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壁の花

 蹴球酒場でBGMに60~70年代のポップスが流れてきた。声が低く皺枯れていて、男性歌手だと思い込んでいた。イーグルスの「デスペラード」、カーペンターズの「スーパースター」からギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」と進んで心地よくなり、思わすマスターに「これっ、ロッド・スチュアート?」と訊ねたのだが、主人はキョトンとしている。

   「ダイアナ・クラールですよ・・・」

 老いたものです。ダイアナ・フリークのわたすがダイアナ・クラールの声と音楽を認知できなくなっている・・・手渡されたジャケットをみつめ、最近(2015)の作品であることが分かり、さっそくガラケーに wall flower とメモしてPCアドレスに送信した。
 帰宅後、アマゾンで作品を検索すると、日本語版ジャケット『ウォールフラワー』にはじつに114件ものカスタマーレビューが入っている。ついに『ルック・オブ・ラブ』『ライブ・イン・パリ』を凌ぐ作品に仕上がったのか。曲目リストをみると、60~70年代の大ヒットがずらりと並び、しかも、その締めがニール・ヤングの「孤独の旅路」となっていて、そりゃもう即買い、爆買いだぁ・・・とはいかなかったのね。邦版は高いので、USAから中古版をとり寄せることにした(まだ届いていない)。

 問題はアルバムタイトルの「ウォールフラワー」という曲です。これが驚いたことに、ディランの作品なんだ。まったく知らなかったので、少し調べてみました(英語版ウィキペディアの要約)。

  「ウォールフラワー(Wallflower)」はボブ・ディランが1971年11月に作詞作曲し録音した歌だが、ディラン自身の録音は20年後の『海賊版シリーズ』vol.1-3(1961-91)の一部として初めてリリースされた。同じ1971年録音の別テイクは2013年に『海賊版シリーズ』vol.10「もうひとつの自画像(1969-71)」でリリースされた。1972年10月、この歌はダグ・サームによって録音され、ディランはバック・コーラスで参加している。ダグのデビュー作『ダグ・サーム&バンド』に収録され、1973年にリリースされた。以来、多くのアーティストにカバーされている。

 どこか聞き覚えのある曲のように感じるのは、デビッド・ブロムバーグの『ニューヨークのおたずね者』(1974)に収録されていたからかもしれない。否、ムッシュの「どうにかなるさ」に似ているからかな。あるいはまた、勝手な妄想ではあるけれども、曲調としてはトム・ウェイツに似合うような気がしている(カバーしているかどうかは不明)。
 ダイアナのアルバムはまだ届いていないが、もちろんユーチューブで「ウォールフラワー」を聴くことができる(↓)。シンプルなカントリー風のワルツですね。歌詞の意味が分からなくても、なぜかジーンとくる。ディランの隠れた名曲だ。 【続】



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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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