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ペルセポリスの夜(2)

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祝鹿島ACL優勝!

 われらが11月11日の午前0時、10万人のサポーターで溢れかえるアザディ・スタジアムでキックオフの笛がなった。鹿島での試合とは異なり、ロングボールの往来する原始的な展開で試合は進んでいった。ハリルの大好きな縦に早いサッカーだが、裏を返せば、イングランド流のキック&ラッシュが少しだけ現代的になったものであって、ドイツの組織、オランダーのトータル・フットボール、バルサのチキタカに親しんでいる我々には前近代的としかいいようのない蹴球スタイルである(イタリアのカテナチオにはもう少し守備とカウンターの美学がある)。


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 日本はこういうロビングゲームを得意としない。しかし、今回の鹿島の守備には、二人の韓国代表経験選手がいる。ベルギーに移籍した植田の穴を埋めるCBチョン・スンヒョンと全北現代で二度のACL制覇の経験があるGKクォン・スンテである。韓国選手はこういうゲームに強い。とりわけ、クォン・スンテは日本のGKにはない抜群の安定感があり、ちょっとやそっとのことでは点をとられる気がしなかった。このレベルのGKが日本にいたであろうか。全盛期の楢崎がやや近い気もするが、ロシアW杯のGKがもしクォン・スンテであったなら、日本代表は冗談ではなく、ベスト4まで勝ちあがっていた可能性が高いと思われる。結局試合は0-0で終わり、MVPには鈴木優磨が選ばれたが、わたしが選考委員だとしたら、クォン・スンテに1票投じたであろう。
 鹿島を常勝軍団に導いたジーコは、日本代表監督で失敗し、世界各地を遍歴したが、やはり鹿島が似合う。セルジーニョという得点源を鹿島にもたらしてくれたことをおおいに感謝したい。しかし、韓国の2選手が特別な働きをしたことも忘れてはいけないだろう。


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バードスタジアム-撫子対ノールウェイ
 
 その日の午後2時からバードスタジアムで、なでしこJAPANとノールウェイ代表の試合があった。自家用車での来場は禁止されており、わたしは徒歩でスタジアムをめざした。下宿のある大覚寺から蔵田神社の向こうにあるスタジアムまで40分ばかり。前日の摩尼山一周に続いて、父の命日でもまたよく歩いた。
 蹴球酒場で、ホームスタンド側のカテゴリー2のチケットを購入していた。カメラの逆光を避けるため南側に陣取ったら、ノールウェイ・ベンチの裏側だったので、練習からポニーテールの金髪女子たちに親近感を覚えた。ともかく背が高い。170~180cmの選手がごろごろいる。日本最大の弱点である「高さ」をもつチームであり、良い練習相手だと思った。


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 ところが、ノールウェイは日本の「つなぐサッカー」をまともに受けてたち、高さを活かそうとしない。日本は若手に切り替わってきているが、澤時代以来の女バルサが復活しつつあり、見事なテイキタカで観衆を魅了している。キックオフから10分たって、得点は時間の問題だと感じ、まもなく横山がFKを直接決め、岩渕が左足一閃してノールウェイのゴールを揺らした。ノールウェイ側に陣取っていたからだろうが、どうしてもノールウェイの立場でゲームを考えてしまう。なぜ監督は、もっと単純にボールを放り込まないのだろうか。ペルセポリスのような試合運びをすれば、撫子たちは間違いなく苦戦を強いられたであろう。ウィングバックをタッチラインいっぱいに張らせて、早めにアーリークロスでセンターの長身選手2~3名にあわせれば、いくらでもチャンスは生まれるだろうと思ってみていたのだが、最後の最後まで監督はそういう作戦をとらなかった。あるいは、本番(W杯→五輪)用にパワープレーを温存し、自分たちの「つなぐサッカー」がどこまで日本に通用するか試したのかもしれない。こういうパスサッカーでは日本を倒すことがでいないと身をもって知ったことに意義があるといえばあるのか・・・


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 心配なことが一つある。澤の後継者として中盤を指揮していた阪口夢穂が怪我をして、その代役を務めた宇津木にミスがとても多かった。それは目に余るほどの多さであり、後半開始から長野風花に交替させられた。長野はU-17女子W杯(2014)、U-20女子W杯(2018)で優勝メンバーになった選手であり、A代表デビューであるにも拘わらず、後半をみる限り、良好に機能した。世代交代が加速するであろうと思われる。もう一つは、鮫島の問題である。撫子として通算100試合出場したというが、わたしの目には危ない左SBとして以前から映っていて、どうして最初から有吉を使わないのか、よく理解できないでいる。これと絡んで言っておきたいのは、余計な1失点についてである。
 ノールウェイCKの場面で、高倉監督はそれまで安定感のあったCB市瀬を下げ、有吉を投入した。鮫島を市瀬の位置(CB)に動かして、左SBを有吉としたのである。まず、プレースキックでセンターバックを替えること自体が間違っているし、交替するとしたら、鮫島をさげて有吉を入れれば良かっただけのことではないか。4-0で圧倒していた試合を無失点で終われなかったことに一抹の憾みが残った。どんなメンバーであれ、防御率はできるだけ低くしたい。


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 正直なところ、前半を終えた段階で、彼我の差はあきらかであり、勝利は間違いないと確信して「一音会」の第48回定期コンサートに移動しようかとも思ったのだが、考えてみれば車がない。演奏会終了に間に合わないと判断し、後半も観戦した。
 ちなみに、ザキオ情報によると、バレーさんがバイトする某スタバに撫子数名があらわれたのだそうです。代表のジャージを着たままというから、ちょっと驚きだよね。アジア大会のバスケットボール代表のように悪さしたわけではないけれども、スタバに行くなら私服で行くべきでしょうね。普段着なら誰も撫子だとは気づかない。それを、なぜどうして、みずからアピールしようとするのか、理由を訊いてみたい。【完】 





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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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