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立川~樗溪の町並み調査(9)

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自転車にのって

 5月2日(火)。大雲院で打ち合わせを終え、境内背面の立川4丁目に建つ楠城醤油屋さんにも挨拶に上がりました。昨年11月、町並み調査中に紅茶を差し入れて頂きました。つるべ落としの肌寒い午後の調査だったので、とても体が温まりました。本当にありがとうございました。
 さて、私とみひろさんは町並みを卒業論文のテーマにする予定です。馬声のように嘶いては顰蹙をかったつくつくぼうし変態種さん*1の卒論を見なおし、立川・倉吉・上方往来などの町並み研究を前進させたいと思っています。
 醸造家奥様のお話によると、醤油屋さんは明治33年開業の老舗です。大雲院周辺の町並みの中で核になる建物のため、是非実測を行いたいと願い、交渉を始めたところです。平屋に近い中2階の町家ですが、庇が他の町家より長く奥行1間以上あり、2階の窓が低くみえます。正面には結構大きな改修があったのかもしれません。


CIMG8529.jpg


海鼠壁と見越しの松

 醤油屋さんの隣には、松が印象的な町家があります。この松は「見越しの松」と言って、海鼠壁とともに一家のステータスシンボルだったそうです。先週のゼミ活動で見学した吉田璋也写真展(@仁風閣)でも、松のある風景写真が特集されていました。町家は、垂木まで漆喰で上塗りされている土蔵造りであることが分かります。海鼠壁と合わさって、防火性が高い町家の代表格で、苗字から察するに登録文化財「吉村家住宅」の親類縁者なのではないか、と思われますが、空家のようにみえます。ただし、見越しの松を初めとする植え込みの剪定はしっかりなされています。この町家も実測調査の有力候補ですが、それが叶わなくともフォトスキャンによる正面図だけは作成したいと思っています。
 昨年の研究を発展させるために、日焼け対策をばっちりして今後の調査を頑張ります。(ぱでぃ)


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↑見越しの松と海鼠壁


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↑右: 鬼瓦・熨斗(のし)瓦・面戸(めんど)瓦・鳥衾(とりぶすま)の納まりがよく分かる。


注*1  馬の嘶きのように聞こえるツクツクボーシ変態種の泣き声は以下のよう。

   ばひぃ~ん、ばひぃ~~ん、ばひゅるる~ん
   ばひぃ~ん、はひゅるる~ん
   つくつくばひぃ~んし、つくばひぃ~んし
   つくつくばひぃ~んし、つくばひぃ~んし

 

↑↓上下とも初めて聴きました・・・

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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