>
ドローンを用いての初めての野外撮影、ということで、許可をいただいている大雲院境内の中で鐘楼を目標にして飛行&撮影を試行しました。初の学外での運転ということで、緊張しましたが、見事にドローンは空を飛び撮影に成功しました。限界高度まで飛ばすと、本堂をまるごと撮影できます。高度や角度を変えての撮影もお手の物で、これからの活躍が期待できます。ただし、ズーム機能がよく理解できませんでした。


↑鐘楼 ↓本堂


<弁財天厨司>
弁財天はもとはヒンドゥー教の女神が仏教に取り入れられたもので、七福神の一柱として知られ主に芸能上達のご利益があると言われる。天台宗の開祖最澄が祀ったとされる伝承があり、また大雲院と同じく徳川に縁のある上野寛永寺にも祀られている。


今回撮影の際に前回まで同様に全体をぐるっと一周とってから細部の撮影に移ろうとしましたが、「遅い」とのことで撮影を教授にまかせる形になってしまいました。フォトスキャンを実践してるブログを見て全体像で撮っている写真が多いのでそのままその通りにやっていましたがどうせソフトが繋いでくれるのだから最初から細部とってしまった方が時短になると、なるほどと思いました。
また、この厨司の中には弁財天の銅像の他に灰仏(護摩の際にでる灰を型で固めた小さな仏像)が入っており、そちらを取り出して撮影させていただきました。


<懸仏>
元三大師堂の鴨居上外側にかけられている懸仏(かけぼとけ)の多重撮影をしました。懸仏は御正体の形式の一つで、大雲院のものは円形板に鋳造の銅像を取り付けたタイプですが、一般的な仏像やその台座だけでなく密檀や狛犬を表した鋳造が取り付けられており、極めつけに徳川三つ葉葵の家紋があしらわれている。この懸仏は鳥取東照宮拝殿向拝にかけられていたもので、神仏分離により大雲院が保管することになったものである。鋳造(狛犬、鬼面?)自体に塗装がなされているのは珍しい。とくに注目すべきは青く塗装された狛犬の頭部で、一本角が生えている。ご住職のお話によれば、鳥取の「麒麟獅子」のルーツではないかとのことです。(キム3号)



