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男はつらいよ-地蔵大吉

0114小倉家最終調査01 0114小倉家最終調査02sam


2列農家型から1列町家型への変化

 1月14日(日)。雪は已んで晴。どうにもこうにもQO家住宅主屋の解釈が気に入らないので、センター入試の地場からひとり離れて倉吉にむかった。河原町の五叉路について、まずはビニールハウスでお茶をいただき、お地蔵様のおみくじを引いた。
 大吉だってさ、うっしっし・・・小枝に結んだ摩尼寺の小吉は早くも浄化され、運勢は大吉に上昇したのである。倉吉まで来た甲斐があったというものだ。


0114小倉家最終調査04サッシ6枚 サッシの納まりは不規則な6枚


 いざ、QO家の主屋へ。いまパディ君が現状図の修正と復元平面図の作成をやっているのですが、間違いや書き足らない部分がみつかり、さらに前回の復元図を若干修正する必要があることもわかった。まず現状図ですが、

 1)1階表のアルミサッシ戸を均等割りの6枚引き違いにしていたが、間口4間の真ん中に半柱を立て、左側を4枚引き違い、右は2枚引き違いとする。半柱に当たるのは左側の4枚のほうであり、右側の2枚は半柱の内側に納めて、左側1間分土間に溝をとおして右側2間を開放にできる。間口2間の土間の正面が全開になるということである。
 2)土間から居間・台所にあがるL字形の板床が土間上に表現してない。

 そのL字状の板床下のコンクリート土間に床束の痕跡が残っている。その痕跡は入口まで続くわけではなく、前から2間のところでとまる。その真上に大引根太天井を受ける大梁が通る。大梁の下面には半間分だけ壁の痕跡が残る。一方、台所と座敷の境に立つ柱の土間側の面には、床束上の敷居の痕跡が残る。すなわち、東側居室部の真ん中にある居間は当初、今より半間土間側に出ていたことになる。つまり、居間は奥の座敷と同じ八畳であり、前土間に面する店は六畳(の板間?)であった。


0114小倉家最終調査05土間の痕跡01 0114小倉家最終調査05土間の痕跡02sam
↑L字形の式台と床束痕跡
0114小倉家最終調査06居間の框の痕跡
↑柱に残る敷居の痕跡
0114小倉家最終調査06居間の梁の痕跡
↑梁下に残る壁の痕跡



0114小倉家最終調査03sam 0114小倉家最終調査04サッシ6枚02sam


 この平面は、京都町家などに特有な一列3室型で、本来ならば、土間がそのまま裏側まで通ってトオリニワになっていたはずである。隣の大鳥屋(明治中期)では実際トオリニワが形成されており、居室部は2列4室になっているが、これは農家の四間取(田字形平面)を継承したものと思われる。明治の段階では平面は農家型で外観のみ町家風にしていたものが、昭和では一列3室の町家型(都市の店舗併用住宅)に変わり、さらにQO家の場合、トオリニワの簀戸より奥を板間の台所にしている。ただし、トオリニワが消滅するのは不便なので、脇玄関を介して表側土間とつながる幅半減の脇土間を設けている。
 この場合の台所は土間ではないが板間の私的領域であり、奥座敷との間にいっさい建具をいれず壁を通して空間のつながりを拒絶させている。奥座敷に入るには中間八畳の居間を介してであり、2階に上がるのも居間の壁際に設けた階段からであった。
 ちなみに、現在の台所(角屋)は昭和50年代の増築で、その際、主屋と土蔵をつなぐ屋根を通し、土蔵の内部に合板を貼ったのであろうお。便所・風呂はもとから現状の位置にあったのを昭和50年代に改装したものと思われる。

 調査が終わってビニールハウスで復元図を描きながら雑談した。なんでもハンガリー人の学生さんがうろうろされているらしく、パリンカの件もあるので、いちどお目にかかろうか、という話になった。今年もブタペストに行ったりしてね(お金がないけど)。


0114倉吉小倉家最終調査_01 0114倉吉小倉家最終調査_02
↑(左)新復元案  古い案は こちら を参照。 (右)痕跡調査野帳

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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