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大雲院と鳥取東照宮(ⅩⅩⅣ)

 8月30日の調査続報をお届けします。わたしは主に麻原くんの鰐口計測の補助をしていましが、空いた時間に大雲院本堂、大師堂の仏具の「徳川三つ葉葵の家紋」の調査を行いました。今回は①本堂: 磬机、左右脇机、密檀上香炉、華瓶・香炉・燭台の三つ具足 ②大師堂: 護摩壇上香炉、三つ具足 ③共通: 鼓三宝、湯呑み の調査です。

三つ葉葵家紋数
・本堂  磬机⇒46ヵ所、左右脇机(左右共通)⇒86ヵ所、密檀上香炉⇒4ヵ所、三つ具足(華瓶⇒4ヵ所、香炉⇒1ヵ所、燭台⇒2か所)、角香炉⇒4ヵ所
 磬机と脇机のものは塗装の剥離具合や彫りの埋もれ具合に差はあれど、ほぼ同じデザインであり、同年代のものだと推測されます(※左脇机と磬机はセットのもの)、同様にセットである三つ具足もほぼ同じデザインになっています。大師堂のものも同様ですが密檀(護摩壇)中央に置かれる香炉では、表面に彫られているのではなく、煙の出る穴で三つ葉葵をあしらっています。また、蓋の上部にあるものはそのまま三つ葉になっているのですが、側面にも葉がばらばらに3枚あけられており、3ヵ所あわせて三つ葉葵を表すという珍しいものになっています。


160830磬机家紋 160830磬机金具 磬机   160830脇机家紋 160830脇机金具 脇机

160830香炉 香炉

本堂:三つ具足
160830華瓶1 華瓶   160830三香炉 香炉(三つ具足)   160830燭台 燭台

160830角香炉 本堂 角香炉(本堂美波)


・大師堂 護摩壇上香炉⇒4ヵ所、三つ具足(華瓶⇒4ヵ所、香炉⇒3ヵ所、燭台⇒なし)
 護摩壇の香炉は本堂密檀のものと異なり、蓋上部の三つ葉葵が崩された形で開けられている。また、こちらの三つ具足は華瓶、香炉が本堂のものと同じであるのに対して、燭台には三つ葉葵が彫られておらず、燭台のみ別のもの(破損かなにかしらで後から補充された)の可能性がある。

160830香炉(大師堂)   160830香炉(大師堂2) 香炉(大師堂)

大師堂:三つ具足(燭台は家紋なし)
160830華瓶2縦 華瓶   160830三つ香炉2 香炉(三つ具足)

160830角香炉 大師堂 角香炉(大師堂)


・共通   鼓三宝⇒5ヵ所、湯呑み⇒1ヵ所
 鼓三宝は仏像や厨司の前にあり、御供え物などを置くもので、足の部分の形が鼓(太鼓の一種)ににてることからそう呼ばれるようになった。(キム3号)

160830鼓三宝 160830鼓アップ 鼓三宝   160830湯呑 湯呑み

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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