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グルリンポチェがやってくる(2)

グルリンポチェがやってくる p06 グルリンポチェがやってくる p07 p.6-7


 「グルリンポチェはほんとうにやってくるの?」
  イエシェンちゃんは知りたいのです。
 「そう、そうだよ。」
  ドルマおばあちゃんはすすけた床をみがきながら答えます。
 「どうしてグルリンポチェがくるってわかるの?」
  イエシェンちゃんは知りたがりなんです。


グルリンポチェがやってくる p08 グルリンポチェがやってくる p09 p.8-9


 「だって、グルリンポチェは月のこよみの
  4月10日※7にやってくるからよ※8。」
  ドルマおばあちゃんはまどわくのそうじをするために、
  あまどをあけながら答えます。


グルリンポチェがやってくる p10 グルリンポチェがやってくる p11 p.10-11


 「なんでこんなにいっしょけんめいおそうじするの?」
  イエシェンちゃんはヘヤというヘヤの床をみがきながら、ふしぎに思って声にだすのです。
 「グル・リンポチェをおむかえするために、おうちをきれいにしているからよ。」
  ドルマおばあちゃんは答えます。


グルリンポチェがやってくる p12 グルリンポチェがやってくる p13 p.11-12


 「みて、みて、アイエおばさんはやねうらまでおそうじしているし、
  デチェンはおうちにあるものをみんなあらうために
  学校をやすんだのよ。」                   {槇野}


【注】
※7 原文: The tenth day of the fourth lunar month
 直訳すると「4番目の太陰月の10番目の日」であるが、読みやすくするためにこう訳した。
 太陰月とは朔望月ともいう。朔(新月)から次の朔まで、または望(満月)から次の望までの平均時間は約29.53日。

161030 ※7 太陰月
https://kotobank.jp/word/%E5%A4%AA%E9%99%B0%E6%9C%88-556394 (コトバンク)

※8 グルリンポチェがやってくる日
 現在でも世界の中心である須弥山のさらに上方にあるサンドペルリ宮に住むグルリンポチェは、毎月10日に法要がおこなわれるツェチュの場所に戻ってくると信じられている。ツェチュは、ブータン中の仏教僧院で毎年おこなわれる祭礼のこと。太陰暦で月の10日目にあたる日を祝う宗教的行事。ツェチュとは「月の10日」を意味し、グルリンポチェの生涯で起きた12の重要な宗教的事件がいずれも月の10日であったことにちなむ。

161030 ※9 ツェチュ 提供:ブータン政府観光局
http://www.gnh-bhutan.jp/area/fes.html
(ブータン旅行・観光ならGNHトラベルアンドサービスにおまかせ!)
http://www.travel-to-bhutan.jp/activity/tshechu (ブータン政府観光局 公式サイト)


【連載中のサイト:グルリンポチェがやってくる】2年
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1364.html
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1384.html
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1385.html
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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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