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今年も、寅さんの風景(4)

第27作(1981)「浪花の恋の寅次郎」表 第27作(1981)「浪花の恋の寅次郎」裏



 連休が明けた5月10日(木)は1年生2回目のDVD鑑賞でした。舞台は大阪、芸者シリーズとしては、太地喜和子(ぼたん)の「寅次郎夕焼け小焼け」(1976)と双璧をなす作品でしょうね。松坂慶子の全盛期にみとれます。寅さん、よく辛抱したよ・・・無理ですね、わたしは絶対に。


   第27作「浪花の恋の寅次郎」(1981)
   マドンナ(ふみ)  松坂 慶子


好意に気づいて身を引く寅さん

<映画のあらすじ>
 瀬戸内海で寅さんはふみと出会い、ふみが大阪で暮らしていると知る。寅さんが大阪を訪れたとき、芸者のふみと再会する。ふみに生き別れの弟がいることを知り、会うように勧めたが、会いに行くと弟は病気により突然死していた。悲しみに暮れたふみは寅さんが泊まっている宿を訪れ、泣いて寝た。その翌朝、ふみの好意に気づき、身を引くために寅さんは東京に戻る。寅さんに会いに東京のとらやを訪れたふみは、結婚し対馬に移り住むことを伝えた。その後、寅さんは元気にお寿司屋さんで働くふみに会うため対馬を訪れる。

<映画の感想>
 私の地元が大阪なので、撮影当時の大阪を面白く感じました。新世界やつぼらやなど、現在でも見聞きするものが当時からあり、雰囲気が変わっていないことや、夜景の光の数が現在よりすごく少ないことなど、当時と現在との比較が面白かったです。大阪のイメージは人情が厚い、味が薄いなどというのはいいのですが、なんとなく乱暴な感じや芸者のおばちゃんのはしゃぎ方など、あまりうれしくないイメージがあることが気になりました。好意に気づいて身を引く寅さん というのが分かりやすく映っていたと思います。最後の対馬の段々畑と海の風景に目が惹かれました。(1年経営学科MJ)


家族は信頼しあっているからきつく当たってしまう

<映画のあらすじ>
 寅さんが竜宮城にいるという夢から始まる。そして、現実の世界では、社長の会社の経営がうまくいかなくなった所に寅さんが柴又に帰ってくる。寅さんが夢の中に社長が出てきたことを話したことで社長との仲がこじれてしまう。その後、瀬戸内海に旅に出た寅さんは、墓参りをしていた「ふみ」に出会う。そして、大阪に行ったときに偶然にもまたふみと再会する。ふみは幼いころに両親と弟のひでおと離れ離れになっていた。そのことを知った寅さんは、ふみと共にひでおを探しに行く。しかし、ひでおは1か月前に急死していたことが分かり、ふみは寅さんに迷惑をかけたと思い寅さんの前から姿を消してしまう。そうして柴又に戻った寅さんのところに芸者をやめたふみが突然訪れる。しかし、ふみは対馬に嫁に行くことを告げて、また寅さんはフラれてしまう。

<映画の感想>
 寅さんが家族を大切にする気持ちがよく伝わってきた映画だった。自分の家族だけでなく、ふみの家族のことを気にしたり、人間が生きていく中の不公平さを悔しがったり、人間味が溢れていて感動した。寅さんの家族はお互いを信頼しあっているからこそきつく当たってしまったりもするし、慰めあっていて素敵な家族だと思った。
 瀬戸内海に行ったときには、海や自然が豊かで、人間とは違って自由に泳ぐ魚の姿があったり、対馬の段々畑が印象的だった。大阪にいるときには、天王寺や大阪の下町の賑わう様子や、工場が立ち並んでいて地方とは対照的な景色となっていた。(1年経営学科ST)



苦手な大阪弁を機用に操る寅さん

<映画のあらすじ>
 寅次郎は瀬戸内海の小さな島で墓参りをしていた浜田ふみ(今作のマドンナ役)と知り合う。その後、大阪で再会を果たし、ふみとデートをする寅次郎は彼女に生き別れた弟がいることを知る。そこでふみと共に彼女の弟に会いに行くが、数カ月前に他界したことを伝えられ、悲しみに苛まれる。大阪の下宿先でふみを慰めていた寅次郎は、彼女にこのまま泊まってもよいかを迫られるが…

<映画の感想>
 物語序盤で寅さんが見た浦島太郎の夢は、映画を観ている人びとに対して、恋に夢中になり過ぎると痛い目をみますよと伝えているように思われる。
 撮影場所のひとつ広島県呉市豊浜町小野浦には大量の漁船が停泊していて、子供も多く、漁業でとても栄えていたことが分かる。また、ふみが芸者ということもあって夜の賑やかな大阪が描写されていたが、その様子からまさに当時の眠らない街というイメージが伝わってくる。寅さんとふみが弟を訪ねる際の工業地帯は当時の高度経済成長期を思わせる場面だった。物語の終わる対馬の段々畑と海は前半部分の瀬戸内海の風景と類似していた。つまり、ふみが生まれ育った故郷と似ているので、彼女の祖母と同様に弟の死の悲しみを乗り越えたという、ふみのそんな雰囲気が感じられる。
 ふみが寅さんの下宿先を訪ねそのまま寝入ってしまったあと寅さんは部屋を出ずにせめて朝まで傍にいてあげれば良かったのに、と思いました。ふみが結婚して対馬へ行くと言い別れを告げた後の大雨、暴風、落雷は寅さんの悲しみの度合いや彼がどれだけふみに恋い焦がれていたかを表しているようだった。大阪に苦手意識のある寅さんが大阪の長期滞在から東京のとらやへと帰ってきた際に大阪なまりが染み着いていた。マドンナに夢中になってしまったら、たとえ嫌いなものであっても自然と好きになってしまうという寅さんのおもしろおかしいところで、どこか憎めない性格が感じられ、今作の中で一番印象深かったです。(1年環境学科YH)


ハッピーエンドでもバッドエンドでもない切ない幕切れ

<映画のあらすじ>
 柴又にかえって来て早々、社長とけんかしてしまう寅さん。そしたまた旅に出た寅さんは、一人お墓参りをする女性おフミさんと出会う。その後、また商売の旅に出たところ、大阪でおフミさんにばったり会う。二人は意気投合し、次第に仲も深まっていく。そんなおフミさんには、昔生き別れになった弟がいるという話を寅さんは聞き、二人で弟のもとに会いに行こうと決心する。しかしそこで、二人は弟がすでに亡くなっていたことを知る。ひどく傷つくおフミさんと戸惑う寅さん。心に傷を負いながらも、おフミさんは一人寅さんの宿を去って行き、寅さんも「男は引き際が肝心だ」と言って、葛飾柴又に帰って行った。しかし、寅さんは頭の中はおフミさんのことで頭がいっぱい。そんな寅さんのもとに、おフミさんが現れ、対馬で結婚をすることを知らされる。

<映画の感想>
 今回の舞台は大阪です。僕も大阪に何度か言ったことがあるのですが、昔も今も新世界の雰囲気は変わらずにぎやかで通天閣が高くそびえ、町は夜も明るく光っていました。対馬は海に囲まれて数多くの船が島の周りに停泊しており、自然豊かな島だという印象を受けました。
 帰って来て早々些細なことで社長とけんかをし、大騒ぎする寅さん。はたから見れば少し面倒で不器用な寅さんですが、ばったり会った人と仲良くなったり、他人の弟のことを心配したりと心の温かさがあり、人をひきつける魅力があるキャラクターで、なぜか嫌いになれませんでした。なぜおフミさんはそんな寅さんと結婚をしなかったのだろうかと不思議でしたが、そこには言葉では説明できない、二人のお互いを思った気持ちがあるように感じました。そしておフミさんが別の男の人と結婚をすると聞いた時も、止めることもなく、温かくそして明るく見守る姿に男のカッコよさと切なさを感じ、また寅さんに惚れました。
 ヒロインのおフミさんは美しく明るく、心に深い傷を負いながらも、前向きに生きていこうと決意する姿に女性のたくましさを感じ、とても素敵でした。最後のシーンで寅さんがおフミさん夫婦と明るくおしゃべりして終わるシーンは寅さんの気持ちを知っているからこそ、明るい雰囲気なのに少し心が痛く、ハッピーエンドともバットエンドとも違う終わり方で男のつらさをワンシーンに詰めたとても印象的なシーンでした。(1年経営学科SD)

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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