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嬉し恥ずかし懐かしトカイ

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 東欧ツアーの最後、ブダペストに2泊した。トカイ・ワインをなんとしても買いたかった。30歳で就職を決めたとき、ある大家からお祝いにいただいたのがトカイ・ワインだった。現地語のスペルは TOKAJI なので、当時はトカジと発音されていた。よく知られているように、十勝ワインはトカジワインをもじったブランド名である。そうしたこともあって、どうしてもトカイ・ワインを買って帰りたかった。
 土産物店で酒類はすこぶる高く、酒の専門店を探した。繁華街の小路でみつけた店でトカイ・ワインとパリンカ(果物焼酎)を買い込んだ。なかなかいい値がする。
 トカイ・ワインにはスィートとドライの両種があり、もちろん私は後者を欲した。店主が最初紹介したのは14,000フリント(6,500円)の最高級ドライだった。パリンカ2本とあわせると、手持ちのフリントがたりなくなった。結果、半額のトカイ(2000年)に差し替えるしかなかった。普段3,000円以上するワインなど飲むことがないので、大事にあつかった。衣服とビニール袋とタオルでぐるぐる巻きしてスーツケースに納め、カタール航空のチェックインではフラジャイル(割れ物注意)の赤札をつけてもらった。
 おかげで無事日本にもって帰ってきたのだが、帰宅後、ケントのトカイと私のトカイが入れ替わっていることに気づく。わたしのは2000年、ケントのは2003年で私の半額であった。大学で交換した。


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 3連休の中日、東京&大阪タラレバ娘を引き連れ、グランマルシェへ。山羊チーズ、サラミ、パンを買い込んだ。すべてはトカイ・ワインとの相性を考えてのことである。夕食のはじめに自ら栓を抜く。乾杯後、口に含み、唖然とした。甘い。上品な甘さでタラレバたちは美味しいと誉めてくれたが、わたしと息子は困惑した。息子は「食前酒としてはいいよ」とフォローしてくれたが、わたしは納得できなかった。あの懐かしい味が微塵も感じられない。
 一杯だけ飲んだ後、男たちはスロバキアのボロヴィッカ(Borovicka)に切り替えた。ジュニパーベリーを数粒放り込んだウォッカで、むしろジンに似た味と匂いがする。息子はこのスピリッツを気に入っている。必ずソーダ割りにする。老夫婦は、東欧の慣習にしたがい、グラスお猪口(ショット・グラス)にストレートを注ぎ、チェイサーに炭酸水をつける。
 最後は、いつものブラックニッカ・・・ではなく、ブラックニッカのリッチブレンドでハイボールにした。たまたまグランマルシェでみつけた「ブラックニッカ誕生60周年」記念ボトルである。値段は角瓶より少しだけ高い。飲んだ感想はというと、なぜか普通のブラックニッカに哀愁をおぼえてしまう。B級の味はせつない。


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↑右はホーロッケー村(ハンガリーの世界遺産)で仕入れた酒瓶

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↑半年遅れで赤くなった珈琲豆

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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