ヒマラヤの魔女(1)

バレーさん大活躍!
10月4日(木)、1・2年の総合演習「プロジェクト研究2&4」が始まりました。一世一代のオリエンテーションに年甲斐もなく緊張感を隠せません。主題を「ヒマラヤの魔女」としています。魔女の浄化(調伏)にはファルスが必要です。ファルスに係わる英語の短文を読んでほしいと心から思っていたのですが、1・2年生(の女子)にうまく説明する自信はなし。さんざん考えたあげく、ブータン調査に参加した3年のバレーさんに肝要な部分についての説明を依頼しました。彼女は別の授業のオリエンテーションを抱えていましたが、担当教員とくりかえし交渉し、解説係を快諾してくれました。イントロのパワポが始まり、すでに紋きり型になりつつある雲南阿東での交通事故から梅里雪山の遥拝に至る経緯を述べ、チメラカン周辺のファルス信仰(↓)を簡単に説明したところで、バレーさんにバトンタッチ。彼女は、ファルス信仰はブータンに根付いている文化なので、偏見をもたずにプロジェクトに臨んでほしい、と下級生に訴えました。うまいもんです。わたしだけでなく、最後列に陣取った院生やあやかめさんも感心しきり。その大役を果たし、彼女は出席すべき別の講義に消えていきました。改めて深謝申し上げます。


プロジェクトの概要と授業計画は以下のとおりです。
<テーマ> ヒマラヤの魔女-自然と人間の関係を考える
<概要> ヒマラヤ山脈周辺を魔女が支配しています。チベット、ブータン、ネパールなどの国々では古くから自然崇拝を重視する「ボン教」が信仰され、土地の隅々に精霊や女神が息づいていました。7世紀、仏教がヒマラヤに入ってきます。仏教はボン教を邪教とみなし、自然災害や不幸が生じると、ボン教の「魔女」や「妖怪」が原因だとして、瞑想修法により、それらの悪霊を浄化(調伏)し「谷の守護神」として仏教側にとりこんでいきます。この浄化の過程で有力な手段となったのが金剛=ファルスです。ファルス信仰は日本でも盛んであり、たとえば摩尼山(鳥取市覚寺)の「賽の河原」にも巨大な道祖神(賽の神)の木彫が祭られています。本プロジェクトでは、チベット仏教と日本に共有される山の信仰を学び、自然と人間の関係について考察します。
キーワード: ヒマラヤ 魔女 妖怪 チベット仏教 能海寛 摩尼山
<授業計画>
①10月04日 オリエンテーション-チベットの魔女について【1・2年合同】
②10月11日 文献輪読A【2年2コマ】第1回
③10月18日 文献輪読B【1年2コマ】第1回
④10月25日 文献輪読A【2年2コマ】第2回
⑤11月01日 【休講】(11月10日及び12月01日イベント参加のため)
⑥11月08日 DVD鑑賞「チベット 死者の書」(NHKジブリ学術ライブラリー)鑑賞後、
摩尼山トレッキング準備【1・2年合同】
11月10日(土)【代講⑤】摩尼山「賽の河原」トレッキング
⑦11月15日 文献輪読B【1年2コマ】第2回
⑧11月22日 文献輪読A【2年2コマ】第3回
⑨11月29日 文献輪読B【1年2コマ】第3回
12月01日(土)【代講⑩】 シンポジウム「雲南に消えたチベット仏教求法僧」参加。
⑩12月06日 【休講】(11月10日及び12月01日イベント参加のため)
⑪12月12日 資料整理→パワーポイント作成(1)【1年2コマ】
⑫12月19日 資料整理→パワーポイント作成(2)【2年2コマ】
⑬01月10日 発表会リハーサル(1)【1・2年合同】
⑭01月18日 発表会リハーサル(2)【1・2年合同】
⑮01月24日 発表会

↑(左)1110摩尼山「賽の河原」トレック (右)1201能海寛生誕150周年国際シンポジウム ゲラです。正式なチラシではありません。
問題は学生たちがどういう文献の輪読を希望するか、です。以下の6種を候補として呈示しました。
<1>小林尚礼『梅里雪山』
<2>江本 嘉伸『能海寛 チベットに消えた旅人』
<3>ブータンの絵本 Akhey Gyem
<4>ブータンの絵本 How Turnips came to Haa
<5>ブータンの宝塔 Stupa: Anchoring the mind of truth
<6>空飛ぶファルス Flyng Phallus -Fight Forces of Evil-
最初のアンケートをみる限り、ファルス論文(6)はさほど人気がありませんでした。どちらかというと、日本語の本を読みたいと希望する学生のほうが多かったかもしれません。ところが、各学年に分かれて話し合った結果は驚くべきものでありました。できるだけ英文を読んでほしい、そのほうが楽だとうことを何度か強調したのですが、結果は以下のとおりです。
1年(7名)
<6>空飛ぶファルス 4名(久保・黒田・須藤・佐藤Y)
<4>ブータンの絵本 3名(末次・光田・佐藤A)
2年(9名)
<5>ブータンの宝塔 2名(政井・山田)
<6>空飛ぶファルス 4名(岩立・松本・安部・安田)
<3>ブータンの絵本 3名(松原・湯原・湊)
この演習は1・2年隔週ですが、次回(11日)は2年の「宝塔」の訳をおこないます。さて、どうなることやら。

↑集合写真 ↓メモ

<1>小林尚礼『梅里雪山』
<2>江本 嘉伸『能海寛 チベットに消えた旅人』
<3>ブータンの絵本 Akhey Gyem
<4>ブータンの絵本 How Turnips came to Haa
<5>ブータンの宝塔 Stupa: Anchoring the mind of truth
<6>空飛ぶファルス Flyng Phallus -Fight Forces of Evil-
最初のアンケートをみる限り、ファルス論文(6)はさほど人気がありませんでした。どちらかというと、日本語の本を読みたいと希望する学生のほうが多かったかもしれません。ところが、各学年に分かれて話し合った結果は驚くべきものでありました。できるだけ英文を読んでほしい、そのほうが楽だとうことを何度か強調したのですが、結果は以下のとおりです。
1年(7名)
<6>空飛ぶファルス 4名(久保・黒田・須藤・佐藤Y)
<4>ブータンの絵本 3名(末次・光田・佐藤A)
2年(9名)
<5>ブータンの宝塔 2名(政井・山田)
<6>空飛ぶファルス 4名(岩立・松本・安部・安田)
<3>ブータンの絵本 3名(松原・湯原・湊)
この演習は1・2年隔週ですが、次回(11日)は2年の「宝塔」の訳をおこないます。さて、どうなることやら。

↑集合写真 ↓メモ

