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男はつらいよ-ブータン山寺放浪記(3)

0326愛媛01法蓮寺0本堂外観01web 上林の棚田


酔って候

 3月26日(日)、曇。明らかな二日酔い。最終日はJRで伊予大洲を訪ねる予定にしていた。シリーズ第19作『寅次郎と殿様』(1977)の舞台となった城下町である。前日の講演で「寅次郎と殿様、ご覧になりましたよね?」と客席に問いかけると、ほぼ全員が首を縦に振った。トリスバーのマスターから「嵐寛寿郎最後の映画」だと教わっていたので、そのまま科白を拝借。講演で知ったかぶりした。また、「大洲までJRで行くなら鈍行に限る、風景がいいから」というアドバイスもいただいた。講演後には、会場に残った男性が「大洲に行くなら菜の花の綺麗な道がある」ことも呟いておられたが、「JRで行きます」と告げると、「それじゃ無理だ・・・」と残念そうに口を濁された。


0326浄瑠璃寺01本堂01 浄瑠璃寺(46)


 二日酔いで朝から苦しい。嘔吐感もある。どうしたもんか、と思案にくれているところにMさんからの電話が鳴る。

  「おぉい、パソコン、忘れとるで・・・」

 充電器(ACアダプター)についてはしっかり確認したのだが、まさかパソコン本体を忘れてしまうとは・・・、とほほ。Mさんは昼まで法要があるから、そのあと空港までパソコンをもっていってあげようと提案された。もちろん、そんな恥ずかしいことはできない。伊予大洲行きは諦めるしかない。レンタカーを借りよう。法蓮寺までパソコンを取りに行って、そのあと札所をまわればいい。
 そう決めても、まだ体は鈍かった。なんとかシャワーを浴び、トヨタ・レンタリースへ。いつも運転している軽自動車ではなく、ハイブリッドの普通車をあてがわれた。カーナビに法蓮寺の電話番号を入力して出発。途中、手打ち饂飩の店に立ち寄り暖簾をくぐるも「準備中」。開店時間(十時半)まであと数分だった。朝からなにも食べていない。すでに嘔吐感は消えていた。今日もまたコンビニで朝飯だ。


0326浄瑠璃寺01本堂02 0326浄瑠璃寺01本堂03sam
↑ 四国八十八霊場第46番札所「浄瑠璃寺」 本堂  ↓同左「仏の足跡」
0326浄瑠璃寺02仏の足跡01 0326浄瑠璃寺02仏の足跡02sam


0326瑠璃山医王院香積寺隻手薬師01鐘楼01 香積寺鐘楼


札所巡り

 十一時過ぎに法蓮寺に到着。津野と同じように、山間集落内の道は車で走りにくく、停めにくい。しかし、曲がりくねった田舎道からみえる風景が私はほんとうに好きだ。何気ない棚田をぼぉっと眺めるだけで嬉しくなる。境内に入り、奥の庫裡まで行ってインタフォンのボタンを押す。しばらくして、フィンランド人の奥様があらわれた(Mさんは法要中)。パソコンは玄関の靴箱の上においてあった。ありがたく受け取り、寺を後にする。

 時間がないので、急ぎお遍路さんへ。しかし、車は向いていない。つくづくそう思う。寺に近づくと、旧道/山道ばかりで動きにくい。一方通行も多い。カーナビがおかしな道を教える場合もある。歩くに限るが、時間もない。


0326八坂寺03遍路
↑第47番札所「八坂寺」↓(左)宝篋印塔[松山市指定文化財](右)本堂
0326八坂寺02ほうきょういんとう01sam 0326八坂寺01本堂01sam


 まず東温市の香積寺へ。伊予十三佛霊場の第七番札所で、別名「隻手薬師(かたでやくし)」と呼ばれる。その由縁は、手の悪い人が一方の手だけで薬師如来を拝んでいたら、もう一方の手が治ったことにあり、片手で拝んでも御利益があると信じられてこの名がついた。本堂は大きなコンクリートの建物で、木造の鐘楼が目につく。
 その後、松山市側の四国八十八ヶ所霊場の第46番「浄瑠璃寺」、第47番「八坂寺」、第48番「西林寺」をまわってタイムアップ。浄瑠璃寺と八坂寺は本堂・大師堂とも木造だが、あきらかに近代の建物。西林寺は本堂・楼門(↓)の絵様が古めかしく、18世紀に入るようにみえた。


0326四国札所第48番「西林寺」02楼門01 0326四国札所第48番「西林寺」02楼門03doc


燃えよ、今治!?

 愛媛では今治が熱く燃えている。岡田武史がFC今治のオーナーになったから・・・ではない。二番町は加計学園の話題でもちきりだ。ここ数日、国会でも質問が繰り返されている。国家戦略特区における岡山理科大学や千葉科学大学などの疑惑は「第2・第3の森友学園問題」と言われるが、はるかに大規模な利権に絡んでいる。森永に裏切られた森友など「氷山の一角にすぎない」という見方のほうが正しいかもしれない。とすれば、日本の政局はまもなく隣国的カオスに陥る危険性がある。えらいことだ。
 今治市と言えば、ケントの新しい職場である。彼はこういう政治問題に疎いので、関連サイトなどをまとめて送信してやろうとも思ったのだが、やめておきます。ネット上の情報など検索すれば済むことだから。何も知らないほうが良いときもあるだろうし、知って知らないふりをするのが上策のときもある。 【完】


0326四国札所第48番「西林寺」02楼門02
↑四国八十八霊場第48番札所「西林寺」楼門(上2枚も) ↓同本堂
0326四国札所第48番「西林寺」03本堂02web 0326四国札所第48番「西林寺」03本堂01細部sam

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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