パリンカの夢(15)

居住環境実習・演習(Ⅱ)期末発表会 その1
7月26日(水)、表記の発表会が開催されました。ASALABは3研究室のうち2番目で発表しました。構成は以下のとおりです。
1 パリンカの夢-中間報告復習
1-1 パリンカとは何か
1-2 日本の果実酒とパリンカの比較
1-3 なぜ梨パリンカなのか
2 佐治農家に学ぶ
2-1 佐治農家との対話
2-2 どぶろく特区の誕生
3 産業技術センターでの実習
3-1 蒸留実験
3-2 パリンカ製作の課題(1)
4 パリンカ特区にむけて
4-1 石破議員との対話
4-2 味覚の評価
4-3 パリンカ制作の課題(2)
1.パリンカの夢-.中間報告復習
序は復習なので割愛します。以下を参照。
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1545.html
2-1 佐治農家との対話
帰国後まもなく、先生は鳥取市佐治町津野で梨園を栽培する農家を訪ね、パリンカを試飲し、パリンカづくりの可能性について話し合いをされた。以下は農家の皆さんの感想である。
(1)洋梨パリンカのほうがプルーン・パリンカより風味があって美味しい。
(2)アルコール度数52%は日本人にはきつすぎるが、25~30%まで落とせば売れるかもしれない。
(3)材料となる梨はいくらでも提供するが、方法は大学で研究してほしい。
2-2 佐治のどぶろく特区とどんでん返し
佐治町は規制緩和により、鳥取市で初めて「どぶろく特区」制度を最近導入した。2016年11月19日、「どんでん返し」を発売したばかりである。Iターン者も係わった酒造り特区の地盤がすでにある点、パリンカづくりの候補地として有力だと思われる。さらに付け加えるならば、佐治は過疎のため空家が著しく増加しており、そのキビヤ(納屋)はパリンカ工房(酒蔵)にぴったりの面積で再利用しやすい。


こうして、すでに規制緩和による「どぶろく特区」を誕生させた佐治農家と連携しながら、梨の蒸留酒づくりを構想しているわけだが、酒税法の問題は、もちろん無視できない。ヨーロッパではどの家庭でも酒づくり出来る国が多いのだが、日本の場合、家庭で製造可能な酒類は梅酒などの果実酒とアルコール度数1%未満の甘酒に限定される。また、酒造りの免許を取得した場合でも、製造量の最低ラインは年間6000リットル以上と規定されている。ところが、規制緩和による「酒づくり特区」が認められると、1リットルからでも製造が可能になる。この研究は、産業技術センターなどの専門機関の指導をうけながら、パリンカ特区の誕生をめざすための基礎研究である。(略)
梨ジュースの問題
わたしたちは梨のシードルを「ナシードル」と仮称している。まだ今年の梨は収穫されていないが、梨のジュースさえあれば、ナシードルを製造できる。しかし、市場に流通している梨ジュースは思いのほか少ない。入手は容易でなく、他の果実ジュースにくらべると味覚も微妙である。鳥取県産100%のジュースは高価すぎて手がでない。韓国産12%果汁が使いやすい。(あやかめ)
