大根島-仏のクリスマス(1)

メリークリスマス!
22日から24日にかけて松江方面を旅していました。拠点となった場所は大根島(松江市八束)の中村元記念館です。ノエルのクライマックスを大好きな出雲で過ごしてご機嫌でした。何回かにわけて報告します。
12月22日(木)、秋晴れのような日差しで暖かい。とにもかくにも、まずは八雲庵で蕎麦をたくる。鴨汁で有名な蕎麦屋だが、通としてはザルです(↑)。ザルにも鴨汁は付くしね。空は晴々、蕎麦をくらえば心も晴れて、少し歩いて小泉八雲旧居へ。


八雲の数奇屋
小泉八雲ことラフカディオ・ハーン(1850-1904)は際立って国際的・多重文化的人生を生きた文筆家である。ギリシアの離島に生まれたが、父はアイルランド人であり、幼少期にダブリンに戻り、成長期をイングランド等で過ごし、アメリカではジャーナリストとして活躍。西インド諸島の旅行もよく知られている。日本文化との接触は1884年にニューオーリンズで開催された万国博覧会に遡る。その後、1890年に来日。英語教師として同年8月末、松江に赴任するが、翌91年11月には熊本に異動するので、ハーンが松江にいたのはわずか一年あまりなのだが、なにぶん「八雲」なる和名が古代出雲に由来し、妻の小泉セツが松江士族の娘であることから、ハーンといえば松江の印象が強い。


八雲旧居は松江城の御濠端にあり、セツと結婚後、約半年間暮らした住まいである。旧士族根岸家の武家屋敷を借家したもので、様式的には江戸時代後期の数奇屋に属し、住宅を3方から囲む庭園も見事であり、国の史跡に指定されている(熊本の旧居は県指定)。八雲はここで『知られざる日本の面影』など初期の代表作を書き上げた。建築的に細かいことを書くのは避けるけれども、こぶりながら瀟洒きわまる住まいであり、ここに住んだハーンのことをただただ羨ましく思った。
因みに、ハーンは子どものころからキリスト教嫌いだったそうである。これが、ひょっとしたら異文化社会への適応のベースなのかもしれませんね。ノエルにこんなこと言っちゃいけないか・・・

