大根島-仏のクリスマス(2)


日御碕 の 崖
12月23日(土)、さらに快晴。午前はヒマだったので、日御碕神社を訪ねることにした。40代前半、わたしの活動拠点は奈良だったが、毎夏日御碕に赴いては洲浜で石ころ投げをした。そんな日御碕をおとずれたのは十数年ぶりのことである。出雲大社以上に日御碕を懐かしく思うのは何故だろうか。海に面している風景の差異からくるものだろうと思う。衝動的に日御碕に行くことをきめるや、記憶に失せたせつないバラードが頭を駆け巡りはじめる。
海辺の紫陽花 あなたが生まれた町
さびしさを抱きしめて 今日もひとり来た
わたしは忘れない 雨上がりの午後
たがいの目に映った 密やかなふれあい
今さら あなたが 恋しいなんて


子どものころ、NHKに「銀河テレビドラマ」というシリーズがあり、家族と一緒に毎晩みていた。曖昧な記憶だが、たしか9時のニュースを受けて21:40からの20分番組だった。そのなかで今でも唯一記憶に残っているのが酒井和歌子主演のドラマであり、その主題歌が上の歌詞の曲である。ただ、番組名も主題歌名もとっくに忘れてしまっている。

↑外側から境内を一望し、これは「内裏」だなぁと思った。檜皮葺きに赤い柱という建築の色彩だけでなく、楼門がどうしてもひっかかるのである。平城宮を何年も発掘し復元調査に携わって、門の構造形式でしばしば揉めることがあった。ある時期からわたしは大極殿あるいは朝堂院正面の門が「楼門」であろうと思うに至る。出雲大社、春日大社、石上神宮など、どこを訪れても楼門が本殿の前に建っている。本来は鳥居であるべき場所に楼門を建てているのは、決して仏教建築の影響ではなく、神社の境内を「内裏」に見立てているからだろうと考え始めたからだ。日御碕もまた小さな内裏なんだと思う。

こういうときはヤホー知恵袋に限りますね。こちら をみてください。かなり詳しい情報が書いてあります。ウィキペディアを併せて参照すると、ドラマのタイトルは「崖」であることが分かった。原作は巨匠井上靖、1975年6月30日~8月7日に放送されている。1975年といえば大学2年生か。ニール・ヤングに夢中だったころだから、すでにメジャーやマイナーの7thコードなどには慣れていて、この曲の微妙なテンションと転調?の効いた構成に耳を奪われていたのでしょうね。

漠然たるイメージとして、作詞・作曲はユーミン、歌は山本潤子(ハイファイセット)だろうと思いこんでいたのですが、調べて驚いたことに、作詩:橋本淳、作曲:三枝成彰、歌はいしだあゆみでした。この曲の音源を入手するのは至難です。2002年発売のいしだあゆみ全曲集「これくしょん」(6枚組)DISC3の最後(20曲め)に収録されています。歌のタイトルは「崖」ではなく、
「崖」主題歌
というそっけないもの。アマゾンのサイトで部分的に試聴できますが、これ以外の音源はありません。ユーチューブなどの動画で歌を聴くこともできません。
アマゾンではアルバムの中古品が1点だけでていて、お値段は\12,000。レア物で欲しいけど、正直、厳しいな・・・

↑昨年の大火事で、漁村の背面(山)側が焼けつくしてしまったんだそうだ。復興は進みつつあるが、衝撃的な風景でした。あとは干物が高くなっている。カレイやキスはまだましで、イカが異様に高価であり、手がでなかった。イカが捕れないという話は鳥取の蹴球酒場で聞いたこともある。網代や田後の一夜干しが庶民の口に届かなくなりつつあるのだ。気候変動のせいなのか、隣接諸国の爆捕りの余波か。