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2016居住環境実習・演習(Ⅱ)期末発表05

おか画像1 図1


2-2 実測・作図演習の中間成果
 (1)旧小倉家住宅主屋・土蔵


 図1は旧小倉家住宅主屋1階平面の野帳である。1階は水田さんが実測を担当した。1階はとくに増築部分で、柱が見えない箇所が多く採寸が大変だったそうだ。


おか画像2 図2


 図2は主屋1階平面をCADでおこしたものである。1階にはL字型の土間があったが、いまはフローリングされている。畳座敷などに土間の痕跡を残している。土間を除けば一列に部屋が並んでおり、規模が大きくないが分かる。一般庶民階級の住まいであったと思われる。


おか画像3 図3


 中間報告でも発表したが、玄関に入ってすぐに大引・根太天井が組まれ、丈80㎝ほどの、指物が渡されている。そして、建物の西側には、地蔵が接している(図3)。


おか画像4 図4


 図4は旧小倉家住宅主屋2階平面の野帳である。谷口さんが実測を担当した。細部まできれいに描かれている。


おか画像5 図5


 図5は2階平面をCADでおこしたものである。旧小倉家主屋2階は畳座敷が3室並ぶ続き間で、階段上がりの部分に小部屋の洋室をもうけており、昭和7年頃の流行を知ることができる。奥の座敷には、床・棚・付書院をもうけている。今後の旧小倉家住宅主屋の補足調査の課題は、採寸漏れの補足、天井の形式と方向の記載、畳のしき方の確認、引違建具の枚数、長押配置の記載、部屋名称の記載である。


おか画像6 図6


 図6は旧小倉家住宅土蔵1階平面の野帳である。武田さんが実測を担当した。小倉家土蔵は、中2階の平入形式である。間取りは1階・2階ともにかなりシンプルで、実測・採寸は比較的簡単で、描き易い平面であった。


おか画像7 図7


 図7は土蔵1階をCADでおこしたものである。1階には壁沿いに3つの棚があり、窓はハメ殺し窓と引き戸の2重構造になっている。また、ベニヤ板の内側の壁構造については類例を参考にし、柱に貫が通り、その貫の間に外壁の内側面があると推定しており、柱は半間ごとに配置した。


おか画像8 図8


 図8は土蔵2階平面の野帳である。全体平面の実測は岡﨑が、窓・柱などの細部は吉田君が実測を担当した。


おか画像9 図9


 図9は土蔵2階平面をCADでおこしたものである。土蔵2階は、階段室の部分が吹き抜けとなっており、窓や壁の構造は1階と同じである。今後の旧小倉家住宅土蔵の補測調査の課題は、寸法漏れの補測、床板の数、外壁の厚さの再確認である。


おか画像10 図10


 図10は土蔵断面の野帳である。実測は院生の吉田さんが担当した。中間報告で発表したように、屋根構造は、壁付きの部分で和小屋、中間部分で登り梁を使い分けている。この断面図では、登り梁の構造を見ることができる。庇などの細部を引き出す手法など、とても参考になる。今後は、8月上旬に補測調査を行い、平面図を完成させていく予定である。

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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