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飛鳥ファイナル(1)

0713飛鳥05


箸置きの石

 6月下旬の初めころ、弥生町の小料理屋「飛鳥」から久しぶりに電話があった。どうしたことか、と問えば、

  7月22日で店を畳むことになったの・・・

と女将は答える。76歳になる大将の塩梅がどうにも思わしくなく、店を閉める決断をしたのだという。「飛鳥」は2001年の開学から十年ばかり、鳥取の夜の生活を支えた両極之一である。いま一つの極が薬研堀の茶屋であることは『薬研堀慕情』を愛読された方ならよくご存じであろう。あの茶屋もいまはない。
 連絡直後にいちど飛鳥を訪れた。改めて気づいたのだが、こういう小料理屋は澱粉カットに最適である。基本は魚・野菜・山菜であり、シメさえも低糖質な蕎麦やところてんを用意してくれる。美味で健康的な有り難い食の場所であることを痛感した。


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 このページに並べた写真に映る石と珊瑚の箸置きはすべてわたしが集めてきたものだ。スコットランドのスカラブレー、ネパールのヒマラヤ山麓、マクタン島のビーチ、アルバニアの湖岸等々、わたし自身懐かしい思い出の品々だが、その想いは女将も大将も同じようで、「店を辞めても家にもって帰って記念にする」と言ってくれる。
 13日の木曜夜、再び飛鳥の客となった。いつもならジムで短いトレーニングをするル-チンなのだが、残された時間は少ないので、ジムを放棄した。暖簾をくぐれば、自然の箸置きに再会できる。それも来週までとなったわけだが。
 来週は、お気に入りの濁り酒をわたしが取り寄せ、酒盛りすることが決まっている。閉店は週末だが、酒盛りは水曜。飛鳥は酒菜、わたしは酒の用意を今から進めている。



 飛鳥を出て久しぶりに茶屋をひやかした。薬研堀の茶屋は店を畳んだが、その遺伝子は受け継がれ、いま鮎殿は別の茶屋の女将として君臨している。ずっと顔を出していないので、ふてくされたような顔をしてみせたが、客は満席に近く、「旦那は相変わらず招き猫ですね」と微笑む。あまりにも客が多くうるさいので席を立とうとすると、引き留められた。暇をもてあまし気味になり、初めてのカラオケを二曲唱って時間を消費した。ダイアナ・クラールもどきのスタンダードである。

   ①ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」
   ②ニール・ヤング「孤独の旅路」

 ①はそこそこ聞いてもらえたが、②は拍手の一つもおこらなかった。この2曲を含むカラオケ機は最高レベルのものらしい。満足でした。


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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