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旅人よ

 塩谷定好記念館で50代最後の演奏を終えたと書いたのですが、じつは愛媛の「男はつらいよ」講演の最後に「男はつらいよ」を歌わせていただくことに決めておりました。それが延期になってしまった。その代わりというわけではないんですが、昨日、京都府木津川市で「旅人よ~夕陽は赤く」のメドレーを弾き語りしました。本当は還暦を過ぎてからにしたかったんですが、この12日に事態が急変してしまった。倉吉調査のあと学生たちと一杯やっていると電話があり、ただちに帰省せよとのお達しでして、酔っぱらい運転するわけにはいかないので、ケントに奈良まで送ってもらいました。ありがとう、助かりました。

 小学生のころ、6歳年上の兄が加山雄三のSPレコードをたくさん買って聴いていたので、そのおこぼれに預かり、ポップス系音楽に開眼していきました。さらにその兄が白いエレキギターを買ってきて、ときどき触らせてもらようになりました。加山雄三はもちろんのこと、寺内タケシやベンチャーズなどテケテケ・サウンド全盛期です。これがギター小僧としての私の出発点です。
 来たるべき日のために秘かに練習し、微妙にアレンジを調整していたのですが、声にだして歌ってみると、心揺れる傾向があり、本番に不安を抱えていました。岩谷時子の歌詞に心が折れそうになるのです。しかし驚いたことに、昨日はメンタルが安定していました。声が震えることも、伴奏のミスも一切ありません。ここまでパーフェクトに演じきった経験はないですね。そのことを夕方の城好で話すと、患者はあっさり言います。おばあちゃんのおかげよ。
 娘は「おばちゃんが泣いていたよ」と教えてくれました。おばちゃんとは私の姉です。そういう周りの風景を視る余裕まではなかった。近視と老眼と緑内障に苦しむ1.5個の瞳で、美しいが覚えにくい岩谷時子の歌詞の文字列を追っていたからです。

   お聴き、はるかな空に鐘が鳴る。
   遠いふるさとにいる母の歌に似て。(旅人よ)
   
   君よ眠れ、また会う日を
   夢みるような星あかり。(夕陽は赤く)



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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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