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青い瞳のダンケルド -カーリング批評(6)

ステイ・ポジティブ!

 疲れましたね。悔しいけれど、「勝つか負けるかわからないが最後に壁となって立ちはだかるのはミュアヘッドだろう」と予測したとおりになりました。4-7と劣勢の9エンド途中、英国がスウェーデンに敗れたという報せが届いたところから本当の熾烈な勝負が始まり、予想はついに覆らなかった。
 本当に最後まで勝負のわからない試合でした。ただし、少なくとも今大会に限っていえば、実力はホームの韓国が上でしたね。そだねぇ・・・サッカーの日韓戦に譬えるならば、ザックJAPAN前期の 日本>韓国 ぐらいの差があった。それでも、粘り強く延長戦まで食い下がることができたのはスキップのおかげです。セカンド~サードがショットミスを連発するなか、藤沢さんのショットで失点を防ぎ、得点を積み重ねた。ここが4年前と違うところでね。サードの船山さんが見事なアシストをするのにスキップは空振りの連続(見てる側はため息の連続)。ちなみに、北銀は鬼の居ぬ間の全日本選手権で三年ぶりの優勝を狙っていたみたいですが、決勝で富士急に敗れたそうです。
 悔やまれるのは1回の攻防でした。TV解説者が「後攻の韓国に複数点を与えてはいけない」と言っていた矢先の3失点。スイスや韓国は、リードからハウスの中心にストーンを集める戦法をとってくる。日本はそれを無視してガードストーンを置く。結果、ハウスの中は赤黄の石だらけになって大量得点か大量失点のどちらかに転ぶ可能性が高くなる。有利な後攻でこの戦法をとるのは結構かもしれませんが、序盤の先行ではまず失点を防ぐべきであり、敵のストーンがハウスに溜まったらどんどんテイクアウトしないと危険で仕方ない。そのテイクアウトに力がないのね。チームワークが良いのは結構だけど、小野寺佳歩のようにパワフルなセカンドがいないと強豪には太刀打ちできない・・・という発想は必ずしも正しくないんだな。そういう考えよって北銀は吉田姉と苫米地を解雇し、吉村と近江谷を雇用して弱体化したからねぇ。LSの場合、藤沢以外の3人もショット率を高めていくしかないんだわ。

 試合の流れは序盤から完全に韓国に支配され、後半になると、いつコンシード(ギブアップ)してもおかしくない状況を余儀なくされていましたが、9回以降は予選リーグと同じで、日本に神風が吹いた。問題は10回最後の攻防であり、韓国最後の一投がストーンを弾いて赤(韓)か黄(日)のどちらが中心に近いかを競う状況になった際、韓国は黄石の軌道をスウィープしていたのに対して、赤石はほったらかしのまま。たまたま黄が赤より内側にあったので延長になったけれども、あそこは藤沢さんが赤の軌道をスウィープしなければならなかった。しかしながら、結果として、石玉之神は日本に いったん 微笑んだ。
 延長になり、韓国陣は顔色を失っている。押せ押せのムードになったわけだが、日本は2エンド連続でタイムをとる。ここが運気の分れ目でしたね。10回のタイムは絶妙だったが、11回は要らなかったのではないかな・・・

 さて、マリリンは若いメンバーに「ステイ・ポジティブ」という指示を出したそうです。3位決定戦でも明るく楽しくポジティブにという発想は結構なことだが、ミュアヘッドはこういう修羅場を数限りなく経験していますからね。セカンド~サードがよほど頑張らないと劣勢を覆せないかもしれません。それでもなお、前向きな気持ちのままで、運を育んでほしい。



↑2006年の日本選手権で、常呂中学校ロビンズはトリノ五輪帰りのチーム青森を予選リーグで下し、全国3位となった。ロビンズのメンバーは吉田知那美(北銀→LS)、鈴木夕湖(LS)、吉田夕梨花(LS)、小野寺佳歩(北銀)であり、まさにLS北見の母体と言える。小野寺は吉村紗也香(札幌国際大→北銀)率いる常呂高校WINSのメンバーとしても活躍した。ロビンズ時代、藤沢五月(中電→LS)は北見市立北中学校でステイゴールドⅡというチームを率いており、後に世界ジュニアカーリング選手権に出場するが、ミュアヘッドには敗れている。捲土重来!!

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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