梅雨の山里-板井原


火間土でゼミ
6月6日(水)。ゼミの時間を利用して、先生、会長さん、ゼミ生全員の計10名で、八頭郡智頭町にある県選定伝統的建造物群保存地区「板井原」を訪ねました。智頭の街から車で山道を15分ほど走り、トンネル(隧道)を抜けた先に板井原集落はあります。初めに集落内を見学しました。平成16年(2004)2月に県選定の伝建地区になり、最初のころに炭焼き工房や精米水車などが整備されましたが、現在常住するのは1~2世帯まで減っており、いわゆる「限界集落」の様相を呈しています。この山里には「平家の落人」伝説が残っています。先述のトンネルができたことで人口が一気に外に流出してしまったそうです。


板井原集落では、高地寒冷のため水田稲作が営めない代わりに、昭和40年ころまで焼畑農業がおこなわれており、ほかに養蚕・藍・大根栽培・炭焼きなどの産業が盛んでした。いま板井原は杉の植林に囲まれていますが、その大半はかつての焼畑地であったそうです。再現された炭焼き小屋を見学し、集落内唯一の茅葺民家で智頭町有形文化財に指定されている「藤原家住宅」や古民家カフェ「歩とり」(水曜定休)の外観をみてまわりました。また、集落内の多くの民家は高2階形式であり、その2階で養蚕が行われていたことを知りました。


雨の日には雨の日の良さがある、と先生は呟いておられましたが、梅雨入りの雨に濡れた山里の風景はとても日本らしいものです。見学の終着点はお食事処「火間土(かまど)」です。大きなかまどで炊いたごはんと山菜料理で有名な古民家レストランで、この日は3年生歓迎の会を兼ねています。ただし、食事の前に以下の研究発表をおこないました。
1)民家のみかた調べかた(3年NS&TA)
2)みんぱく訪問記-北方狩猟民の罠について(4年ゆずまる)

↑みんぱくの罠 ↓3年歓迎!




わたしは1)の後半を担当しました。昨秋、人間環境実習・演習Aで取り組んだ『民家のみかた調べ方』の輪読と実測・復原の成果を発表しました。一方、後半は国立民族学博物館(民博)収蔵庫での狩猟具調査の概要を4年生が報告しました。「火間土」のご主人は両方の発表に興味をもたれたようで、1)については、チョウナはつり部分が残っていることを教えてくださいましたし、チョウナそのものをみせていただきました。2)については、植林が進む前には狩猟が盛んだったそうで、ウサギを捕まえる罠を針金で実際に作ってみせてくださいました。先輩にとっては卒論の重要なフィールドになっていくと思われます。


好吃的不得了!
発表後、私たち3年生の歓迎会をしていただきました。この日の献立は、ワラビ粕汁、煮シメ(シイ茸・ニンジン・竹ノ子・フキ)、天プラ(ムカゴ・ツルムラサキ・シオデ・ホド)、手作りコンニャク、黒豆、ズイキ酢物、コシアブラアエ、板井原コーコ(沢庵)、ギボーシと、かまど炊きごはんでした。どれもこれもとても美味しく、ごはんが進みました。食事前から出していただいら飲み水や、お米を炊くのに使われている水は、集落の中を流れる板井原川の水で、とても綺麗でおいしい水でした。また行きたいです! (3年TA)


↑うさぎの罠 再現 ↓記念撮影


