「寅さんの風景」講演会 満員御礼!!


マイ・バック・ページ
10月28日(土)、河原町文化祭40周年記念講演「寅さんの風景」の日がついにやってきました。あいにくの雨でしたが、台風の影響は先週ほど大きなものではなく、客席はほとんど埋まっていました。先生の故郷、旧八頭郡河原町での凱旋講演で、同級生や親戚関係の方など沢山来られていたようです。ちゃんと準備できたのか心配になるぐらい、先生は開演前から会場内を行ったり来たりで大変です。会場は河原町コミュニティセンター(旧公民館)の大講堂で、事務局によると、来場者の数は150名を超えていたであろうとのことです。たしかに、椅子20席ばかりが途中で最後列に付け足されました。
25日(水)のゼミでは有志数名が準備のために会場入りし、設営を終えているはずでした。私は当日初めて設営後の会場を見ました。今まで1年半ほど研究室にいていろんな会場をみてきましたが、数ある講演会の中で一番大きな会場でした。ところが、当日になって机の位置を変えるだとか、音楽を流すだとか、いろいろやることがあり、学生も事務局も右往左往です。人手が足りないので、私は音響係に急遽任命され、操作のために舞台脇の2階から講演会を見守ることとなりました。
講演の構成は以下のとおりです。

寅さんの風景
千代河原と上方往来河原宿の遷ろい
0.私の寅さん-マイ・バック・ページ
1.上方往来と河原(かーばら)
2.2017前期プロジェクト研究1&3「寅さんの風景」
3.第44作「寅次郎の告白」(鳥取篇・1991)
4.ロケ再現撮影カチンコ勝負
5.私の「渡良瀬橋」
6.寅さんは文化庁に先行する
講演のイントロ「私の寅さん-マイ・バック・ページ」で使われた最後のスライドが↑です。寅さんの映像カットから始まったパワーポイントはいつしか河原の町並みになり、最後に背戸川の洗い場で遊ぶ先生の幼少期の写真になりました。寅さんを学ぶことは自分の過去を振り返ること、自分のルーツを探ることと重なりあった。つまり、「マイ・バック・ページ」を編集することであった、河原町40周年文化祭において自分の還暦記念講演をおこなえることはこのうえない幸せなことだと述べられて、本論に入られたのです。


私の渡良瀬橋
講演会の間、古写真や昔話などを懐かしむ声や笑いなどでどっと沸き立つ瞬間が何度もありました。やはり地元が舞台の話になると客席も舞台に釘付けでした。とくに印象深かったのは、森高千里の「渡良瀬橋」を自ら口ずさみながら、千代川の出会橋を「私の渡良瀬橋」だと仰ったシーンです。森高千里や松浦あやの「渡良瀬橋」を聴くたびに出会橋の風景が思い浮かぶそうです。皆様の渡良瀬橋はどこにありますか?


これと関連して、映画「男はつらいよ」における江戸川の風景の意味について、何度も言及されました。物語の後半に登場する江戸川の河川敷は寅さんが恋愛などの問題で思案にくれる場面の舞台となっています。江戸川の流れをみつめることで、寅さんは精神を浄化され、冷静になって本来の自分を取りもどします。川が場面の転換点になって物語はフィナーレに向かっていくのです。鳥取を舞台とした「寅次郎の告白」の場合、江戸川の代わりに八東川や千代川がその役割を果たしています。あるはずのない出会橋の袂に停留所を設けて別れの場所にするのも、そうした効果を狙っているのだと指摘されました。

↑中道秀俊氏撮影(1991)


A家の変遷
上方往来に沿って建つA家(先生の育った家)の変遷にも目を見張りました。それは倉吉洪水写真に映る風景とよく似た茅葺き民家だったのです(↑)。それがどんどん姿を変えていく。瓦葺き、コンクリート風の壁が最終形ですが、その家も30年近く前に売却され、いまは他人の住むプレハブ風の住宅になってしまった。ただし、昭和40年代に建てられたハナレだけは残っています。その2階が先生の勉強部屋だったそうです。本来、ハナレは街道からみえないものですが、前に建っていた小料理屋の姿はなく、道に沿うのは駐車場と空き地になっていました(↓)。会場にいたN教授は、この画像をみて泣きそうになったと後で仰っていました。最後の主催側のあいさつにもありましたように、今に残る河原の町並みを守ってくれるといいなと思いました。


↑A家(現在) ↓同級生との記念撮影

ホールの扉の外では中部地震への募金活動をゼミ生がしていました。4年2人、3年2人の4人の受付嬢です。募金箱の中に滋賀県地方自治60周年500円の記念硬貨が入っていて、かっきーさんが大学に戻ったあとにこっそり記念硬貨と自分の500円と交換していました。記念硬貨は席に飾るそうです。
講演会終了後に同じホールで体操があったので、ずっと立って見ていた体をほぐすために少し運動に参加してみました。意外と難しかったです。肩をまわしすぎて、少し痛いぐらいです(笑)。
先生は寅フェチになって2年で3回も葛飾柴又に訪れていたのですね。私も12月に東京に行く予定があるので、葛飾柴又に行こうと思います。みんな、お疲れ様でした。来月には「仏ほっとけ会」があります。また頑張りましょう。(みひろ)

↑受付 ↓音響室

↓音響室からみた風景

