大雲院と鳥取東照宮(ⅩⅩⅥ)


年輪撮影大型カメラの試撮(2)
10月25日(火)。午後から曇後雨の予報で、居住環境実習・演習(Ⅱ)は立川の町並みスケッチを断念し、大雲院の美術品視察となりました。まずケント先輩が「大雲院の建築と建築厨子」と題するミニ講義をおこないました。修士課程1年次の中間報告と2年次の中間報告をあわせて圧縮した内容です。その後、住職自ら学生をご案内いただき、現場で美術品を解説していただきました。2年生には少し難しい内容だったかもしれません。

私は年輪測定用大型カメラの操作を試行しました。研究室としてはこれが2度目です。前回は大師堂の須弥壇柱(欅)と本堂外陣柱(杉)を撮影しまたが、今回の対象は、昨年ウィグルマッチで年代測定した本堂内陣の面取角柱です。実習の最後に年輪測定の方法を実演・説明しました。心材(アカミ)と辺材(シラタ)の関係を前提にして、シラタにふくまれる最外年輪が1690年あたりを示した。辺材より外側に10~20年あったとすれば、伐採年代は1700~1710年ぐらいになるので、享保六年(1721)の棟札年代に整合することなどを先生が説明すると、学生たちは頷いて聴きいっていました。
下の写真が年輪測定用の大型カメラで撮影した画像です。柱に刻み込まれた年輪の溝がはっきりと見えます。ただし、心材と辺材の境は普通の一眼レフカメラよりわかりにくくなっているかもしれません。
感想としては、従来のカメラより明暗のコントラストがはっきり映えるカメラであると感じました。そのため被写体にかかる光源はある程度抑えた方がいいのかもしれません。フラッシュを焚いて撮影した場合は白っぽい写真になってしまいました。ある程度被写体から距離を離すと画像の白みは抑えられるのですが、接写する場合はフラッシュは焚かない方がいいでしょう。その場合、三脚とレリーズが必要になります。心材と辺材がくっきり判別できるような写真はまだ取れてないのですが、木材の種類によっては、境界の見え方が変わるみたいです。そのため被写体となる柱の材種が何であるか調べて、撮影する方法を変えるのがいいかもしれません。

