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雲のかなたへ-白い金色の浄土(15)

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雲南民族大学校門にて-抗日戦争勝利記念日
 
 9月18日(火)。雲南省の最終日です。朝8時半にホテルを出発し、まずは何大勇さんの勤務する雲南民族大学に向かいました。本来なら午前に教授の講演会があり、副校長さんたちとの昼食会が予定に組まれていましたが、抗日戦争勝利記念日のイベントがあるので中止となったことを一方的に通達され、大学博物館などの見学どころか、キャンパス内への立ち入りすら躊躇われる状況であり、門前での写真撮影が精一杯でした。講演会を企画した何さんも立場が苦しいところでしょう。


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↑↓廻龍寺
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三教合一寺院「廻龍寺」

 空港に直行するには時間が早いので、最初は浄土伽藍で有名な円通寺を訪問しようと考えていたのですが、方向が真反対なので、空港と同方向にある廻龍寺の視察に切り替えました。廻龍寺でまず目につくのは、門の軒反りです。とても印象的でした。門の組物の彩色は群青を基調とし、獅子や鳳凰を表現しています。門をくぐると小太りの達磨大師像が迎えてくれます。その両脇には四天王が二体ずつ対称に立ち並びます。教授によれば、建物は民国時代のものではないか、ということです。あるいは文化大革命後の再建かも?


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 門を抜けると、中庭を建物が囲む四合院となっており、本堂(大雄宝殿)は門の向いに位置します。本堂には3体の釈迦仏が並んでいます。本堂の正面右側には脇院があり、鼎(カナエ)と呼ばれる中国古代の青銅器を中庭におき、その奥の堂屋に儒教と道教の尊格を祀っています。廻龍寺は仏教・儒教・道教を併祀する三教合一寺院なのです。有名な寺院ではないそうですが、とても新鮮に感じました。


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上海外灘-和平飯店小龍包

 午後からは飛行機での移動です。15時20分昆明発のMU便で貴州銅仁を経由し上海浦東に向かいます。ここで何大勇さんとお別れです。初日の空港出迎えの遅刻からはじまり、教授の講演のドタキャン、日本人にあわない食事のチョイスなど、この一週間あまりのあいだ様々なトラブルを引き起こしてきましたが、なんだかんだ御世話になりました。12月1日のシンポジウムでの再会を約束し、調査隊3名は上海へ飛び立ちました。
 20時15分、上海浦東空港に到着です。まずはホテルに向かうため、バウチャーを確認すると、ホテル名の記載が英語しかなく、中国名がわかりません。ホテル名とシャトルバス乗り場などの情報を得るために、インフォメーションの女性スタッフに問いかけますが、最初の人が不愛想で適当な対応であったため、先行きが不安になりました。その後は別の場所の職員やバスの運転車などに助けてもらい、なんとか浦東地区のホテルにたどり着くことができました。
 新潟から雲南奥地に至る旅で体力を消耗し尽くしていましたが、せっかく上海にきたので街を見学することにしました。はじめに外灘(バンド)に行きました。「犬と中国人 入るべからず」で知られる租界時代の河岸公園で、車道の対面には古典的な高層の洋館が軒を連ねています。いまでも当時の文化遺産を継承・活用している古き良き上海のシンボルであり、ライトアップされた洋風建築群のまわりは観光客などでごった返しています。僕自身、上海に初めて来ましたが、その街並みの美しさや予想を超えた大都会の風情にとても驚きました。外灘は教授が中国の留学生だったころよく通った思い出深い場所であり、とくに和平飯店というホテルのレストランがお気に入りだったそうです。現在の和平飯店は上海の中でも最高級のランクであり、なにもかも高くてなかなか手が出ません。街に出てウィグル族が経営する回民食堂に入ると、蘭州牛肉ラーメンが1杯10元(170円)と超安く、薄味で美味しかったです。


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「里弄」再開発-新天地

 次に新天地を歩きました。租界時代の里弄(路地裏)住宅区を再開発した商業地区で、ここも大変な人出で賑わっていました。石庫門とよばれる石積みの古い都市住宅が集中しており、それらを改修したレストランやブティックなどがセレブ層を集めています。スターバックスなどのカフェも古い街並みに溶け込んで、とても綺麗です。文具屋と洋服屋をひやかしてみましたが、値札をみれば目がシロクロ・・・中国の伝統的なチーパオ(旗袍)、つまりチャイナドレスに色気をみせていたあやかめさんも買うのをあっさり諦めてしまいました。


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浦東スカイスクレーパー

 最後に訪れたのは、浦東地区の摩天楼です。外灘や新天地などの歴史的な街並みとは違い、超高層ビルが林立するニュー上海のビジネス中心地区です。90階前後もある上海環球金融中心や金茂大厦などの超高層ビルに立ち寄りましたが、田舎者丸出しの私はその世界観についていけませんでした。昨年末に来られた教授によると、クリスマスの賑わいとセレブ感は異常なほどだったそうなので、いつかは行ってみたいと思いました。

ニーサンもうない

 帰りはタクシーでホテルへ向かいましたが、この運転手がなかなかの当たりでした。運転手の名前はニーサンです。サービス精神が旺盛で、私たちがタクシーに乗るなり、教授に刺激されて、愉快な下ネタを連発し、場を盛り上げてくれます。3人とも、ニーサンのおかげで疲れが吹き飛んだようでした。あまりに楽しかったので、タクシー以外に50元チップを奮発しました。帰り際、教授とニーサンは電話番号を交換されていたので、いつの日か再会することでしょう!

 翌19日(水)。いよいよ帰国日です。9時30分発の飛行機は愛知県の中部国際空港を目指します。雲南省では一週間ほぼ毎日トラブル続きであったため、この日も無事に日本まで帰れるかとても不安でしたが、なんとか皆無事に家にたどり着くことができました。帰国後、男3人はバタバタと倒れてしまいましたが、あやかめさんだけはビンビン元気になっていきました、水を得た魚のように。(ザキオ)【完】


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【連載情報】
雲のかなたへ-白い金色の浄土(1)
雲のかなたへ-白い金色の浄土(2)
雲のかなたへ-白い金色の浄土(3)
雲のかなたへ-白い金色の浄土(4)
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二人の感想-ブータンから西北雲南の旧チベット領まで
雲のかなたへ-白い金色の浄土(15)
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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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