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トンレサップに帰ろう(3)

0714西04発表01 0714西04発表02sam


ポスターセッション

 7月14日(金)午前、母校でのポスターセッションを一般参観した。GSH課題に取り組むグループはじつに107班に及び、そのうち3班(67・68・69)がトンレサップ学校建設プロジェクトについて発表した。5月24日の指導時と同じで、67・68の2班は筏住居系、69は高床住居系のコンセプトを採用していた。驚いたことに、3班すべてが模型まで完成させていた。
 模型については、指導教員と生徒代表1名が、ハロン湾調査で大活躍した岡垣くん(市教委)の指導を受けたという。5月24日にパワポをみせた甲斐があり、筏住居系のプランにはカイヤンの養魚槽が導入され、便所の排泄物との循環を提案していた。


0714西04発表03 0714西03パネル01


 半時間ごとに奇数班と偶数班に分けて発表があった。3班とも、堂々とした立派な発表でした。5月24日の段階では、正直「厳しい」と思っていて、ポスターの作成に全力をあげ、模型制作は断念したほうがいい、とアドバイスしていたのだが、なんのなんの、模型まで仕上げて見事だと感心した次第です。
 大学(本学)と決定的にちがうのは、発表のスタイルです。本学の場合、パワポなどのパソコン・スキルを活用して、できるだけグラフィックに見せることに重点をおくものの、発表自体はカンペの棒読みに近く、内容に対する理解が深いかと言えば疑問符がつく。一方、母校はポスターが手書きでグラフィックにはほど遠いが、自分たちで練り上げたアイデアに対する理解が深く、発表もカンペをチラ視することなく、フリートークに近い自信に満ちたものであった。研究者として、どちらに好感を抱いたのかと問われれば、残念ながら、母校のほうです。独創性があって理解が深く、それをわかりやすい表現にするほうがいい。プレゼン・スキルはその後にあるものでしょうね。


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 いくつか気になった点を追記しておく。

1)カイヤンの養魚を便所の循環に利用している点おおいに評価できる。ただ、ホテイアオイ(布袋草)
  の群落についての説明を5月にし忘れていた。水上住居のまわりには大型のホテイアオイの群落
  ができており、食用・薬用に栽培されている。学校のカイヤン養魚槽の周辺にも布袋草の群落を配
  することで、微生物による循環はさらに良好になるのではないか、と思った。
2)湖水の汚染を気にしすぎていたが、天水の利用を考えるべき。屋根の軒の四方に大型の樋をめぐ
  らせ、一ヶ所から下方に落とし、タンクにためれば生活用水になる(蒸留器で濾過すれば完璧)。
  雨量の多い地域だけに有効であろう。ちなみに、中国江南では、四合院系の伝統的住宅の中庭
  に配して、樋の雨水を大きな水瓶に注ぎ込んで貯水し、その雨水はカマドでの調理に使われる。
  これゆえ、住宅の中庭は「天井(てんせい)=sky well」と呼ばれる。
3)建築的には、平面が気になった。「学校=教室」の発想に終始していたが、ほかに教師控室兼
  事務室、公共室などを配するべきであり、それらすべての建物が養魚槽を囲い込むような配置
  が良かったかもしれない。中庭(天井)の役割を果たす養魚槽に面して回廊がめぐり、教室・
  事務室・便所等が連なるような配置。建物群の外側にも回廊・デッキをめぐらせ船着場とし、
  その外構エリアにはホテイアオイを栽培して緑化する。
4)屋根はフラットや緩傾斜のものは環境に適応しているとは言えない。一定の勾配を確保しないと
  雨漏りが発生する可能性が高い。


0714西01 0714西01パース01


 発表後、若い講師らしき人物が「学校はなぜ要るのか、いまあるのか、人口・世帯数はどれぐらいか」などという質問をくどいほど繰り返すので、仕方なく、割って入った。
 トンレサップの場合、メコン川経由でベトナム系の家船居住民が毎年流入しており、チョンクニアスにおいては、いちばん外側の第6居住区に群落を形成している。これらの漂流民の動態は不透明きわまりなく、政府でさえ実数をつかめてない。そして、それら漂流民の子どもたちが学校に通っているとは思えない。だから、学校が必要だという言い方もできるかもしれないし、5月に述べたように、安易に学校を作るのは控えたほうがいいのかもしれない。 
 かの若い教師?の場合、自ら一定の情報や回答をもっているとは到底思えないのに、高校生に対して返答に窮する問いつめを繰り返した。その問答を外側からみていると、生徒諸君は大人の対応に徹し、教師?はいじめっ子のようだった。それだけ生徒諸君は立派だということです。
 トンレサップの研究に取り組んでくれた後輩たちを誇りに思う。


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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