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新刊紹介-田中淡著作集1(その一)

中国建築の特質―田中淡著作集1


残された目次メモ

 日本が世界に誇る中国建築史の大家、田中淡さん(京都大学名誉教授 1946-2012)が旅立たれて6年が経ち、このたび著作集の第1巻が出版の運びとなった。まずは書籍情報から紹介する。

  著者: 田中 淡 (編集担当:藤井恵介)
  書名: 『中国建築の特質―田中淡著作集1』
  出版年月: 2018年3月11日
  出版社: 中央公論美術出版 A5版 280頁 5,500円+税

 目次を以下に転載する。

第1部 奥行の指向-中国の住空間
 1 中国の住まい-奥行の指向
 2 生と死の原理
 3 壮大な清朝建築の集合-故宮にみる中国建築の伝統
 4 「高低冥迷として東西を知らず」検証・阿房宮-その実態を探る
 5 中国の建築の屋根をめぐる話
 6 十字路の報時楼閣
 7 中国の伝統的木造建築
 8 装飾と構造を規定するもの
 9 中国の穴居の伝統
 10 干闌式建築の伝統-中国古代建築史からみた日本

第2部 玉座の空間-中国建築にみる伝統
 1 中国の住まい-四合院と南北の伝統
 2 王座の空間
 3 聖なる空間表象としての傘蓋
 4 中国建築の伝統とその優越性
 5 公的建築の伝統/私的建築の世界
 6 中国都城と日本の都城-軍事の要砦から市場の街へ
    偃師、鄭州から洛陽、開封まで
 7 漢代の建築
 8 建築と道教
 9 中国の倉
 10 中国住宅の類型
 11 歴史にみる先端技術導入の場面

 本書を構成する21の文章は、本格的な論文ではなく、商業出版社などから求められるままに書いた小論・随想の類が多数を占めるが、その内容は幅広く奥深いものばかりであり、こうして一冊の本として束ねられると、いっそう価値は高まり、東アジア建築史を学ぶ者にとって必読の文献に仕上がっている。藤井恵介氏の解題(p.268-)によると、「田中氏はかねてから、それらを取りまとめ一書として公刊することを企画していたようで、氏の残された書類の中から、それらしい目次メモが発見された」ものであり、本書の小題や配列はそのメモに従ったという。田中さんが決めていた配列は執筆年に即しており、第1部は1978~1993年、第2部は1993~2003年に発表された業績群である。自分の人生と重ね合わせてみると、中国留学~奈文研在籍時にほぼ重なり合い、多方面にわたり田中さんにご指導いただいた時期であり、懐かしい気持ちでいっぱいになる。
 次回より、その内容に触れていこう。【続】


《連載情報》
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(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1855.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1856.html


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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