十月桜(4)

FCセクストン東西対抗血戦
佐治小に着いたのは午後2時ころ。他のメンバーはすでに青(東軍)と白(西軍)のユニフォームに着替えアップしていた。わたしたちを待つ必要などなく、先にはじめておいてくれれば良かったのに・・・律儀な人たちです。わたしは東西対抗血戦のユニフォームが青・白ということさえ知らなかった。平城サイトスの赤・緑のイメージをひきづっていて、バルサのバッグの中には赤・緑・青のシャツやジャージをしのばせておいたが、白の着物はない。なんとか代用になりそうなのは、葛飾柴又で買った寅さんTシャツ(うす水色)しかなく、それを着ることでなんとか西軍のアイデンティティを確保した。それにしても、秋のイベントで寅さんTシャツは毎年活躍しますね(翌週はステージ衣装にまでのぼりつめる)。

東西対抗血戦のため7月に買ったアンブロのサッカーシューズと4号球はついに穿くことも蹴ることもなくこの日を迎えていた。ティンプーでのパジョディン登山以来、まともな運動はしていない。週末夕刻のブラブラブ散歩と週1度未満のボクシングジムでの軽いトレーニングだけで、サッカー狂いの爺どもに適うはずもなく、動きは後手後手にまわった。ボールをもっては失い、しばしば失点の源になる。戦術を馬鹿蹴りに変更した。よく言えば、ダイレクトパスさ。しかし、それにしても、他の爺どもはよく動くぞ。なるほど芝生のグラウンドでやりたがるわけだ・・・などと感心しているところで、東軍の左サイド1名がコートに倒れ動かなくなってしまった。靭帯損傷(後に断裂→手術と判明)。車から湿布薬をとってきて貼ってもらった。だから言ったでしょ、無理しちゃいけないって。気持ちだけは若いが、みんな歳を重ねているんだからね。
友人の怪我をみて、わたしはますますのんびりサッカーしようと思うにいたった。リラクシンが奏功したのか、右のアウトフロントでひっかけたダイレクト・シュートがゴールを割った。1点取ったんだ。みたか、ざまぁみろ! と調子にのって、左サイドを駆け上がろうとしたところで、あっさり前倒れ。危ない転び方だったが、九死に一生をえた(大袈裟)。もう駄目だと自覚し、以後は疑惑のレフェリーに徹しました。

↑還暦記念品贈呈(私じゃないよ)

そんなこんなで戦いは終わりました。たしか8-10でわが西軍は敗れ、2次会のビール代をすべて負担することに・・・はならなかった。東軍の温情に感謝します。そういえば、タクオが3時ころやってきて、西軍に加わってもらったんだ。みんな上手い上手いと絶賛してくれたが、師匠から言わせてもらうとですね、若いんだから、もっとぶっちぎりの力みせんかい!
夜は鹿野の国民宿舎「山紫苑」でどんちゃん騒ぎ。有難いことに、還暦のプレゼントまでいただきました。ほんとうにありがとうございます。各種授賞式があるのには少々驚きました。来年はおれがとってやる、なんて微塵も考えておりません。怪我したくない。風邪もひきたくない。これが本音であります。

全日空欠航
10月22日(日)。朝からひどい雨で、みな帰途を案じている。先行して宿を離れていったり、昼の精進弁当をキャンセルしたりする人もいた。仕方のないことです。こんなひどい雨ではどこにも行けない。が、賀露のかにっこ館へ行きました。わたしだって処女地なんですから、案内できるはずもない。それでも、敷地を歩きまわり、スナバ珈琲を探し当てた。ここで十名ばかりが雨宿り。そして、摩尼寺門前へ。送迎車組が門脇茶屋、マイカー組が源平茶屋で精進弁当をいただきました。
食事も終わろうとするころ、全日空欠航の急報あり。一同JR駅への移動を即決した。わたしは御茶屋さんと少しだけ話があったので、やや遅れて茶屋を発ったんですが、駅に着いたときには全員スーパーはくとに乗り込んだ後でした(以降の便は運休)。国民宿舎門前の朝市で買った渋抜きの渋柿を、みんなに食べてもらおうと思っていたのですが、間に合わなかった。ごめん。


その後、いったん下宿に戻り、横になったんだけど、神経が高ぶっていたのか昼寝できなかったので、体を奮い立たせてジムに行ったの。渋抜きの渋柿もジム仲間に分けました。そのあとはだらだらと選挙速報をみた。ありゃ、時間の無駄だわ。奈良1区で馬渕が落選したのには驚いたけどね。地元の感覚ではありえない出来事です。
わざわざこんな田舎まで大勢のみなさんに来ていただいたのに、 芝生のグラウンドは使えず、ラッキョウ畑の花園は歩けず、 摩尼寺は参拝できず、親ガニどんぶりには間に合わず、まことに情けない限り、、、不徳の致すところです。深謝申し上げます。
翌23日(月)、家内が難波からバスで鳥取に来る予定だったのですが、高速バスもスーパーはくとも運行中止で来鳥叶いませんでした。難波まで送った息子によると、大阪では晴れ間がみえるという。鳥取では曇り空で、わたしは新聞社をまわって広報活動していたのですが、雨粒はまったく落ちてきていませんでした。親子二人は理解に苦しみ、ポカンとするばかり。
同窓諸君の痛みを少しだけ共有できたかもしれません。 【完】

↑スタバはないけどスナバはある(いまは大きなスタバができてます)。