おまえはラッパーなんかじゃない(1)


刀田山鶴林寺
兵庫県加古川市にある山号を刀田山(とたさん)鶴林寺は天台宗の古刹で、本尊は薬師如来である。聖徳太子建立七大寺の一つともいうが、創建の事実は詳らかでない。兵庫県最古の建造物とされる太子堂をはじめ、国宝2棟、重文4棟、県指定3棟を含む歴史建築の宝庫であり、11月18日に訪問した。ここだけの話なんすが、私、初の参拝です。日本建築史を教えながら、こんな重要なお寺に来ていなかった。折衷様と縋破風の教材としておおいに活用しようと思います(サムネイルを多数貼り付けておきます)。


本堂
入母屋造本瓦葺き平入平屋建。桁行7間×梁間6間。堂内の宮殿(くうでん=厨子)の棟札銘から応永4年(1397年)の建築とされる室町時代の建築である。和様に禅宗様を加味した折衷様建築の代表作で、桟唐戸を多用する。内部の宮殿には秘仏の本尊「薬師三尊」像と二天像を安置する。組物は二手先とし、中備は蟇股と双斗(ふたつと)を組み合わせた特殊なものである。



太子堂
本堂の手前右方に建つ平安建築。壁画に聖徳太子像を描くことから太子堂と呼ばれるが、元は「法華堂」であり、本堂手前左方の常行堂と対をなす。宝形造檜皮葺きの方三間身舎の前側に孫庇(礼堂)を付した形式になり、縋(すがる)破風の代表作でもある。屋根板の墨書から天永3年(1112年)の建築と判明。縋破風のついた檜皮葺き屋根の造形は洗練されており、平安期の寝殿を彷彿とさせる。


↑↓太子堂


