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吾輩は猫である(3)

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六辺形珈琲店

 吾輩は猫である。名前は五月。2夜の孤独を楽しんでいる。
 大晦日は主人の誕生日。かの地は晴れて、午前から路地めぐりでシノワズリを漁る。
 吉臣酒店(アンバサダ・ホテル)からタクシーで地下鉄「衡山路」の駅まで行くと、永平里の弄(路地)再開発区が近くにある。新天地ほど大げさではない静閑な保全的再開発で好感がもてる。周辺の町並みにも、租界時代の里弄住宅が軒を連ねており、主人は貯金もないくせに「ここなら一軒買ってもいいな」などと大口を叩く。


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 いちばんお気に召したのは、ウルムチ南路の角地に建つカフェ「六辺形珈琲店 HEXAGON COFFEE」らしい。六辺形とは、角地の隅を面取りしたいびつな形状の敷地を六角形にみたてたものでありましょう。ヨーロッパの古い町並みでは、鋭角的に交差する二つの道の間に三角形平面のビルを立ち上げることが多く、日本では角地に台形平面の歪んだ町家ができることがある。これらは概念上「六辺形」なんでしょう。思い起こすのは、「寅次郎の告白」(1991)で映し出された倉吉市河原町の八百屋だ。寅さんといずみちゃんはこの角地の八百屋に泊まってばあさんの三味線で貝殻節を聞く。


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 あの八百屋のような敷地にたつ小さなカフェに目がとまり、またたくまに吸い込まれたようだ。中には猫(の人形)がうようよいる。店内は単純な長方形で、中二階の奥にプレーヤーらしき機械を置くが音楽は流していない。メニューはイタリア系で、エスプレッソ、カプチーノ、ラッテ、アメリカーノなどを提供する。珈琲以外のメニューはない。
 面積がちょうどいい。主人の物色する土蔵や長屋門ぐらいの面積で、15席程度に飲み物と音楽を提供する。ぴったりだ。開業は2004年で、すでに13年も続いているのだから、あまり好きな用語じゃないけれど、まさに「持続可能」な経営というほかなかろう。


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↑↓金田に似ている常連客
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ZENからMOSTへ

 そこから東平路まで歩いて雑貨屋をひやかした。シノワズリの陶器がずらっと並んでいる。いちばん有名な店は「ZEN」。いい値がする。主人と長女は気合を入れて、いちばん安いのシノワズリの皿を買った。隣の店は少し安め。ここでもミルク・ピッチャーなどを仕入れた。


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 そこからずいぶん歩き、歩き疲れて入ったら「MOST」というの名の日本料理店だった。安藤忠雄のような作風のコンクリート建築で、主人は落ち着かない。家族は牛丼セットと野菜蕎麦セットで腹を満たす。隣に坐った男女カップルが不思議でならない。一言も口をきかない。口をきかぬまま日本料理を食べてスマホをいじる、二人とも。女は村主章枝に似た美人で、男のほうは髪の毛が薄いが、まだ30代だろう。IT関連の社長が女(のうちの一人?)を連れて歩いているような感じ・・・チェック後店を出るとき、男がドアを開け、女をまず外に出した。ツンデレの割りにエスコートは手馴れている。


1231most01.jpg MOST


北京ダックで年越し

 そこから田字坊までタクシーで移動したが、豫園をも凌ぐ凄まじい人出に辟易し、早々にホテルに引き上げた。最後の晩餐にマルは北京ダックを所望しており、フロントの薦めに従い、上海駅(鉄道)に近い「全聚徳」に行くことにした。ここもまた大変な賑わいだったが、20分ほど待って席にありついた。大晦日の誕生日の夕食を北京ダックで祝えるなんて吉祥そのものではありませぬか。
 ところが、そこから調子にのって浦東にまで遠出すると、かつて主人を暖かく迎えてくれた環球金融中心は年末カウントダウンで数千人の行列ができ、グランドハイアットは54階のレストランはバイキングが800元/人、78階のスカイラウンジは500元/人という異常な高値であり、主人たちのような貧乏人を排除していたのであった。主人の誕生日とはそういう日なのであります。


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↑全聚徳
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↑浦東摩天楼  ↓Gハイアット54階(みてるだけ~)
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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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