紫陽花の露西亜(14)

ベルギー 2-0 イングランド
開始4分、出場停止が解けたムニエ(PSG)のゴールで勝敗は決してしまいました。ベルギーは1点取っても守備に傾かない。クロアチア戦のイングランドも少なくとも前半はこうしてほしかった。あるいは、こうすべきでした。
ベルギーとイングランドでは相当な実力差がある。ベルギーはフランスに惜敗したものの、サッカーの質としては、1974年のオランダを彷彿とさせる衝撃を与えてくれました。オランダが弱体化したのと入れ替わりで隣国ベルギーが列強に加わったとみればいいわけです。そして、クライフが攻撃サッカーの完成形とした3-4-3システムはベルギーによって完成されたと言っていいかもしれません。逆にイングランドは、3決の顔としては力量不足の感が否めませんでした。ウルグアイ、アルゼンチンなどの南米勢が準決の1チームに加わるほうがおもしろかったでしょう。日本もベスト4のチームとしては未だ物足りないですが、少なくともイングランドよりは魅力的なサッカーをみせてくれたと思います。日本のサッカーはイングランドより質が高い。ポーランド戦を勝ちにいっていたら、イングランドの代わりに3決に勝ち上がっていた可能性があり、そこでベルギーを苦しめていたかもしれません。

さてさて、ムニエの復帰と活躍により、ベルギーはイングランドを寄せつけなかったわけですが、当方としては、またしてもPSG理論を裏付けるデータが追加されたことになります。以下に示します。
フランス(ンバッペ) 4-3 アルゼンチン(ディマリア)
ウルグアイ(カバーニ) 2-1 ポルトガル(無)
ベルギー(ムニエ) 3-2 日本(無)
ブラジル(ネイマール+シウバ) 2-0 メキシコ(無)
フランス(ンバッペ) 2-0 ウルグアイ(カバーニ欠場)
ベルギー(ムニエ) 2-1 ブラジル(ネイマール+シウバ)
フランス(ンバッペ) 1-0 ベルギー(ムニエ欠場)
ベルギー(ムニエ復帰) 2-0 イングランド(無)


ここまであたると、決勝におけるフランスの優位は動かしがたいようにも思うのですが、GLを含むと例外が一つだけあって、それはクロアチアがアルゼンチンに勝った試合だと前回述べたのですが、改めて調べてみると、その試合でディマリアは先発から外れ、交代枠としても出場していません。ですから、例外にはならないわけですが、アルゼンチンを媒体として決勝ニ国を比較してみましょう。
クロアチア(無) 3-0 アルゼンチン(ディマリア欠場)
フランス(ンバッペ) 4-3 アルゼンチン(ディマリア)
このデータだけみると、クロアチアの方がフランスより強いかにみえます、クロアチアの疲労は尋常なレベルではないでしょう。一方、イングランドとベルギーを媒体として両者を比較することもできます。
クロアチア(無) 2-1 イングランド(無)
ベルギー(ムニエ) 2-0 イングランド(無)
フランス(ンバッペ) 1-0 ベルギー(ムニエ欠場)
こちらのデータでは、ベルギーはクロアチアよりもわずかに強く、そのベルギーをフランスは倒していることになるので、フランス優位と予想できます。
まっ、データをこねくりまわしても始まりません。ジダンの頭突き退場のようなサプライズがおきてほしい。ンバッペ(PSG)さえ消えれば条件は同じになる・・・
