大雲院と鳥取東照宮(ⅩⅩⅩ)


宝塔厨子の調査再開
9月22日(金)。大雲院御霊屋本尊の宝塔厨子の調査を再開しました。5月31日以来の活動になります。この日はちょうどお彼岸の時期で、有り難いことに、御霊屋の宝塔厨子・徳川家歴代将軍の位牌が全て開かれていました。この開かれている状態を見るのはASALABでは初めてのことらしく、皆感激していました。
今回の調査の目的は、側面図の作成と採寸そして宝塔厨子の年代を調べることです。側面図に関しては、ご住職に許可を得て厨子を見えやすいように仏壇から降ろしたことで前回よりも細かいところが見えやすく、また前回正面図を書いていたことで比較的スムーズに作業を進めることができました。そして採寸は調査に同行していただいた会長の指導の下、同じく調査に同行してくれた公爵だっしょが中心となって、厨子を傷つけぬよう慎重におこないました。



宝塔厨子の内部は、中心に高さ13cmほどの仏舎利を置き、その上に高さ3.8cmほどの釈迦如来と多宝如来の二仏を並坐させ、「一塔両尊」を表現しています。その周りには8本の法華経の巻物が置かれており、今回は内部を見やすくするため、前側の4本を外していただきました。内部のつくりは見事なもので、釈迦如来や多宝如来、仏舎利はもちろんのこと、それを支える台座などとても緻密につくられ、とても綺麗に保たれています。
残念なことに、厨子の内部には年代等を記す墨書がみあたらず、製作年代を知るにはいたりませんでした。今後はこれまで収集した資料をもとに、全国各地の宝塔・多宝塔、あるいは二手先の様式を比較して製作年代を見極めたいと思っています。(OK牧場)

