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稲常の町並み(1)

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豪農の屋敷と集落

 7月25日(火)。午前9時から1・2年生の「寅さんの風景」発表を聞き、まもなく4年ゼミに以降。先生も疲れたようで、喫茶店に移動し、全員でモーニングサービスを食べながら、夏休みをどうするかについて話し合いをしました。その際、後期2年の実習演習Aの下見を兼ねて、寅さんロケ地再現で二度訪問した稲常に向かいました。


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 まず田圃に近い道を歩きました。背の高い大きな土蔵が軒を連ねています。これまで河原や用瀬の蔵通りの撮影やスケッチをしてきましたが、それらの宿場町では蔵通りは裏通りであり、表通りに町家の正面があります。稲常でもそうなのだろうと思って、表どおりにあたる道を探すのですが、結局みつかりませんでした。稲常は農村集落であり、どの屋敷も表側の門の両脇に蔵を配していることが分かりました。裏通りは存在しません。家の正面に大きな蔵を配するのは、財産を誇示するステータスシンボルであろうと思われます。


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 蔵と蔵の間に門があり、門の前には大きな前庭を配しています。こうした蔵・門・庭の構成、さらには敷地の広大さをみると、稲常の農家は武家屋敷に近い豪農の住まいであるように思いました。ただし、建築年代はやや新しいかもしれません。門の脇の土蔵壁に貼り付いた出格子の彫刻や絵様は非常に派手なつくりとなっており、戦後にまで下る可能性があります。農家の建物に格子をつけること自体、本来ありえないのですが、都市住宅の影響がでていること自体、建築年代が新しい可能性が高いと思われます。
 坂を登って行くと、一番奥に荒壁の土蔵があり中に犬がおり、開いた戸から顔を覗かせていました。
 このあと、ゲリラ豪雨に降られて全員びしょぬれになりながら急いで車まで戻りました。大雨の中、河原町を通って帰る途中に河原城の駐車場まで車で登りました。次に河原を訪れたときには河原城から河原町の全景を撮りたいと思います。 (みひろ)

 
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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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