民家のみかた 調べかた(5)


せめるより許す心とおもいやり
12月12日(火)、4・5限の人間環境実習演習Aは今回も郡家(こうげ)にある古民家カフェにお邪魔しました。前回までに『民家のみかた調べかた』で学んだことを活かして、いよいよ平面図を作成しました。
はじめに学生4人で5部屋を分担して、ひとり2部屋ずつ描きました(重複する部屋が3室あります)。何とか仕上げて先生に見ていただくと、畳1枚を1cm×2cmではなく、5㎜×1cmで描いていることが分かりました。これでは縮尺1/200になって図面が小さすぎるので、1/100で描きなおそうということになりました。また、仏間や座敷の裏側にも部屋がありそうな気配が…


おやつの杏仁豆腐(手作りで超美味!)をいただいた後の後半戦になって、カフェの奥様にうかがうと、仏間・座敷の裏にも部屋があることが分かりました。見せていただけるかお願いすると、特別に先生だけ裏側の部屋に入って図面を描いてもよいことになりました。
全員が担当分を1/100で描ききった後に各々の平面図を描き合わせてみると、建物の全体図をはっきり確認することができました。平面図が描けたところで、今度は実測(採寸)です。柱から柱にコンベックスや巻尺を渡してみんなで協力しながら測定しました。実測のコツは「通し」で採寸することです。

最後に家の方に部屋の名前(呼称)をうかがいました。部屋の名前を質問するときのポイントは「ここは○○ですよね?」と聞くのではなく、「この部屋は普段何と呼ばれていますか?」と質問することだと教えられました。前者だと誘導的になってしまうので調査方法としてはよくないとのことでした。部屋の名前は必ずカタカナで実測図に書きこむことも習いました。
前回まで読んでいたテキストの内容を活かしつつ平面図を描いてみて、建物を目で見るだけではなく、実際に描く方が建物の空間構造をしっかり把握でき、新たな発見があることがわかりました。
次回は今回描いた実測図を清書して完成させる予定です。(谷)

↑昭和16年にこの場所で火事があり、茅葺きの住まいが焼けてしまった。旧八東町安井(?)から古民家をここに移築した。その建物は瓦葺の中二階形式であった。移築に際してどの程度の増改築が行われたのかは不明。奥の角屋も当初の物か、移築時の増築かは不明だが、屋根裏に湾曲する梁を残しており、それは隣の土間(炊事場)にまで及んでいるので古い可能性がある。

↑みんなで採寸