恋山形駅

ピンク再考
「寅さんの風景」や「パリンカの夢」を人前でスピーチする際、しばしば鳥取県の推進する「ピンク政策」にもの申す。なんでもかんでもアイデアを出せばよいというものではなく、地域の特性に即した形で県の振興と広報を進めるべきであり、たとえば鳥取が桃の産地なら「ピンク」もありえるが、なんの脈絡もないままカレーや醤油をピンクにしたって意味はないし、売り上げが伸び続けるはずもない。あえて喩えるなら一発芸人のブレイクみたいなもので、刹那い終幕を迎えるに決まっている。
わたしのように近代化遺産の調査に係わってきた者からみれば、SLをピンクに塗り替えることなど言語道断であり、涙がこぼれそうになる。こうしたピンク政策の先駆をなした智頭線の駅舎「恋山形駅」も気になっていた。もし、安部駅や隼駅のような木造駅舎がピンクに塗られたとしたら、これはもう完全な文化財破壊に値するので異議申し立てしなければならないと思っていたのである。

台風一過の8月8日(火)、急遽、恋山形駅を訪れた。山あいにあるその駅は鉄骨構造の建物であった。正直、ほっとした。ここでクレームめいたことを書かなくて済むことを執筆者本人が喜んでいる。
ネット情報を整理すると、恋山形駅の沿革は以下のとおりである。1994年12月、 智頭線開業にともなって現在の場所に駅舎を新設。「来い山形」をもじって「恋山形駅」を駅名とする。 2013年、名前に「恋」のつく4駅(恋山形駅・母恋駅・恋し浜駅・恋ヶ窪駅)による「恋駅プロジェクト」の一環として、駅舎をピンク色に塗装替え。 2016年、 ピンク色の「恋ポスト」を設置(↓)。
滞在した半時間ばかりのあいだ人影はなかった。地元の人が満足ならば、これもありかな、とは思う。


ところで少し前、鳥取は「カレー消費全国一の県」と自画自賛していた(嘘八百だと思っていた)。この日の朝、じつはカレーの喫茶店でモーニングしたのだが、その後、関西に至るまで腹具合がよろしくない。一人ではなく、夫婦ともども。恥ずかしい話だが、吹田のインターチェンジで車を停めトイレを借りた。それが4回めの用足しであった。モーニングにカレーは含まれていなかったが、大量の野菜サラダがついていて、それにやられたのではないか、というのが当方の独断的診断である。話の流れからみれば、そのカレー屋さんがピンクならばおもしろいのだが、ごく普通のカレー喫茶である。なにぶん猛暑がひどいので、食物の足は異常に速くなる。


大島優子と恋愛できますように・・・・夢があっていいねぇ。