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今年も、寅さんの風景(3)

第19作(1977)「寅次郎と殿様」01表 第19作(1977)「寅次郎と殿様」01裏

 
 4月26日(木)の2年生の感想文です。松山には毎年通っていて、伊予まで足をのばそうと思っているのですが、いつも前の晩に深酒してしまい、レンタカーを運転する気力・体力を失う今日このごろでございます。


   第19作「寅次郎と殿様」(1977)
   マドンナ(鞠子)  真野 響子


初めて見る映画なのに、どこか懐かしい

<映画のあらすじ>
 こどもの日に帰ってきた寅さんは、ささいなことをきっかけに再び旅に出ることを決める。四国の伊予大洲の旅館に泊まった寅さんは、お昼に見て少し気になっていた女性と再会する。そこで女性に親切にし、旅館を後にした。次の日ある1人の男性と出会う。その人は殿様の藤堂さんといい、1日お世話になった。その日の晩、お酒で楽しくなった寅さんは殿様からある女性の人探しを頼まれる。承諾した寅さんは東京に帰り、女性を探し、運よく見つけた。その女性は旅館で出会った人、まりこさんだった。殿様の願いをかなえ、殿様はまりこさんと出会うことができた。それから寅さんとまりこさんの交流が深まり、殿様の提案で結婚の話まで出た。前向きに考えていた寅さんだが、まりこさんは他の男性と結婚することを決めたと報告してきた。寅さんは自分との縁談だったとは言わず、まりこさんに知られずに失恋した。

<映画の感想>
 今日初めて「男はつらいよ」シリーズを見ました。寅さんは少し怒りっぽく、自分のことをいじられるとすごく不機嫌になるけれど、律儀で情に厚い性格だとわかって、すごく魅力的だなと思いました。必死になってまりこさんを探す場面は、とくに寅さんの素敵な性格を表しているなと感じました。しかも、運よくまりこさんに出会って驚きました。そんな運の良さも寅さんの魅力の1つのように感じました。最終的に寅さんとの出会いがまりこさんの結婚を後押ししたことになり、切ないけれど、寅さんの生き方はかっこいいと思いました。
 また、映画の中で場面が変わるタイミングで効果的に美しい風景が流れているように感じました。小学生の通学の様子や電車と海の景色は素朴だけれど、すごくきれいだなと思いました。初めて見る映画なのに、どこか懐かしく感じる風景で、映画の内容と同様に穏やかだなと思いました。
 次回はどんな話なのかとすごく楽しみです。寅さんの「それを言っちゃぁおしめえよ」をまた早く聞きたいです。(経営学部2年OR)



少し面倒くさい性格だが、そこが自分にもあるので共感できる

<映画のあらすじ>
 初めは寅さんが旅に出ていたが、五月にとらやに帰ってきた。そこで喧嘩をしていまいとらやを出る。伊予の国大州にやってきて、宿で美人の女性に出会う。また、その地で老人に会い、親切にしたので、家に招かれた。そこで老人が元殿様であることを知った。そして殿様の藤堂さんの次男の未亡人をさがすと約束した。十日ほど経ち、とらやに帰宅した。そこには藤堂さんが待っていた。探し人の鞠子さんを東京で探すが見つからず、再び旅に出ようとしたとき、大州で会った美人に再会。じつはその人こそ鞠子さんであり、とらやで藤堂さんと鞠子さんが初めて会った。大州に藤堂さんが帰り、そこから手紙が届いた。鞠子さんの伴侶に寅さんがなって欲しいとあり喜んだが、鞠子さんから別の人と再婚する話を聞き、見事に失恋。そして旅に出る。ある夏の日、とらやに寅さんからの電話があり、寅さんは大州で笑いを振りまいていた。

<映画の感想>
 まず、思ったことは、昭和の映画だけあって昔の日本の姿があり、私は「和」が好きなので、映画のほとんどのシーンで興奮していました。作中にはたくさんの「和」があり、家も家具も風景も服装もどれも気に入りました。また、大州では水が多く、川もとても大きく、美しいと感動しました。
 初めて寅さんの映画を見て、寅さんは真面目で厳格な人と勝手に思っておりましたが、なんというか少し面倒くさい性格で、しかし、そこが自分にもあると共感でき、感情移入しやすいキャラクターだと思いました。だからこそ超大作で皆から愛される映画だと思いました。
 ほかにも、愛があります。愛といっても恋愛だけではなく、まずは兄妹愛が凄いと思いました。互いが互いを思いやっているシーンや相手のことで涙を流すシーンを見て、愛が深いと思いました。また、家族愛があると思いました。たとえ血がつながっていなくても、他人に対して家族のように接する寅さんの姿に感銘を受けました。(環境学部2年SA)


実家のようにリアルなセットに夢中になって

<映画のあらすじ>
 寅次郎は久しぶりに実家へ帰るが、妹さくらの息子のために買ってきた鯉のぼりをきっかけに、家族と論争になりすぐに出稼ぎへ。下宿先でたまたま綺麗なお姉さんに会い、元気がない様子だったので、お土産を渡すなどして親切にする寅さん。下宿先から出て、急な出費に困っていたところ、お金が風で飛んでしまった。そして、そのお金をあるお爺さんに拾ってもらう。寅さんは、そのお爺さんにお礼することで、仲が深まり、家に泊めてもらうことに。そのお爺さんは実はお殿様で、死んだ息子の嫁を探して欲しいと頼まれ、引き受けてしまう。東京中を探し回っても見つからず諦めていたところ、下宿先のお姉さんと再会し、そのお姉さんはお殿様が探していたまりこさんであることが判明する。寅さんが殿様とまりこさんの和解のきっかけになる。その後、殿様からまりこさんの婿になってほしいとお願いされるが、まりこさんにはすでに想い人がおり、寅さんの恋は失恋に終わる。

<映画の感想>
 寅さんの家の家具から昔の雰囲気をリアルに感じた。例えば、家の階段も、板だけついていて、斜面が急になっているのが、まさに昔の家によくある階段だった。また、壁に掛けてある写真にしているものもあれば、真っ直ぐに飾られているものもあったりして、自分の実家を思い出させられた。また葛飾島原も、商店街ののれんが出ていたり、昔懐かしの赤いボックスに入った駄菓子のキャンディーが設置されてあったりと、江戸の雰囲気を漂わせていた。また、伊予の大洲でもたばこのお店や赤電話が設置してあり、船を漕いでいる様子も素敵だった。これまで映画の中で背景に目を向けることは、あまりなかったが、よく見てみると、当時の雰囲気や旅先の風景によって、ストーリーに、想像の世界ではなく、一般の家庭にありそうな懐かしみを感じた。だからストーリーに夢中になってしまうのだなと感じた。(環境学部2年AS)


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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